スマートホームの今。IoT家電は不動産物件を探せるのか

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スマートホームの今。IoT家電は不動産物件を探せるのか

スマートホーム関連の商品やサービスが活発ですね。

住宅業界では、メーカー各社が独自のスマートホーム商品を提供しています。たとえば、家だけでなく車とのつながりを訴求しているトヨタホーム、LinkGates(リンクゲイツ)というプラットフォームで家電を制御したミサワホーム、2017年11月22日に『Google Home』を取り入れたスマートホーム商品『Daiwa Connect』を発表した大和ハウスなどのスマートホームが代表的です。

大和ハウスが採用した『Google Home』は、音声認識と無線通信の技術が使われたスマートスピーカーと呼ばれるジャンルの家電です。スマートスピーカーは、ここ2ヶ月で商品の発売が続いており、発売日順に並べると次のようになります。

  • 10月6日発売、『Google Home』、発売元はGoogle
  • 10月6日発売、『Clova WAVE』、発売元はLINE
  • 11月8日発売、『Amazon Echo』、発売元はAmazon

スマートスピーカーの特長は、以下のような会話型のAIアシスタントが搭載されている点です。

■『Google Home』のAIアシスタントは、Googleアシスタント

■『Clova WAVE』のAIアシスタントは、LINEがNaver(韓国)と共同開発をしたClova

■『Amazon Echo』のAIアシスタントは、Amazonが開発したAlexa

音声で操作するスマートスピーカーは、AIアシスタントを搭載することで、直感性に優れた商品となっています。“スマートホームの司令塔”として、不動産業界での活用に期待が寄せられているのは、その優れた直感性によるところが大きいでしょう。

スマートホームでの『Google Home』『Amazon Echo』活用例

『Daiwa Connect』では、『Google Home』との会話で、テレビ、照明、カーテンなどの操作ができます。

大和ハウスは、年内を実証実験の期間と位置づけ、展示会の数を2ヶ所から10ヶ所へ増やす予定です。販売は2018年より始まります。

野村不動産アーバンネット株式会社と提携した横浜市住宅供給公社は11月9日に神奈川県横浜市の新築分譲マンション「横浜MIDベースタワーレジデンス」に、スマートスピーカーを全戸導入すると発表しています。入居の開始は2018年1月なので、入居者はまだいないみたいですね。

このマンションに採用されたスマートスピーカーは、『Amazon Echo Plus』で、入居者が持ち込んだ家電を制御する仕組みです。付帯される無線型の学習リモコンによって家電をコントロールし、電力などのエネルギーをリアルタイムで分析するプラットフォームも導入されます。

LINE×不動産会社=『Clova WAVE』の新サービスを勝手に期待!

『Clova WAVE』については、不動産会社との提携報道や、住宅メーカーのスマートホーム商品へ導入される発表が、まだありません(2017年11月30日時点)。しかし、ハウスコム株式会社の『マイボックス』サービス、アプリを筆頭に、LINEで部屋探しができる、という仲介会社は少なくありません。このような、LINEと不動産会社との接点が、『Clova WAVE』を使った新たなスマートホーム商品へつながらないだろうかと、個人的には密かに心を踊らせています。

後発のスマートスピーカー+スマートホーム=?

12月9日には、ソニーがGoogleアシスタントを搭載したスマートスピーカー『LF-S50G』を販売する予定です。パナソニックやオンキョーも、Googleアシスタント対応のスマートスピーカーを商品化しています。

こうした家電メーカーの動向は、住宅のスマートホーム化促進に追い風となるような気がしますが、はたして、ほかの家電との連係はどうなるのでしょうか。なんだかスマートスピーカーの紹介記事みたいになってきましたが、一人の入居者の立場になって考えると、家電メーカーの開発や研究が進み、それが不動産テックサービスへ生かされることで、「革新的なスマートホームが誕生するのではないか」と想像してしまいます。たとえば、次のような想像です。

「きっかけは、スマートスピーカーとの会話でした。隣がうるさいから引っ越そうかなって思って、「いい部屋ある?」って聞いてみたんです。そうしたら、駅の反対側によさそうな部屋を見つけてくれたんですよね。ついでに、引越業者の見積もりをお願いしたら、月末に格安で越せるとわかって――」

