不動産業界を取り巻くAIの最新事例とその未来

- ビッグデータの普及で注目が集まるAI
- 対人コミュニケーションを代替するAIに期待が高まる
- 不動産投資市場の活性化を進める投資型AI
AppleやGoogle、Microsoftといった世界の超一流企業がこぞって力を入れているAI。メディアで取り上げられる事が増えてきたAIは、不動産業界においても活躍が期待されています。
不動産業界において、AIはどのような役割を果たすのでしょうか。
そもそもAIとは
AIは「Artificial Intelligence」の頭文字をとったもので、日本語では「人工知能」と訳す事ができます。主な役割は、「情報を覚える事」と「情報を分析する事」の2つです。実際にAIが何かを“考える”わけではありませんが、過去の事例から学習し、傾向を導き出すというプロセスは人間の知能とよく似ています。
「人工知能」という言葉は1956年にはすでに誕生しており、その後も研究が進められてきました。ではなぜ今になって、AIが注目を集めるようになったのでしょうか。
大きな背景に、ビッグデータの普及があります。ビッグデータとは、膨大かつ高頻度で更新されるデータの事です。ビッグデータは、データそのものではなく、データを元に有益な情報を導き出す事に価値があります。
しかし、ビッグデータには、膨大がゆえに人間の能力では処理が追いつかないという一面もあります。そこで注目されたのがAIの持つ解析・処理能力です。
不動産業界における3つのAI
不動産業界においてAIは主に3つの役割が期待されています。
①顧客と対話する営業型AI
不動産業界含む多くの業界で、人間の代わりに顧客と会話、営業活動をするAIに期待が集まっています。
営業をAIが代替することで、人件費の削減はもちろん、顧客の趣味・趣向等のデータを自動的に蓄積できるようになります。また、蓄積したデータを解析する事で、より顧客に適した物件を提案する事が可能です。営業型AIが接客をするのが当たり前、という未来は、そう遠くないないかもしれません。
②効率的な不動産投資を計算する投資型AI
不動産投資家にとって、非常に重要と言えるのがこのタイプのAIです。膨大な物件データの中から、5年後10年後の利回りを予測して提案する。大量の前例データに基づいた投資型AIの判断は、投資家にとって大きな指標となっていくでしょう。これまでは物件に対する嗅覚や目利き力が必要とされ、一般の方には参入のハードルが高かった不動産投資ですが、AIの登場によって活性化していくと考えられます。
③入居後の生活を支えるアフターフォロー型AI
エアコンやコンロ等、設備の不具合といった入居後のトラブルは絶えないものです。こうした設備のアフターフォローをAIに任せるシステムも開発されています。
トラブルを居住者が自分で対応すべきなのか、自分では触らず専門のスタッフに任せるべきなのかを状況に応じて提示するのがこのアフターフォロー型AIの役割です。不動産会社の業務が軽減できるだけでなく、居住者にとっても24時間対応でトラブルを相談できるというメリットがあります。
売る人、買う人、貸す人、住む人……。不動産に関わるどの立場の人にとっても、AIは有益な技術です。飛躍的に技術が進歩する中で、今後より多くの場面でAIが活用されていくでしょう。