【カオスマップ第5版】不動産テックの「リフォーム・リノベーション」領域にはどんなものがあるの?

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【カオスマップ第5版】不動産テックの「リフォーム・リノベーション」領域にはどんなものがあるの?

参入相次ぐリフォーム・リノベーション領域

一般社団法人不動産テック協会が2019年8月22日に公開した「不動産テック カオスマップ」第5版。中でも「リフォーム・リノベーションの企画設計施工、Webプラットホーム上でリフォーム業者のマッチングを提供するサービス」と定義する「リフォーム・リノベーション」領域は、第4版の18サービスから22サービスに増加し、参入が相次いでいます。

今回は、日本の中古住宅におけるリフォーム・リノベーション市場の最新事情とともに、カオスマップの「リフォーム・リノベーション」領域について見ていきましょう。

不動産テックカオスマップ第5版不動産テック カオスマップ第5版」【出典】一般社団法人不動産テック協会【URL】https://retechjapan.org/retech-map/

中古住宅市場の拡大に牽引されるリフォーム・リノベーション市場

日本の住宅市場は、戦後から高度成長期にかけての住宅需要の増加や、住宅ローン制度の普及によって飛躍的に成長しました。
しかし中古住宅に関しては、「今後の中古不動産市場の成長のカギを握るもの」でも取り上げたように、ローンや税制の違いから全住宅取引数のうち中古住宅の取引率が89.3%のアメリカ、68.4%フランスなどと比較し、14.7%と非常に少なくなっています(国土交通省「平成26年度 国土交通白書」より)。

ただ、最近になって中古住宅の需要が増えるいくつかの動きが出てきています。例えば、「深刻化する『空き家問題』から見る『空き家テック』の需要」でも取り上げた空家問題などに対し、日本政府は「いいものを作って、きちんと手入れをして長く大切に使う」ストック活用型社会(参考:国土交通省「住宅ストック活用型社会の実現に向けて」)へ転換するため、2009年「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」を施行しました。これにより住宅を長持ちさせるリフォーム工事などに税制優遇や費用補助を行うなど、中古住宅への評価が見直されています。

また、株式会社ネクストの「中古住宅売買を活性化させる『建物検査』や『既存住宅売買 瑕疵保険』についての、認知度や理解、希望や不安に関する調査」によると、消費者のニーズも、新築物件にはこだわらず、予算面や築年数よりも、間取りや広さなどのスペックを重視して住宅の選択に中古住宅を選択するなど変化してきています。千代田・中央・港・渋谷・新宿などの都心区では、すでに中古住宅流通量が新築物件の着工数を上回っており、そのニーズの高さがわかります。 

※瑕疵(かし)保険/住宅の初期不良を保証する住宅事業者向けの保険

中古物件を選択した理由株式会社ネクスト「中古住宅売買を活性化させる『建物検査』や『既存住宅売買瑕疵保険』についての、認知度や理解、希望や不安に関する調査」【出典】株式会社ネクスト「中古住宅売買を活性化させる『建物検査』や『既存住宅売買瑕疵保険』についての、認知度や理解、希望や不安に関する調査」6Pより【URL】https://lifull.com/files/news/press-research/130328.pdf

主流となる業者とのマッチングサービス 

中古住宅の需要が高まるにつれ、中古住宅をリフォーム・リノベーションする需要も併せて高まっています。そのような中、消費者がリフォームやリノベーションを行う際にまず課題となるのが、どのようにすればより最適な業者を選定できるかということです。
国土交通省「平成30年住宅市場動向調査報告書」によると、リフォーム実施世帯における「施工者に関する情報収集方法(複数回答可)」は、「以前から付き合いのある業者」が約36%、次いで「知人からの紹介」が約26%と何かしらつながりのある業者が多く、「折り込み広告」や「インターネット」などの割合は少なくなっています。

一方で、リフォーム時に困った体験として、リフォームの施工者から提示された見積もりやプランが適切か、信頼できるかわからなかった、また費用や工期が当初の予定よりもかかったなど、施工者の選定が必ずしもうまくいっていない現状が見て取れます。

施工者に関する情報収集方法とリフォーム時に困った経験国土交通省「平成30年住宅市場動向調査報告書」【出典】国土交通省「平成30年住宅市場動向調査報告書」より【URL】https://www.mlit.go.jp/common/001287759.pdf

このようなニーズに対して、最適な業者とのマッチングを提供する不動産テックサービスはカオスマップの同領域でも中心となっています。

リノベ不動産(株式会社 WAKUWAKU)

