深刻化する空き家問題を解決へ 注目を集める活用サービス

2021.07.27
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深刻化する空き家問題を解決へ 注目を集める活用サービス

空き家問題を解決するサービスに注目

野村総合研究所が発表した「2040年の住宅市場と課題」によれば、2018年の段階で空き家は全国に849万戸で空き家率は13.6%だそうです。これは1978年の7.6%と比較すると、大きく上昇しているとわかります(出典:野村総合研究所「2040年の住宅市場と課題」)

適切に管理されていない空き家は老朽化により倒壊の恐れがあるほか、景観を悪化させたり、不審者が無断で住みつくことにより治安が悪化したりするなど、増加に伴い関連するトラブルも増えています。その一方で、そんな空き家問題の解決の糸口にもなる、空き家活用サービスも注目を集めています。

定額で全国に住み放題「ADDress」

株式会社アドレスが運営している「ADDress(アドレス)」は、日本各地で運営している「家」に定額で住めるサービスです。SUMAVEでも過去に「多拠点型」コリビングの事例として紹介していますが、現在も拠点数を伸ばし、引き続き展開を広げています(「【不動産業界基礎用語】“コリビング”という暮らし方」)。月額4万4000円から利用でき、敷金などの初期費用は必要ありません。寝具や家具なども完備されているため、月額料金のみで利用できるのが大きなメリットです。コロナ禍の影響で一気に浸透したテレワークをきっかけに、「脱・都心オフィス」による職住転換を図る20〜40代が利用者の中心だそう。

【出典】ADDress 【URL】https://address.love/

アドレスで利用できる家は現在全国で170カ所以上(2021年6月現在)です。アドレスは物件提供提携パートナーである株式会社カチタスの取り扱う中古物件も、リノベーションし拠点として活用すると2020年12月に発表しています。不動産業者と組むことで、空き家再利用の迅速化を目指していくというわけです。

事業者とオーナーをマッチングさせる空き家活用データシステム「AKIDAS」

空き家を検索し、その所有者の情報を確認し、コンタクトをとることができるのが空き家活用株式会社が運営している「AKIDAS(アキダス)」です。

AKIDASの自主調査による空き家データベースは15.6万件(2021年4月現在)。AKIDASはこのデータベースで、全国の事業者と空き家オーナーのマッチングを促進し、空き家の流通と活性化を狙っています。

【出典】AKIDAS 【URL】https://aki-katsu.co.jp/about-akidas/

空き家活用株式会社は地方自治体との連携にも力を入れています。民間が連携することで地方が課題としている空き家の再生と利活用がスピーディーに行われることを目指しています。2021年4月には、埼玉県で空き家率2位の寄居町とタッグを組みニュースになりました。寄居町も民間事業者のノウハウやIT・専門知識に期待し、空き家の増加の抑制や移住・定住を促進していきたいということです(出典:「空き家活用株式会社が地方自治体との「空き家活用モデル事業」拡大 空き家率埼玉県2位の寄居町と“空き家活用”で移住・定住促進」)

空き家のスペースを活用しトランクルームにする「モノオク」

個人の空きスペースを活用した物置のシェアリングサービスがモノオク株式会社運営の「モノオク」です。オンライン上で荷物を置きたい人と、スペースを有効活用してほしい人とをマッチングさせるサービスです。空き家から自宅の一室まで、幅広い空間をスペースとして扱っています。都内でも月6,000円から一ヶ月間使用でき、モノオクによるとこれは一般的なトランクルームの半額以下だと言います。初期費用もかからないほか、月の使用料に荷物保険も含まれているため利用者にとっては安価で安心に使えます。

【出典】モノオク 【URL】https://monooq.com/

2021年1月から3月の間に、モノオクでは実際に東京都世田谷区内で空き家をモノオクのスペースとして運用する実証実験を行いました。その結果開始2週間で稼働率は100%になったということです(出典:「空きスペース活用のモノオク 東京都との実証実験結果を発表」)。 2018年のサービス開始以降、モノオクの登録ユーザーはすでに2万人を超えており、今後も空き家問題のソリューションのひとつになることが予想されます。

空き家問題に様々な形でアプローチ

全国各地の空き家も滞在スペースとして利用するADDress、活用のためのマッチングを独自のデータベースで行ってくれるAKIDAS、そして空いたスペースを気軽に利用できるモノオク。これらの事例からも様々な形で、空き家を活用する動きを見ることができます。

今後も少子高齢化による人口減少や、相続問題による放置などで今後も空き家は増えていくことが予想されます。地域の治安にも関わるため、見過ごすわけにはいかない空き家問題ですが、それを活用する動きも引き続き注目が集まるでしょう。

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