【実際にやってみた】家や部屋を手軽にアップデートできるスマートセキュリティの世界

- 後付けで気軽に取り入れられる、本格的なホームセキュリティ
- ドアホン、鍵、セキュリティカメラをそれぞれ試してみた
- 異変があった時に声かけや警告などアクションできる機能も搭載
最近、日本国内に不穏なニュースがとても多い。日本は安全と世界的にも言われ続けているが、自分の身を守るには自分から動くしかない。とはいえ、すでにある家や部屋でどうやって? そこで、スマートセキュリティアイテムの出番だ。すべて特別な工事もいらず、手軽に住まいをアップデートできる。今回は実際にメーカーから借りて体験してみた。
スマホで来訪者の確認もできるPanasonic「モニター付きカメラ VS-HC400」
賃貸物件を探す際に、カメラ付きドアホンがある家を条件にしているという人は多い。来客者の顔を確認するのはそれだけ重要視されているセキュリティ対策だ。もしカメラ付きドアホンでない場合、後からつけるのは簡単ではないし賃貸物件では難しいと思ってしまいがちだ。Panasonicの「モニター付きドアカメラ VS-HC400」は工事不要で手軽に後付けできる。
玄関のドアに引っ掛けるように取り付けるワイヤレスドアカメラとモニター親機は最初からペアリングされているので、設定を悩むこともなくすぐに使い始められる。来訪者が呼び鈴を鳴らすと、その音を感知し親機が反応。自動表示で来訪者の顔を確認できる。通話機能もあるため、玄関先に出ることなく対応可能だ。親機は持ち運べるので、室内のどこからでも来客対応できるのもいい。
さらに専用のアプリ「ホームネットワーク」と別売りの「ホームユニット」を使えば外出中でもリアルタイムで来客対応ができる。ドアカメラで受信した映像や音声をホームユニットを経由して、スマートフォンで確認しそのまま対応が可能。親機がそばになくてもスマートフォンがモニター代わりになるというわけだ。
宅急便が来た場合は「玄関先に置いてほしい」と伝えられるし、子どもたちが留守番している間は親が外からスマートフォンで対応できるので、急な来客にも安心だ。女性の一人暮らしや子どものいる家庭では後からカメラ付きドアホンがあればと考えるケースも多いだろう。そういった人たちにもぴったりな、気軽に取り入れられるモニター付きドアカメラだと言える。
Panasonic「モニター付きカメラ VS-HC400」を実際にセッティングしてみた!
こちらがカメラの本体。これを玄関のドアに引っかける。
今回は戸建てなので、ドアカメラを門扉につけてみた。カメラが外に向くように本体を引っ掛ける。付属の六角レンチでしっかりと固定する。
モニターはすでにペアリングされているので、特別な設定は必要ない。
専用アプリ「ホームネットワーク」と連携させる。外出時に来客を確認、その様子が録画されるだけでなく、声での対応も可能だ。
■製品情報
Panasonic「モニター付きカメラ VS-HC400」
https://panasonic.jp/hns/products/hc400.html
アマゾンからも登場! RING「Video Doorbell」
Amazonが買収したことでも注目を集めたのが、スマートドアベルシステム「Video Doorbell」を手掛けるRingだ。Video Doorbellとスマートフォンを接続することで、外出先でも来客者に対応できるほか、いつでもストリーミング機能で家の前を確認できる。スマートリモコンのEchoを持つAmazonが買収したことで、さらなる連携や発展も期待したい。
■製品情報
Ring Video Doorbell
https://ring.com/jp/ja
Qrio Lockは家のセキュリティを超える体験を得られる可能性
スマートフォンで鍵の開け閉めができる商品は多くあるが、スマートフォンを持っていると自動でそれをしてくれるのが「Qrio Lock」だ。オートロックにも対応しているので、鍵の閉め忘れを心配する必要もなくなる。
スマートロックの後付けというと、鍵そのものを取り替えるようなイメージもあるがQRIO Lockはそうではない。強力な両面テープで既存の鍵部分に取り付けるだけで、実際に鍵を使用する時は物理的にサムターンが回って施錠や解錠を行っている。そのため、賃貸住宅でも使用が可能。見た目もシンプルなので、玄関やドアのデザインに左右されず使えるのもポイントだ。
ハンズフリーだけでなく、もちろんスマートフォンアプリを使っての開け閉めや、玄関の扉に貼り付けて設置するタッチデバイス「Qrio Pad」に暗証番号を入力したり、カードや鍵をかざして施錠・解錠することも可能。カードは購入時に1枚ついてくるほか、別売りもされており最大で50枚まで使えるので、スマートフォンを持っていない子どもやお年寄りなど家族全員が所持できる。
荷物が多い時に鍵の開け閉めに苦労した、という経験は誰もが持つもの。そんな時の煩わしさを解消してくれるだけでなく、鍵のかけ忘れといううっかりミスも防いでくれるスマートロックと言えるだろう。
「Qrio Lock」を実際にセッティングしてみた!