銀行や不動産会社、設計会社、施工会社、インテリアショップなどたくさんの会社とともに多くの工程を経て完成させるリノベーションは、自分のライフスタイルや価値観に合わせてアレンジできることが魅力です。しかし、その分ユーザー自身が一社一社にリノベーションに対する思いやこだわりを説明する必要があることが課題でした。
そこでリノベ不動産は「中古購入+リノベーション」を軸として、ユーザーに対して中古住宅の提案から資金計画、リノベーションの設計デザイン、工事、インテリアの選定、アフターサービスまで1社完結で提供することで、ユーザーが真に叶えたいライフスタイルや暮らし方に合わせたリノベーションを実現しています。
施工業者に対しても、サイトを通してユーザーを送客するだけではなく、営業からアフターサービスまでのノウハウをパッケージ化し提供することで収益性の高いビジネスモデルを実現しています。

リノベ不動産サイトのトップページリノベ不動産【URL】https://renovefudosan.com/

くらそうね解体(株式会社クラッソーネ)

「くらそうね解体」は空き家問題が深刻化する昨今、解体業者1000社以上のデータベースから、工事内容や建物の工事規模などに合わせて最適な業者を3社無料で紹介するサービスです。ユーザー自身が解体業者に直接発注することで、ハウスメーカーや工務店、建築会社経由で依頼する際に発生するマージンを抑えることができます。
登録されている1000社は、いずれも自社施工や工事保険の加入、スタッフによる役所への調査など厳正な基準をクリアした解体業者のみなので、ユーザーは安心して任せることができます。また、建築士や解体工事の専門家、ローンアドバイザーや相続鑑定士まで、様々なユーザーニーズに対応できるスタッフを抱えており、見積りから工事完了までトータルで徹底サポートしていることも人気の一つです。

くらそうね解体サイトのトップページくらそうね解体【URL】http://www.kaitaimitsumori.com/

消費者の希望と結果のミスマッチを解消する不動産テックサービス

消費者の希望に併せたオーダーメイドサービスであるリフォーム・リノベーションでは、消費者が事前に実物を確認して購入を決めることが難しいということも課題の一つです。特に、専門家ではない消費者は、業者にどのように発注をすれば自分の希望が実現するのかわからない場合もあります。そこで消費者がより正確に完成結果をイメージしやすく、業者も消費者の希望を的確に理解するためのサービスも登場しています。

クロニクルプラス(株式会社クロニクル)

「クロニクルプラス」は希望の中古物件を探し、ファイナンスの相談からリノベーションの設計・施工までを専属のコンシェルジュがワンストップで提供するサービスです。新築と違い、既存の物件の制約を受けるリノベーションでは、どのよう物件を選ぶのかも重要なポイントであり、物件選びの段階からリノベーションを念頭において物件を選ぶことができることは大きな魅力といえます。
また、物件購入からリノベーションまでの全体を見渡した上で資金計画を立てられることも、結果として予算を効率的に活用できることにつながります。さらに、VRによって物件や施工事例を確認できることも、慣れない消費者にとってはイメージを持ちやすい点です。

クロニクルプラスサイトのトップページクロニクルプラス【URL】https://www.chronicle-web.com/plus/

LIMIA(リミア株式会社

リフォームやリノベーションについて、消費者がより情報を得ることも重要です。「LIMIA」はそんな情報収集に役立つサービスです。
LIMIAは建築、リフォーム、リノベーションなどの住まいづくりに役立つ情報が多数掲載され、日々新たな情報が更新されています。さらに、インテリアや収納、DIYなどの情報も豊富で、暮らしに関するアイディアを総合的に取り扱っています。
また、ユーザー自信も情報を発信し、シェアすることができるなど、住まいや暮らしに特化したSNSとしての機能も持っていることが特徴となっています。
さらに、80職種以上の住まいの専門家が登録しており、彼らが発信する情報を確認するだけでなく、直接相談することも可能となっており、消費者が自身の知見を深めることができるサービスとなっています。


LIMIAサイトのトップページLIMIA【URL】https://limia.jp/

まとめ

このように、中古住宅のリフォーム・リノベーション領域では、消費者と業者を的確に結びつけることを目的としたマッチングサービスや、より消費者が的確なリフォーム・リノベーションを計画するためのサービスなど、様々なサービスが登場してきています。
消費者自身がリフォームやリノベーションの可能性を知り、最適な業者を手軽に探すことができれば、結果としてリフォームやリノベーションを実行する消費者が増えることにもつながります。

内閣府「平成22年度 高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査結果」によると、子育て世代は住宅の広さや間取りに不満を抱えている一方、高齢者世帯は住宅が広すぎて管理が大変だと考えているという結果が出ています。それらのニーズに合わせて住宅をうまく組み替え、リフォーム・リノベーションすることでも、既存住宅の利活用がより活発になるでしょう。また、人口減少に伴う空き家問題の解決にも、同領域が貢献できる可能性は高く、今後より一層の市場拡大が予想されるでしょう。
 

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