AIと賃貸不動産が光熱費の削減とエネルギー効率向上に繋がる理由

2023.07.05
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AIと賃貸不動産が光熱費の削減とエネルギー効率向上に繋がる理由

賃貸不動産、節電とエネルギー効率の向上はAI活用で実現できるか

日本の水道光熱費が上昇し続けています。原因は主に、原油や天然ガスなどのエネルギー資源の価格高騰と、再生可能エネルギーへのシフトに伴う導入・維持費用の増加です。これに対応するために、消費者はエネルギー効率の高い製品の選択、無駄な電力の使用を削減する生活習慣の見直し、さらには電力会社の切り替えなどを考えることが重要になります。

賃貸不動産業界でも、この状況は無視できません。エネルギー効率の良い物件へのニーズは高まり、賃貸物件のエネルギーマネジメントは重要な課題となっています。ここで、AIが重要な役割を果たしています。

AIは大量のデータを分析し、効率的なエネルギー利用の提案が可能です。スマートホームの技術を利用して、家電製品の電力消費をリアルタイムで管理します。AIはこのデータを分析し、どの家電製品がどの時間帯に電力を多く消費しているかを把握します。そして、その情報を基に、最適な電力使用パターンを提案します。

さらに、AIはエネルギーマネージャーとして、適切な温度設定や電力供給を自動的に管理します。これにより、節電と快適さのバランスを取ることが可能となります。AIが家庭の電力使用パターンを学習し、そのデータを電力会社と共有することで、電力供給の最適化が可能です。これにより、電力供給の無駄を減らし、結果的に光熱費を抑えることができます。

以前の記事「「不動産テックEXPO」で見えてきた3つのトレンド」(https://www.sumave.com/20230126_22707/)でもエネルギー事業のグランデータが提供する「Genesis賃貸」を紹介しました。これは物件ごとの通電状況を管理画面で把握し、物件の通電・廃止をボタンで選ぶだけで手続きが可能というもの。このような電力関連のDXサービスも登場してきています。

賃貸物件でも可能、電力会社を切り替える節電テクニック

一方で、私たち一般の住民が節電をするテクニックにはどんなものがあるでしょうか? 極力節約するということもありますが、いっそ電力会社を切り替えてしまうというのも手です。電力自由化により、消費者は自身のライフスタイルに合った電力会社を選ぶことが可能となりました。賃貸物件に住んでいる場合でも、電力会社の切り替えは可能です(一部の賃貸契約では電力供給者の変更が制限されている可能性があります)。

以下に、電力会社を切り替える手順と注意点を説明します。

  1.  現状の契約内容の確認
    まずは、現在どの電力会社と契約しているのか、またその契約内容(電気料金、契約期間など)を確認しましょう。

  2. 新しい電力会社の選択
    切り替え先の電力会社を選びます。価格だけでなく、エネルギー源(再生可能エネルギーや非再生可能エネルギーなど)、サービス(カスタマーサービスの質やトラブル対応など)、信頼性(企業の安定性やブランドなど)を考慮に入れて選択しましょう。

  3.  大家さんや管理会社への連絡
    原則として賃貸物件の電力会社の変更は可能ですが、契約や規定により大家さんや管理会社の許可が必要な場合があります。事前に確認しましょう。

  4. 新しい電力会社への連絡
    切り替え先の電力会社に連絡し、新たに契約を行います。契約の際には、現在の契約者名、契約先の電力会社、契約内容、物件の住所などが必要となる場合があります。

  5. 旧電力会社との契約解除
    新しい電力会社との契約が完了したら、旧電力会社との契約を解除します。ただし、契約に解約料が発生する場合がありますので、注意が必要です。

切り替える時のポイントは以下の通りです。

  • 切り替える前に、契約内容をしっかりと理解しましょう。解約料が発生する場合や、新たな電力会社で電気料金が高くなる可能性がある場合もあります。

  • 複数の電力会社を比較検討することで、最適なプランを見つけることができます。

  • 万が一、電力供給が止まるといったトラブルが発生しても大丈夫なように、電力会社選びでは信頼性も重要なポイントとなります。

各電力会社はさまざまな料金プランを提供しています。自分の生活スタイルに合ったプランを選ぶことが重要です。例えば、夜間に電力を多く使用するなら、夜間の電力料金が安いプランを選ぶと良いでしょう。逆に、日中に電力を多く使う場合は、ピーク時間外の電力料金が安いプランを選びます。

エネルギー効率の良い家電製品の選び方

さらにエネルギー効率の良い家電製品の選び方も重要です。日本では家電製品に「エネルギー消費効率ラベル」が貼られています。これは製品が消費するエネルギーの効率を示し、ランクが高いほどエネルギー効率が良いことを示しています。また、製品のサイズと機能、製品の寿命、メンテナンスと修理の容易さなども考慮に入れるべきです。以下にポイントをまとめてみましたので、参考にしてください。

  1. エネルギー消費効率のチェック
    家電製品のエネルギー消費効率をチェックしましょう。エネルギー消費効率とは、どれだけのエネルギーを消費してどれだけの性能を発揮できるかを示す指標です。これは製品によって異なります。

  2.  省エネラベルの確認
    日本では、家電製品に省エネラベルが貼られています。製品のエネルギー消費効率を星の数やランクで表示しており、消費者が製品を比較しやすいようになっています。

  3. 省エネ制度の活用
    日本では、省エネキャンペーンなどがあります。エネルギー効率の良い製品を購入した際に適用されるキャンペーンです。国交省は事業者向けに「住宅省エネ2023キャンペーン」(https://jutaku-shoene2023.mlit.go.jp)で給湯省エネなどの導入で補助がつくキャンペーンを実施しています。東京都も東京ゼロエミポイント(https://www.zero-emi-points.jp)で省エネルギー性能が高いエアコン、冷蔵庫、給湯器、LED照明器具に買い替えた都民へポイントを付与する取り組みを実施しています。東京都は東京ゼロエミポイントと題し、省エネルギー性能が高いエアコン、冷蔵庫、給湯器、LED照明器具に買い替えた都民へポイントを付与する取り組みを実施している。

    東京都の東京ゼロエミポイント【出典】https://www.zero-emi-points.jp

  4.  製品のサイズと機能
    製品のエネルギー効率だけでなく、製品のサイズや機能も重要です。大きな製品や多機能な製品は、小さな製品や単機能な製品よりも多くのエネルギーを消費することがあります。使用頻度や必要性を考えて適切なサイズと機能の製品を選びましょう。

  5. エネルギーセービング機能

省エネ機能(エネルギーセービング機能)が付いた製品を選ぶと良いでしょう。この機能は、製品が使用されていない時に自動的に電力消費を抑えるものです。

以上がエネルギー効率の良い家電製品の選び方です。これらのポイントを意識して家電製品を選ぶことで、エネルギー効率の高いライフスタイルを実現することができます。

住まいのエネルギーマネジメントは「組み合わせ」で「最適化」

結論として、エネルギー効率の向上と光熱費の削減は、AIの活用、電力会社の選択、そしてエネルギー効率の良い製品の選択という、三つの要素が組み合わさって実現されます。これらを賃貸不動産の管理と運用に組み込むことで、賃貸物件のエネルギー効率を向上させ、光熱費を削減することが可能となります。これは、賃貸物件を選ぶ消費者にとっても、賃貸物件を所有・運営する不動産業者にとっても大きなメリットとなります。

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