【不動産業界基礎用語】新聞などで毎年目にする「公示地価」とは?

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【不動産業界基礎用語】新聞などで毎年目にする「公示地価」とは?

「公示地価」とはどういうものか?

毎年3月になるとニュースや新聞などで「公示地価(こうじちか)」という言葉を目にします。公示地価は、その土地が今いくらなのかを参考にする目安です。今回はこの公示地価について解説していきます。

公示地価は国土交通省が毎年3月に公表するその年1月1日時点における全国の標準地の土地価格を公示するもので、一般の土地の取引価格に対して指標を与えるとともに、公共事業用地の取得価格の算定や、金融機関の担保評価、企業が保有する土地の時価評価などの基準として活用されます。

公示地価は建物の価値になどに左右されないよう土地を更地として評価しています(国土交通省だけでなく、各都道府県も毎年7月1日時点で同様の調査を実施し「都道府県基準値標準価格」として公表もしています)。土地の用途は「住宅地」「商業地」「工業地」などに分類され、発表。2021年の国土交通省の地価調査地点は約2万6000地点です。調査は全国167の分科会に所属する2353人の鑑定評価員(不動産鑑定士)が行っています。

国土交通省の公示地価と都道府県地価調査は、国土交通省の「土地総合情報システム」で閲覧できます。


国土交通省の「土地総合情報システム」国土交通省の「土地総合情報システム」で地価公示の確認ができる
【出典】国土交通省「土地総合情報システム」【URL】https://www.land.mlit.go.jp/webland/

2021年の公示地価は下落がトレンド。新型コロナウイルス感染拡大が主な理由。

国土交通省が3月23日に発表した2021年1月1日時点の公示地価は、東京・名古屋・大阪の三大都市圏の地価(全用途平均)が8年ぶりに下落しました。新型コロナウイルスの感染拡大で飲食店や物販店の休廃業や、テレワーク普及によるオフィス縮小が大きな要因です。三大都市圏だけでなく、全国平均でも6年ぶりに、住宅地も5年ぶり、商業地も7年ぶりに下落に転じました。

巨大な都市圏の地価が下落した一方で、福岡などの地方都市で上昇しているケースもあります。福岡県の福岡市の人口増加率は高く、まだマンション需要などの伸び代があると考えられているようです。一方、地方都市でも2020年7月の豪雨で浸水被害を受けた熊本県人吉市の住宅地、商業地は下げ幅が九州最大となっています。

公示地価は、エリアの「今の価値」を確認できます。なぜこの都市が上昇し、なぜあの都市が下落しているのか? それらを分析する上で有用な情報源となるのです。不動産業界に限らず、一般の人でも自分の住んでいるエリアの価値を知ることができる指標といえます。


<参考資料>
国土交通省 全国全用途平均で6年ぶりに下落、コロナ禍の影響は用途や地域で異なる~令和3年地価公示~
国土交通省 令和3年地価公示の概要 不動産・建設経済局
都道府県市区町村ランキングデータ

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