期待する気持ちが強いからか、新しいテクノロジーや不動産テックサービスに触れるたびに、つい、飛躍した未来を思い描いてしまいます。フランスの小説家は「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」という名言を残していますが、私が想像したスマートホームの未来も、いつか訪れてほしいです。

それとも、すでに訪れているのでしょうか。確かめてみます。

「そろそろ引っ越したいんだけど、いい部屋ない?」

会社の先輩が『Google Home』を買ったとききつけ、お借りしました。早速、Wi-Fiにつなぎ、『Google Home』のアプリをスマホにダウンロードして、スマホと『Google Home』の同期が完了です。話しかけてみました。

「ねえ、Google。そろそろ引っ越したいんだけど、いい部屋ない?」

「 よくわかりません 」

「蒲田駅の近くで、おすすめの1Rはない?」

「 よくわかりません 」

「東京都港区の3LDKなら、あるでしょ?」

「 よくわかりません 」

物件を探すことはできませんでした。想像した未来は、まだ訪れていないようですね(Googleアシスタントの音声ボリュームを下げています)。

残念ながら、社内に『Clova WAVE』や『Amazon Echo』の持ち主を見つけられなかったので、ほかのスマートスピーカーで部屋探しができるかは、わかりません。お持ちの読者がいらっしゃれば、ぜひ一度、お試しください。部屋探しのできるスマートホーム商品を開発された業界関係者は、こっそり教えていただけるとうれしいです。

現在のスマートホームができること、できないことは、住宅メーカーによって微妙に違います。違いを生み出している要因は、スマートホームを構成しているIoT家電の機能です。ここまで紹介してきたスマートスピーカーも、IoT家電の一つ。IoT家電の新製品が発売され、スマートホームを構成する要素の一つになるのなら、スマートホームのできることは着実に増えていきます。

IoT家電のトレンドは、スマートホームを語るうえで欠かせない

つまり、現在のスマートホームを知るうえで、IoT家電のトレンドを知ることは欠かせないのです。「そういわれても、そもそもIoTがよくわからない」と感じている読者がいることを考えて、IoTについて、簡単におさらいしておきたいと思います。

そもそもIoTとは

「Internet of Things」の頭文字をとった略がIoTです。モノのインターネット、などと訳され、スマホやパソコンに限らず、インターネットへつながった家電や住宅設備は、IoT家電と呼ばれます。IoT家電で構成された住宅がスマートホームです。スマートホームは、私たちの生活のあり方を根底から変えます。これまで述べてきた内容と少し重なりますが、以下のような例がスマートホームですね。

  • スマホで玄関の施錠や解錠ができる住宅
  • 子どもの帰宅をスマホへ通知してくれる住宅
  • 起床時間に合わせて寝室のカーテンを開けてくれる住宅
  • 自分の現在地を判断して、自宅に近づく室内照明をつけてくれる住宅
  • 外出先から冷暖房のオン・オフを管理できる住宅

住宅メーカーは、こうした機能を入居者へ訴求しています。戸建てに住みたい人は、『Daiwa Connect』のような戸建て住宅を、大規模マンションに住みたい人は、野村不動産アーバンネットと提携した横浜市住宅供給公社のようなマンションを、選択肢として選べる時代です。

「でも分譲だけでしょ」

「1Rに住む自分には関係ない話」

「賃貸物件のオーナーに提案できるサービスでもないし」

そんな声が聞こえてきそうですが、現在の不動産テックは、解決策となるスマートホームを提案しています。ご存知でしょうか。賃貸住宅をIoT化できるスマートホーム商品の存在を。

既存の賃貸住宅もスマートホーム化できる

株式会社Robot Homeは、賃貸住宅をIoT化できる『賃貸住宅キット』を開発・販売しています。『賃貸住宅キット』は、“部屋に置くだけ。”がコピーの商品で、3つの基本商品があります。

  • 1、CENTRAL CONTROLLER[30,000円(税別)、システム料1,000円/月]
  • 2、WINDOW SECURITY[7,000円(税別)]
  • 3、NATURE SENSOR REMOTE CONTROLLER[13,000円(税別)]

1つめの『CENTRAL CONTROLLER』は、各機器の操作を司るタブレット端末です。2つめの『WINDOW SECURITY』は、窓の開け閉めに揺れを感知すると、外出中でも通知してくれます。3つめの『NATURE SENSOR REMOTE CONTROLLER』は、家の状態を遠隔操作で知ることがきるリモコンです。

