VR上での内見時にバーチャルペットを再現できたら、ペットオーナーたちは安心して引っ越せるのではないか

- VRを活用した内見サービスを提供する業者が増えている
- 衛生面や安全面から「ペット可」の物件探しには課題が多い
- ペットとの暮らしを引っ越し前にシュミレーションできるバーチャルペット
不動産業界ではVR技術を活用した内見サービスを提供する業者が増えてきています。今後はVR上での内見をどのように差別化していくかが課題となってくるでしょう。
そこで着目したいのが、ペットとの暮らしをバーチャル体験できるVRサービスです。VRの利点を最大限に生かす事で、これまでユーザーが抱えてきた懸念点を事前に解消できるのではないでしょうか。
ペットオーナーが見ているところ
一般社団法人ペットフード協会の調査によれば、現在国内で約1,300万世帯が犬・猫を飼っているそうです。ペットを飼う際の「阻害要因」の1位は「集合住宅に住んでいて禁止されている」というものでした。
ペットと共に引越しをする事はまだまだハードルが高く、懸念すべき要素がたくさんあります。衛生面や安全面、またペットのサイズによっても住める物件が制限されます。予算や最寄り駅といった条件に「ペット可」という条件を加える事で、物件探しは格段に難しくなってしまうのです。
懸念点が多いペットとの引越しの負担を少しでも軽減し、引越しをする前に問題を回避する事が不動産会社の役目でもあります。VRだからこそできる、ペットオーナーのニーズに合った家探しを提案できないでしょうか。
VR上での内見画面の中でバーチャルペットが動き回ってくれる
出典:Microsoft HoloLens demo onstage at BUILD 2015 - Youtube
そこで活用したいのが、Microsoft社が開発したバーチャル空間に出現するバーチャルペット、Holopetです。このHolopetをVRに採り入れることで、物件の中でペットが具体的にどのような動きをするかを事前にシミュレーションすることができます。これにより、引越し後のペットトラブルを事前に回避できるのではないでしょうか。
バーチャルペットを活用する事で、室内にあるペットにとっての危険箇所を感知できます。また、窓やベランダのフェンスの高さを事前に知る事ができるので、脱走事故の可能性を事前に知る事も可能です。また、ペットが落ち着いて過ごせる場所(ハウス・寝床)が確保できるかを事前に確認するという使い方もできるでしょう。犬の場合はリビングの隅や隣の部屋に1カ所、猫の場合は静かで隠れられる場所と、暖かくて狭い場所の2、3カ所が必要になってきます。こういった点も、より具体的にシミュレーションできるのがこのサービスの利点です。
提供したいのはペットオーナーへの安心
内見以外にも、近所に動物病院やペット用グッズを揃えたお店はあるか、散歩コースは確保されているか等、物件の周辺情報も合わせて提供できればペットオーナーにとって有益なサービスになるでしょう。
これまでに書いた事はあくまでアイディアに過ぎませんが、ペットオーナーにとって一番嬉しいのは物件提供側が「ちゃんとペットの事まで考えてくれている」という事ではないでしょうか。ただ「ペット可」と書くのではなく、実際にペットたちがどのような生活を送れるかを想像してもらう事で、ペットオーナーたちも安心して引っ越せるかもしれません。