ドアの室内側についている鍵の開け閉めを行うサムターンと「Qrio Lock」をあわせる。サムターンのサイズにあわせてS・M・Lのアジャスターがある。
またサムターンの高さによって、「Qrio Lock」そのものがドアにつかない場合がある。その場合のアジャスターもある(プラスドライバーが必要)。本体に電池をセットする。
サムターンと「Qrio Lock」をかみあわせて、ドアの室内側に両面テープで接着させる。ドアの壁側には付属のセンサーを同じく両面テープで貼り付ける。
設定が完了したら、「Qrio Lock」のスマホアプリをダウンロードし、ロックしている状態と解錠している状態を記録させる。スマホと「Qrio Lock」の接続はBluetoothで行う。
さらに別売りの「Qrio Hub」を利用すると、インターネット経由でQrioを使用できる。本来はBluetoothの範囲内でしか使用できないため、外出中にほかの家族が鍵を忘れて家に入れないという時も解錠できる。
■製品情報
Qrio Lock
https://qrio.me/smartlock/
ホームセキュリティの真骨頂 ケーブル不要で便利な「Arlo」
自宅周辺のセキュリティ対策として取り入れたいのがセキュリティカメラだ。その中でもケーブル不要なため、気軽に取り入れられると人気が高いのがテックウインド株式会社が販売する「Arlo」シリーズだろう。中でも現在4まで出ている「Arlo Pro」は視野角は対角160°、400万画素のセンサーで2560×1440ピクセルの映像を撮影できるなどカメラとしての性能も高い。夜間撮影にも優れており、カラー撮影や赤外線LEDの搭載でモノクロ撮影も問題ない。
専用のアプリ「Arlo」(iOS用)もしくは「Arlo Secure」(Android用)を使えばリアルタイムで映像を確認できる。深夜や外出時であっても家の周りが気になったらいつでも確認可能だ。
そしてうれしいのが1度充電すると6か月使えるという内蔵のバッテリー。これによってケーブル不要でArloを使えるので配線や電源を気にせずに、どこにでも設置できるのがポイントだ。アプリを使って使える機能には通話や、音やライトによる警告といったものがある。カメラに動体がうつるとアプリに通知もくるので、不審な人を万が一見かけた時もその場で相手に対してアクションできるというわけだ。
駐車場や庭など、なかなか目が届かない場所にArlo Proを設置するだけで、安心にもつながる、まさにホームセキュリティらしいアイテムだ。
電源ケーブルをひいてしまえば、電池交換も不要。駐車場側と玄関側にカメラを向けてみた。
本体をネットワークとつなぐボックスは部屋の中に置いておく。
専用のアプリは無料で使えるほか、有料のArlo Secureに加入すると映像をアーカイブとして残せたり、火災報知器などの警告音を察知すると通知してくれる機能も利用できる。
■製品情報
Arlo
https://www.arlo.com/jp/
住まいの安全・安心面のアップデートを!
自宅で安心・快適に過ごすために避けては通れないのがホームセキュリティ。セキュリティ面で気になる来訪者や鍵、住宅付近の様子を手軽に確認したり、対応できるのがスマートセキュリティに関するアイテムたちだ。
自宅を留守にすることが多い人や、子どもに留守番をさせる機会が多いという人は自分が不在の時の心配をこれらのアイテムで解決できる。また、ドアホンやセキュリティカメラに搭載されている機能を活用して、何かあった時も外出先から通話や警告というアクションが取れるのもよい。ホームセキュリティとネット接続の相性の良さが際立った。セキュリティに関して取り入れる際は、気になるところまで手が届く商品なのか、生活の中でどこを重要視したいかなど見比べるのがいいだろう。
取材・文/中村祐介
株式会社エヌプラス代表。デジタル領域のビジネス開発とクリエイティブ戦略が専門。クライアントはグローバル企業から自治体まで多岐にわたる。IoTも含むデジタルトランスフォーメーション(DX)分野、スマートシティ関連に詳しい。企業の人事研修などの開発・実施も行うほか、一般社団法人おにぎり協会の代表理事として、日本の食や観光に関する事業プランニングやディレクションも行う。
https://www.nplus-inc.co.jp/
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