オプションで、以下の3商品もあります。

  • 4、SMART LOCK[78,000円(税別)]
  • 5、DOOR PHONE[100,000円(税別)、システム料500円/月]
  • 6、SMART LIGHT[47,000円(税別)/室]

4つめの『SMART LOCK』は、スマホなどで玄関を施錠、解錠できる商品です。5つめの『DOOR PHONE』を設置すれば、外出先から訪問者に応答できるようになります。6つめの『SMART LIGHT』は、室内の電灯を外出先からコントロールできる商品です。

商品のバリエーションが豊富ですね。『賃貸住宅キット』の魅力はこれだけでなく、賃貸経営の視点に立つと見逃せない機能を備えています。入居者とコミュニケーションできる機能です。

管理会社が入居者とチャットできる仕組み

この機能は、トラブル時に大変役立つ機能で、代表的なトラブルが鍵の紛失です。入居者が鍵を紛失したときに、スマホのアプリで対応できます。入居者から来たチャットに、スマートロックの暗証番号を返信することで、鍵をなくした入居者を部屋のなかへ入れることができます。とても便利ですよね。

メリットは入居者とのコミュニケーションが楽なこと

一般に、入居者は、設備修理のための連絡をめんどうに感じますが、『賃貸住宅キット』なら、窓の開閉にアラートが発見されたそのときに、友だちへラインするような気軽さで、管理会社へ連絡できます。これなら、不動産会社としても、入居者とのコミュニケーションが楽ですよね。保守点検の観点で考えると、設備の不具合が深刻化する前にメンテナンスでき、軽視できないメリットです。

スマートホームで空室対策をする

入居者が気に入って長く住めば、管理会社やオーナーは安定した家賃収入が得られます。住まいに対する解決手段をすぐに提示できるスマートホームなら、入居者は、賃貸生活に不満をためることがなくなっていくでしょう。

1Rをスマートホーム化できる時代へ

株式会社マウスコンピューターが販売している『スターターキット』を使えば、手軽に、1Rをスマートホーム化することもできます。

『スターターキット』で特筆すべきは価格です。2017年11月30日現在で、ウェブ販売価格は、税別24,800円。高額なイニシャルコストが必要ありませんから、空室対策として、区分所有の一室をスマートホーム化するアイデアもありそうです。

次は、『スターターキット』の中身をみていきましょう。以下のような、5つの商品から構成されています。

  • 1、ルームハブ
  • 2、モーションセンサー
  • 3、スマートプラグ
  • 4、スマートLEDライト
  • 5、ドアセンサー

1、ルームハブ

家電を制御するときに中心的な役割を担うルームハブは、赤外線でエアコンをコントロールし、温度や湿度を管理できます。

2、モーションセンサー

赤外線で人の動きを感知すると、ルームハブを介して手持ちのスマホなどへ通知してくれます。

3、スマートプラグ

スマートプラグに家電をつなぐこどで、電源のオンやオフを制御できるようになります。タイマー設定をすれば、就寝や起床にあわせて家電を動かせる商品です。

4、スマートLEDライト

時間帯にあわせて点灯、消灯、光量や輝度の調整ができます。モーションセンサーとの連係で、使い方が広がる商品ですね。

5、ドアセンサー

ドアセンサーを設置することで、窓の閉め忘れなどを防げるようになります。スマートLEDライトを連動させれば、ドアの開閉をライトの電源スイッチとして利用することも。

なお、スマート空気清浄機(税別34,800円)や、PM2.5センター(税別9,980円)がオプション販売されています。

利用者の立場になってみると、気になるのはスマートスピーカーとの連係です。現時点で、『Google Home』、『Clova WAVE』、『Amazon Echo』との連係が可能なのかどうかを公式HPで確認できませんでした。

一方で、スマートスピーカーとの連係を望む声は、ネット上にいくつも確認できました。多くの利用者が期待するところです。市場はこの声にどう反応していくのでしょうか。期待の高まりは、さらなる手軽なスマートホーム商品の登場を後押しするのでしょうか。今後も目が離せませんね。

