不動産取引の「新体験」を三井住友カードからまなぶ

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不動産取引の「新体験」を三井住友カードからまなぶ

アフターコロナの不動産業界に必要なDX(デジタルトランスフォーメーション)のエッセンスを紹介する、SUMAVEDX通信です。今回は三井住友カードを取り上げます。テーマは、顧客の行動データの取り扱いかたです。これをUXに還元している事例から、不動産取引における、新しい顧客体験を探ります。

個人情報をアップセルやクロスセル以外で使う 

顧客と新しい関係を築く、アフターコロナの不動産業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)では、顧客によい体験を提供することが求められます。その実現に欠かせないのが行動データです。「テクノロジーは、その体験を改善したり、次なる体験を生み出したりするために使われることが望ましい」そう考えます。顧客に、よい体験を提供するために、利用を許された行動データは、ベネフィットにして顧客へ還元するのです。よい体験を味わうことができるので、顧客は安心や信頼を持って、その企業(不動産会社)のWEBサイトやアプリに自分の個人情報を入力するし、行動データの利用を許します。すると顧客は、さらに、よい体験を味わうことができる。このサイクルを循環させるために、行動データや個人情報を企業は使わせてもらうわけです。手間を割いて入力してもらう見返りに、よい体験の提供を企業が約束するようなものです。顧客のデータをアップセルやクロスセルに使う発想とは違い、企業が顧客のデータを取り扱う心構えには、「得た信任に、むくいる」のような真摯さが求められます。このお手本として紹介したいのが、三井住友カードの事例です。クレジットカードの使いかたを例に挙げて説明します。

海外渡航を予測して、アプリの設定変更をレコメンドする

支払いがキャッシュレスになるうえでの、もっとも高いハードルは、ユーザーが感じる不安にあるとされています。不安とは、硬貨や紙幣が財布のなかから減らないので、お金を使った感覚を持ちにくいことからくる、「使いすぎてしまうのではないか」や、「勝手に海外で決済されるのではないか」といった気持ちです。その不安を解消するため、三井住友カードには、アプリ上で、クレジットカードの海外利用を”オフ”にできる機能が備わっています。これは、顧客に、「安心・安全なカードだよね」と感じてもらえるように実装された機能です。ところが、その設定を変更せずに海外へわたってしまった顧客には、一切のクレジットカード決済ができなくなるという、マイナス体験を味わわせてしまうことにもなりかねません。これを回避するために使われているのが顧客データとAIです。

たとえば、カードの決済情報から、旅行会社や航空会社でのチケット予約を確認したとき、顧客に、「海外での利用設定がオフになっていますよ」というアナウンスをアプリ上に通知します。支払先、金額帯などの決済情報から、予約者が海外へ渡る可能性をキャッチしているのです。こうした体験を積み重ねることで、顧客は、安心感を持つようになっていきます。

 この会社は、自分の大切な個人情報を預けても大丈夫な会社。信頼できる

これは、顧客データをUXに還元するという具体例です。話を不動産業界に戻しましょう。

三井住友カードの取り組みは、アフターコロナの不動産業界で求められるDXにおいて、テクノロジーが信頼感を生み出していくためのポイントでもあります。安心や信頼は、人と人によるコミュニケーションの積み重ねが、もっとも効果を生みます。それを求める顧客に提供するのは、従来通りのリアルな接点です。たとえば、店舗やオーナー訪問などの対面接客。これを避ける顧客には、行動データや個人情報を使い、よい体験を提供することで安心を感じてもらうこともできます。重要なのは、顧客データをUXに還元することで、顧客に「このアプリは使いやすいな」「このオンラインサービスは信頼できる」という体験(不動産取引)を提供することです。リアルとオンラインの強みを顧客の状況にあわせ、サービスとして提供することができれば、「この不動産会社に取引をお願いしたい」と感じる顧客を増やすことができます。それは、不動産業界における、新しい顧客体験です。あなたなら、どうやって、三井住友カードの事例を不動産取引に生かしますか?

DXとは ~おさらい~

画像出典元:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd102200.html

総務省によるとDXとは、人々の生活のあらゆる面に情報通信技術(ICT)が浸透し、よりよい方向に変化させることです。その定義から考えると、たとえば、不動産会社が不動産テックサービスを導入することは、「DXの一部」、もしくは、「DXの入り口」になります。自社、サービス、業態をよりよい方向に変化させるための手段としてDXがあるわけです。

DXのための3ステップ

不動産業界においてDXと呼ばれる取り組みは、次の3ステップにわけることができます。

  • D1→デジタイゼーション(Digitization)
  • D2→デジタイゼーション(Digitalization)
  • D3→デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation/DX)

D3を目標にして、D2D1を逆算することができると理想的です。D3の目的は、よい体験(不動産取引)を顧客に提供することです。新しい関係を顧客と築くことである、そういいかえることができます。そのために、契約書を電子化して会社のクラウドに保管したり、電子契約を全従業員がアクセスできるような社内インフラを整えたりするのです。D1D2のステップを踏むために、不動産テック企業は、さまざまなサービスを不動産会社に提供しています。それらは、顧客にとっての“よりよい方向(よい体験)”を生み出すための基礎、下準備です。その次のステップにD3があります。これが、New Normal(ニューノーマル)とされる、アフターコロナの不動産業界で求められる変化です。

よりよい方向(体験)とは

総務省が示す図によれば、不動産テックの導入、IT化、オンライン化によって、現実世界(リアル)とサーバー空間(オンライン)をシームレスにつなげることが、よりよい方向(体験)です。現在の不動産業界に置きかえると、リアルとオンラインの融合です。その結果、顧客が意識せず自由にリアルとオンラインを行き来できることが、“よりよい方向”としての1つの理想であると考えます。さらに踏み込んでいえば、「顧客にとって、サービスがリアルなのかデジタルなのかはどうでもよい。顧客は、自分らしく、そのときの状況にあったサービスを使いたいだけ」という視点が欠かせません。これを提供できる不動産会社が、よりより方向が求められる社会で、顧客から選ばれます。

なぜ、DXをするのか

つまり、顧客から選ばれるためです。総務省のページを参考にするなら、人々のためです。東急住宅リースの会長である北川氏の言葉が、しっくりきます。不動産業界において意識したいのは、部屋を探す人や、すでに契約の済んだ入居者です。そのスタンスは、賃貸・売買・管理において同じで、退去者も例外ではありません。彼らに、よい不動産取引という体験を提供するために、テクノロジーを活用します。

今後もSUMAVEは、情報発信によって不動産会社のDXをサポートしていきます。

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