【不動産業界基礎用語】SaaS型不動産クラウドファンディング

- 不動産業界においてクラウドファンディングは浸透し、今後も伸びる予測
- プラットフォームとしてではなく、クラウドファンディングのSaaS版も登場
- ブランディングの側面もあるため、自社でのプラットフォーム運用にも注目
画像出典:https://relic.co.jp/services/enjine/real_estate/
不動産業界にクラウドファンディングは浸透
日本では2011年に「READY FOR」、「CAMPFIRE」がリリースされたクラウドファンディング。インターネットを経由して出資・投資・寄付をするという資金調達の方法です。さらに不動産業界では2016年に「Crowd Realty」などが登場し、これらのサービスにより少額で不動産投資が始められるようになりました。
クラウドファンディングの浸透度合いは、矢野経済研究所が発表した2020年度の国内クラウドファンディング市場の調査を見るとわかりやすいです。市場規模は新規プロジェクト支援額ベースで前年度比17.6%増の1841億円(※)。これは事業投資型、不動産型、寄付型、購入型、貸与型(ソーシャルレンディング)、株式型の6つに分類されていますが、2021年度の市場でも不動産型は堅調に増加すると同研究所は予測しています。
※出典:矢野経済研究所 国内クラウドファンディング市場の調査を実施(2021年)
プラットフォームを選ぶのではなく、自社で運営できるサービスが登場
不動産のクラウドファンディングの普及が進む中、そのサービス内容に変化が起き、このことについては不動産テック協会の不動産テックカオスマップ第7版の説明会(ウェビナー)でも言及されました。
それが、基幹系システムの登場です。これまではクラウドファンディングというサービスを提供する、つまりプラットフォームとしての役割を提供するのが一般的でした。そのため利用者はプラットフォームを選んで、クラウドファンディングを実施できます。集客という観点で、すでに認知度の高いプラットフォームを選べる利点はありましたが、細かな運用は行えません。そこで登場したのが、自社でクラウドファンディングを運営できるSaaS(Software as a Service)です。
不動産クラウドファンディングのSaaSが登場
「CROWDFUNDING NETWORK Powered by ENjiNE」はSaaS型の不動産投資型クラウドファンディング構築サービスです。活用することで簡単かつスピーディーに、不動産投資型クラウドファンディング事業を展開できます。
CROWDFUNDING NETWORK Powered by ENjiNE https://relic.co.jp/services/enjine/real_estate/
事業としてクラウドファンディングを立ち上げたい場合でも、最短1ヵ月でシステムの導入が可能。一般的に同様のシステムを開発する場合、6ヵ月程度はかかるため、スピーディーに導入できそうです。
また、不動産投資型クラウドファンディングを運営するために必要な認可「不動産特定共同事業法」「電子取引認可」の取得についてなど、専門的な知識もカバーするコンサルティングサービスも用意しています。社内やチームに、リソースや知識がない場合でもスムーズに取り組めます。
これまで不動産会社がクラウドファンディングで資金を集めようとする場合、プラットフォーム型のクラウドファンディングを用いることがほとんどでした。今回のようなSaaSによるサービスが提供されることで、不動産会社として投資商品を扱っている場合など、新規事業として自社の中でクラウドファンディングを取り込むことが可能となります。
PARTNERS Funding https://partners-funding.jp/
実際に「CROWDFUNDING NETWORK Powered by ENjiNE」を活用して運用されたのが、1万円から不動産投資を始められる「PARTNERS Funding」です。
PARTNERS Funding https://partners-funding.jp/
資金調達という側面はもちろん、クラウドファンディングはブランディングとしても使われています。自社でクラウドファンディングを行える、SaaSなどをうまく利用し認知拡大に役立てていく動きが見られそうです。