スマート内覧の進化で完全非対面化や業務削減が実現! オンライン・VR内覧との比較も

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スマート内覧の進化で完全非対面化や業務削減が実現! オンライン・VR内覧との比較も

今や賃貸住宅の内覧に欠かせない存在となったスマート内覧の最新事情、オンライン・VR内覧との比較を解説します。

スマート内覧のメリット・デメリットとは。内覧件数が2割増加した企業も

スマート内覧はあらかじめスマートフォンにインストールしたアプリで、内覧する物件の鍵を開けられる「スマートロック」を利用した内覧方法です。

不動産会社がインターネットで行ったアンケート調査では 、入居希望者が内覧時に困った事の第1位に「内覧の日時を調整するのが面倒だった」、2位に「内覧が他の入居希望者と重なりできなかった」との回答結果でした。
時間が無い入居希望者にとって、日程調整が内覧のハードルになる事が分かりました。
スマート内覧では入居希望者が自身に都合の良い日時に部屋を見学する事が可能で、今や賃貸物件の集客として欠かせない存在と言えます。
入居希望者にとっては一人で気楽に見学ができる、新型コロナ感染症の感染リスクが低いというメリットもあります。

一方で不動産業者にとってはその場で入居希望者の疑問に答えることができず具体的なアピールがしづらい、直接入居希望者と話ができないため入居審査の参考にできないといったデメリットも存在します。

加えてスマートロックの電池が切れた時に開閉が出来なくなる、物件によってはスマート内覧ができないなど便宜上の問題もあります。

ただ入居希望者の需要が高く間口が広げられる、内覧対応をしないことで業務の削減ができるというメリットは非常に大きいと言えるでしょう。

入居希望者だけではなく、仲介業者へのスマート内覧に関するアンケートでも52%の業者が「便利」と回答しています。

スマート内覧の導入により、「前年同月比で約1.2倍の内覧申し込みがあった」という不動産会社も存在します。
具体的に導入事例を見ていきましょう。

スマート内覧の導入事例3つ。完全非対面化の最新情報も

  1. 三菱地所×「NinjaLock」
  2. 「アバター接客」を活用したスマート内覧
  3. 内覧管理クラウドサービス×スマートキーボックスで完全無人化を実現

1.三菱地所×「NinjaLock」

三菱地所グループは2016年9月から 株式会社ライナフが製造・販売するスマートロック「NinjaLock」を利用し賃貸マンション「ザ・パークハビオ」などでスマート内覧に対応しています。

「NinjaLock」は玄関のサムターンに粘着テープで貼り付けるだけで設置が可能で、鍵の開閉履歴確認や遠隔操作ができるというシステムです。

2016年時点ではザ・パークハビオの飯田橋・秋葉原など10棟に対応していましたが、ザ・パークハビオが数を増やしたこともあり2022年3月時点で25棟に対応しています。

ザ・パークハビオは投資用物件としても人気があり、仲介業者用のスマート内覧の専用ページが存在します。

業界でいち早くスマート内覧を導入し、対応マンションの戸数を伸ばした三菱地所グループと株式会社ライナフの「NinjaLock」はスマート内覧の先駆けとも言える事例です。

三菱地所グループは2019年に5月にスマート内覧・オンライン入居申込・IT 重説・電子契約を利用した全ての手続きで完全非対面化の賃貸借契約を実現しました。

2.「アバター接客」を活用したスマート内覧

2022年2月に東急不動産は、スマート内覧にアバター遠隔接客システムを組み合わせた新しいサービスを提供することを発表しました。

都内を中心に展開する賃貸マンション にスマートロックによる内覧とアバター遠隔接客システム「TimeRep」を導入し、遠隔接客員による物件の案内が可能となります。

【画像出典】TimeRepホームページ【URL】https://timerep.jp/

今までのスマート内覧では「現場で入居希望者に物件の良さをアピールできない、疑問を解決できない」という点が課題でしたが、「TimeRep」の導入によりアバターを介してリアルな接客が可能となり入居率アップが期待できます。

「TimeRep」は遠隔接客員の採用教育も含めたリモートコンシェルジュサービスの提供も行っており、全国どこでも一定の質を保った受付案内業務が可能です。
東急不動産にとって初の試みとなり、「コンフォリア日暮里」のみ試験的に導入されている段階ですので、今後の動向が注目されています。