スマートホームに潜む危険性が発覚

スマートホームが手軽になると、同時に、ちょっと心配な気持ちにもなりました。心配な気持ちとは、「安全はおびやかされないのだろうか」という不安です。近頃は物騒なので、スマートホームのセキュリティについても調べました。すると、スマートホームのセキュリティに警鐘を鳴らす記事をみつけました。

2017年8月22日に、一般財団法人インターネット協会IoT推進委員会が、IoTセキュリティについて、脅威と対策などを報告するシンポジウム「知らないうちにあなたの製品が危ない!IoTでつながるリスク!」を開催しています。

シンポジウムの講演で、株式会社マストトップの代表取締役・松本潤氏が、沖縄でのスマートホーム実地試験の結果を報告しています。マストトップは、機能・セキュリティ評価を専門にする企業です。

検証で想定されたリスクは、「スマートホーム化された住宅内ネットワークへの侵入」です。

「近くの住人が無線LANをハッキングすることで、侵入は可能なのか」という想定のもと、検証は約1週間で何度も繰り返され、最終的には23の問題が見つかりました。そのうち3つが重要レベルだったそうです。つまり、「ハッキング、侵入は可能」なことがわかりました。

検証には、自由に、広く配ったり行きわたらせたりできる、オープンソースのツールが使われました。入手しやすい、一般的なツールでスマートホームの脆弱性が見つかった事実は、重大な問題です。

マストトップが実施した詳しい検証内容は、あえてこの記事に書きませんが、「もし自宅がスマートキーだったら」と考えると、ちょっと怖いですよね。「すでに事件やニュースが起きているのでは?」と気になったので、さらに調べたところ、すぐに、2つの海外事例がみつかりました。

海外では“乗っ取り事例”の報告も

スマートキーではありませんが、スマートスピーカーがハッキングされた事例がネットニュースになっていました。

最初に紹介するのは、『Google Home』の事例です。バーガーキングのテレビCMが、CM中に発した「OK、Google!」というセリフで、視聴者宅の『Google Home』を起動させたそうです。起動した『Google Home』が、CMの続きを読み上げるよう狙ったCMだったことが伝えられ、注目を浴びました。

もう一つは、『Amazon Echo』の事例です。サンディエゴのテレビ番組が『Amazon Echo』を紹介するためにデモンストレーションをしたとき、視聴者宅の『Amazon Echo』がおもちゃの購入をはじめてしまったんだとか。アメリカは訴訟大国とされていますから、なんだかひやひやしますね。

スマートホームの安全性に課題は残る

スマートスピーカーを含め、スマートホームをセキュリティという観点から考えると、安全性への課題があるのは確かです。現時点で、不動産会社の担当者としては、どんな点に気をつけるべきなのでしょうか。前述のマストトップの報告では、その点についても言及されていました。

無線LANのパスフレーズを強固に

パスフレーズとは、パスワードよりも長い文字列を指します。十数桁から数十桁くらいの文字列です。マストトップの報告では、このパスフレーズを強固にすることが重要だと述べられていました。室内の無線LANに認証されるためのパスフレーズの桁数を増やしたり、複雑にしたりすることで、スマートホームの安全性は高まるのです。

市販のIoT機器にあるセキュリティ上の課題は残りますが、不動産会社がIoT危機の安全性を高めるのは難しいです。不安を拭いきれない入居者、オーナーへは、マストトップのような専門家の存在を紹介するのがおすすめです。

まとめ

スマートホームはどんどんと手軽になっています。商品はさまざまな種類が発売され、私たちの選択肢は増えています。しかし、入居者の本音は、「スマートホームって、一体なに?」が大多数ではないでしょうか。

そんな相手へスマートホームを案内するときは、「あのスマートスピーカーと連係していて、こんなことができるスマートホームなんですよ」と説明できれば、訴求力が高まります。ポイントは、スマートスピーカーに代表される、IoT家電との連係です。

今後も、スマートホーム関連の不動産テックサービスには、アンテナを高く伸ばしていきましょう。続々発売されるスマートスピーカーには、アンテナを多角に広げて情報をキャッチしていきたいですね。

ちなみに、スマートホームによく似た言葉として、「スマートハウス」がありますが、「スマートハウス」は住宅の省エネをキーワードにした概念や考え方です。スマートホームとの混同にご注意ください。

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