室温を自動調節するスマートホーム!不動産テックにおけるIoTの活用事例

- IoTデバイスはインターネットを通じて情報を「取得・送信・蓄積・分析」することが可能
- スマートロックの登場で従来の内見における課題3つを解決
- 人工知能や他のテクノロジーとIoTを組み合わせることで、より快適なサービスを提供
「IoT(Internet of Things)」は「モノのインターネット」と訳され、あらゆる“もの”をインターネットに繋げることを意味します。
人工知能やクラウドなどの技術と合わせて使用される場面が多く、難しいイメージが持たれがちなIoTですが、日常で目にするスマートフォンやApple WatchがIoTデバイスにあたります。IoTデバイスはインターネットを通じて、情報を取得・送信・蓄積・分析することが可能です。デバイスを通して、家電の遠隔操作や、子どもが帰宅した事を通知してくれる等、暮らしに大きな変革をもたらしています。
では、不動産業界でIoTはどのように活用されているのでしょうか。
スマートロックの登場で“セルフ内見”が可能に
株式会社ライナフの「NinjaLock」をはじめ、スマートフォンが鍵の代わりになるスマートロックは不動産業界にとって有用な事例です。
内見といえば不動産仲介業者が同行し、オーナーや管理会社から鍵を借りてドアの解錠するのが通例。セキュリティ上、鍵の管理は重大な任務となっていました。
それがスマートロックの登場で、特定の希望者に特定の時間だけ使用できる鍵(施錠・解錠できる権限)をインターネット上で付与できるようになり、従来の内見で抱えていた以下の課題の解決が可能となりました。
・不動産業者間での鍵の受け渡しの手間がなくなる
・専用鍵の紛失・盗難のリスクがなくなる
・内見の希望者に直接鍵が与えられるため、希望者一人での内見が可能になる
希望者にとっては利便性の向上、営業担当者にとっては労力の減少に繋がります。また管理会社にとっては工事や清掃、メンテナンスが入る際にも有効なシステムと言えるでしょう。
室内温度まで調整・管理可能なIoTホームデバイス
IoTデバイスは室内環境の調節・管理にも活用されています。
Nest Labs社が提供する「Nest Learning Thermostat」は、室温を自動的に調節してくれるだけでなく、スマートフォンを通じて遠隔地からでも室内温度を管理することができます。さらに、利用者の生活サイクルを記憶・認識し、利用者の好みに合わせて自動的に空調管理をしてくれる人工知能も搭載しています。
例えば、ある利用者が毎年夏場になると午後6時ごろに冷房をつけるという傾向を認識すると、その後は利用者の操作がなくとも自動的にその時間に冷房をつけるようになります。また電力消費を抑えるように設計されており、利用者が外出している時間帯を自動的に認識し、その間は省エネモードへと切り替わります。公式サイトによれば、これで最大20%も電気代を節約できるそうです。
Nest Learning Thermostatのような人工知能付きのIoTホームデバイスの登場により、居住者の生活サイクルや好みを学習しながら、より快適な住環境を作り出すことが可能になりました。
今後はこのようなIoTホームデバイスを完備した物件が徐々に増えてくることが予想されます。
参考:https://nest.com/thermostat/meet-nest-thermostat/
人々の暮らしを変えていくIoT技術
ここで紹介した以外にも、スマートハウスやスマートホームと呼ばれる住宅向けIoTの普及も進んでいます。安全性・セキュリティ面の課題も多いですが、人々の暮らしに変化をもたらすIoTが今後どのように生まれてくるか注目です。