3.内覧管理クラウドサービス×スマートキーボックスで非対面化を実現

2019年に三井不動産レジデンシャルリースは管理会社向けの内覧管理クラウドサービスとスマートキーボックスを掛け合わせたシステムを導入、3ヶ月間の募集期間で8割以上の業務を削減する事に成功しました。

クラウド内覧サービス「スマート内覧」は、管理会社向けのクラウドサービスです。
管理会社が専用サイト で空室データを登録すると、入居希望者向けのサイトでは物件の空室と内覧日時の予約カレンダーが表示できます。
入居希望者はカレンダーから日時を選択し、自身で予約を行います。

事業者は賃貸住宅にスマートキーボックス「igloohome smartkeybox2」を設置し、Bluetoothを搭載することでネットに繋がらない環境でも暗証番号によるドアの開錠を行う事ができます。

暗証番号の発行は一時的であるため、直接物件に出向くことなく暗証番号を変えることが可能です。

三井不動産レジデンシャルリースは、「スマート内覧」と「igloohome smartkeybox2」を90台導入することで非対面化と業務削減を実現しました。

スマート内覧×ツールで非対面化。組み合わせるツール一覧

スマートキーを用いて入居希望者が一人で内覧を行うスマート内覧は、社員が内覧に割く手間や時間を削減できます。さらに上記のようにツールと組み合わせることでよりコスト削減、社員の負担軽減が可能となります。

スマート内覧と組み合わせるツールの例として以下のものがあります。

  • オンラインカレンダーによる管理システム
  • Youtubeによる物件紹介動画
  • IT重説
  • 電子契約
  • スマートキーボックス
  • スマートカメラ
  • スマートリング
  • オンライン入居申し込み
  • アバター接客
  • 物件確認の自動化システム

スマートリングは指輪の形をしたツールです。端末に決済サービスを連携させることで、スマートフォンを持ち歩くことなく店舗で支払いができ充電の必要はありません。

【画像出典】EVERINGホームページ【URL】https://evering.jp/keyless

2022年3月15日に新機能が加わりスマートロックと連携させることで、鍵を持ち歩くことなくドアの解錠が可能となりました。

オフィスで入退室管理を指輪で出来るシステムとしてモニターを募集しており、今後の動向が注視されています。

オンライン・VR内覧の普及とスマート内覧

自宅からZoomなどのオンライン会議ツールを利用した「オンライン内覧」やVRゴーグルで物件の内覧を行う「VR内覧」は、入居希望者が現地に足を運ぶことなく内覧が出来るというメリットがあります。

オンライン内覧は業者が実際に物件を訪れ自宅にいる入居希望者と話しながら部屋を案内するタイプとあらかじめ撮影した映像を案内するタイプがあります。

業者側が実際に訪問するケースは入居希望者にとって自宅にいながら物件を確認しその場で疑問や不安を解消できますが、事業者にとっては社員の大幅な業務削減にはならないという実状があります。

VR内覧は既に撮影した部屋の映像を、入居希望者がVRゴーグルで閲覧できます。
2021年のマーケティング機関による調査ではコロナ禍で入居希望者の37.9%がオンライン・VR内覧を体験し、その内オンライン内覧で契約した入居希望者は87.9%に上ります。

「組み合わせ」で入居率アップへ

今後オンライン・VR内覧がスマート内覧に置き換わる可能性はあるのでしょうか?

オンライン・VR内覧の問題点として、入居希望者にとって実際の物件の雰囲気や周辺環境を確認できないというデメリットがあります。
また顧客が確認したい部分が十分に映っていないという問題点もあります。

事業者側にとっては撮影費用、VRゴーグルなど機材購入のコストがかかるという点がデメリットです。

一方で人が住んでいる・リフォーム中の物件など中に入れない状況の物件を事前に撮影する事で入居希望者が見学できるというメリットがあり、間取り図といったデータと組み合わせて利用することで内覧を提案できる物件を増やすことができます。

スマート内覧がオンライン・VR内覧に完全に置き換わる可能性は低いですが、オンライン・VR内覧も10~30代の若年層 を中心に着実に普及しています。

物件の状況・個別性に応じてスマート内覧・オンライン・VR内覧、そしてツールを組み合わせて利用する事で入居率アップが期待できます。

 

執筆者/田中あさみ FPライター。大学在学中に2級FP資格を取得、医療系の仕事に携わった後ライターに。
金融・フィンテック・不動産・相続などの記事を多数執筆。
ブログ:https://asa123001.hatenablog.com/
Twitter:https://twitter.com/writertanaka19

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