【2020年8月版】不動産業界ですすむ非対面、非接触のトレンド調べ

  • 0
  • 0
  • 0
  • LINE
【2020年8月版】不動産業界ですすむ非対面、非接触のトレンド調べ

はじめに

HPなどからアクセスできるニュースリリースを中心に、大手不動産会社の不動産テック動向をまとめました。今回のテーマは、オンライン接客です。調査をして次の7社(グループ)の情報を見つけることができました。以下、五十音順です。

  • 住友不動産
  • 大京穴吹不動産
  • 東急リバブル
  • 東京建物
  • 野村不動産アーバンネット
  • 三菱地所レジデンス
  • レジデントファースト(三井不動産グループ)

本記事は2020年8月20日時点の情報です。

■住友不動産

画像出典元:http://www.sumitomo-rd.co.jp/uploads/20200601_release_remote-mansion.pdf

コロナによる影響から、「新しい生活様式」を意識し、対面の機会を減らすことで、顧客の利便性を高めようという取り組みです。ポイントは、顧客が自分の希望に応じてサービスを選べるところにあります。オンライン見学、WEB申込、IT重説、引渡しなどを住友不動産は非対面で対応しています。開始から1か月で約200組が利用した背景から、その非対面(オンライン接客)の取り組みを強化したのがリモート販売センターです。

画像出典元:http://www.sumitomo-rd.co.jp/uploads/20200709_release_sumitomo-remotehanbaicenter.pdf

住友不動産は2020年7月より、新規顧客向けの5物件にたいし、オンライン接客に限定した販売をスタートさせました。 都内のマンションギャラリーに「住友不動産 リモート販売センター」を開設。営業スタッフを1つの拠点に集め、オンライン接客にも注力することを発表しています。

■大京穴吹不動産

画像出典元:https://www.daikyo-anabuki.co.jp/contents/attention/20200605topics.pdf

コロナへの感染予防対策という観点から、オンライン接客に注力しているのは大京穴吹不動産です。顧客の要望に応じて、非対面による売却や購入の相談に対応しています。ほかにも、次世代型のマンション管理サービスの開発や、マンション管理契約の電子化にも取り組んでいることがわかりました。

画像出典元:https://www.daikyo.co.jp/news/dev/files/20200611.pdf

画像出典元:https://www.daikyo.co.jp/news/dev/files/20200701.pdf

マンション管理をデジタルトランスフォーメーション(DX)するという大京穴吹不動産のプレスリリースで、次の部分が目を引きました。

多様化する居住者ニーズに対応するために、お客さまと管理会社の接点をデジタルに変換することで、「いつでも・どこでも・好きなときに」利用できるサービスと、人ならではの「感じて・思いやり・寄り添う」サービスを最適にご利用いただける環境が必要です。

ほかの国内産業ではじまりつつある、DXの潮流を意識した内容であると感じました。サービスとして提供される体験に、大京穴吹不動産ならではの考えなどが反映されるのであれば、大手不動産会社のなかで初となる、体験提供型のDXになり得るかもしれません。非常に楽しみです。

■東急リバブル

画像出典元:https://www.livable.co.jp/assets/files/corp-release-pdf-20200521.pdf

東急リバブルは、全国の売買・賃貸仲介店舗において、ビデオ通話による相談や内見を導入すると発表。2020521日より全店舗でオンライン接客をスタートさせています。

画像出典元:https://www.livable.co.jp/assets/files/corp-release-pdf-20200612.pdf

画像出典元:https://www.livable.co.jp/assets/files/corp-release-pdf-20200720.pdf

商談にはベルフェイスを使い、今年1月に提携したエスクロー・エージェント・ジャパンとのキャッシュレスサービスを首都圏32店舗から125店舗へ拡大するなど、テクノロジー活用に積極的な姿勢がうかがえます。

東急リバブルのキャッシュレスサービスは、関係者が長時間、金融機関に集まっておこなわれる、残代金決済手続きを関係者の立ち会いなしで完結できます。いわゆる“3密”を回避することができる点は、感染予防対策として大きなメリット。顧客の目線に立った、サービス利用範囲の拡大であると受け取ることができます。

■東京建物

画像出典元:https://brillia.com/share/oss/pdf/brillia_com_oss.pdf?iad=brilliatop

東京建物は、ベルフェイスを使ったオンライン相談サービスを提供しています。アプリやID登録が不要で、スマホからも利用可能。ベルフェイスのYouTube動画が紹介されていたので、そのURLを以下に貼り付けておきます。参考まで。

■野村不動産アーバンネット

画像出典元:https://www.nomura-un.co.jp/news/pdf/20200518.pdf

 野村不動産アーバンネットは、5月18日より、オンライン上でモデルルーム見学ができる、「おうちでモデルルーム」サービスを提供。ショート・メッセージ・サービス(SMS)を利用した、オンライン接客をはじめています。

画像出典元:https://www.nomu.com/plus/prevention/

野村の仲介+(PLUS)店舗でも導入されており、HPでもオンラインサポートのページが用意されていました。野村不動産アーバンネットは、3Dウォークスルー動画、VRホームステージング、マーケティングオートメーション(MA)などをコロナ以前より活用している不動産会社です。7月28日には、次のようなプレスリリースが野村不動産からも発表されました。契約書類の電子化です。

画像出典元:https://www.nomura-re.co.jp/cfiles/news/n2020072801719.pdf

野村不動産は、新築分譲マンション、一戸建て事業における、売買契約時の手続き電子化に乗り出しました。弁護士ドットコムのクラウドサインとはAPIで連携。契約書類の電子化は、大幅な管理コストの削減につながるだけでなく、署名・捺印・郵送の手間を一掃します。コロナによる非対面・非接触型の社会ムードをキャッチアップした取り組みです。野村不動産は、2020年の冬までに契約手続きをオンライン完結すると発表しました。楽しみです。

■三菱地所レジデンス

画像出典元:https://www.mec-r.com/news/2020/2020_0323.pdf

都心エリアの新築分譲マンションの販売に、三菱地所レジデンスもベルフェイスを使った、オンライン接客を導入済み。323日の時点で、「さまざまなご事情を抱える顧客」を対象に、オンライン接客をスタートさせました。これを529日に、全事業所へ展開。

画像出典元:https://www.mec-r.com/news/2020/2020_0529.pdf

オンライン接客の実施件数は145。そうした顧客の声に耳を傾けるかたちで、この対応エリアを拡大しました。529日時点で、全事業エリアの48物件にて対応をスタート。緊急事態措置が解除されたあとの“ニューノーマル”を意識し、オンライン接客を継続していくことを発表しています。三菱地所は、グループ全体で、顧客目線に立った新販売手法の構築を模索している不動産会社です。直近のリリースでは、マンション管理アプリのリリースも。

画像出典元:https://www.mec.co.jp/j/news/archives/mec200701_innovelios.pdf

「自らマンションを管理したい」「管理コストを減らしたい」という“顧客”のニーズに応えるかたちで開発されたアプリです。開発にともない新設されたイノベリオス株式会社は、2024年度末までに、全国の3,000組合で導入されることを目指しています。

■レジデントファースト(三井不動産グループ)

画像出典元:https://www.mitsui-chintai.co.jp/service/info/

“三井の賃貸”でおなじみ、都心の高級賃貸マンションを仲介しているレジデントファーストも、コロナ感染防止策として、オンラインサービスに着手しています。3密を回避するために、FacetimeGoogle DuoZoomなどを使ったオンライン接客を実施。物件にいる営業スタッフと自宅にいる顧客をオンラインでつなぎ、ビデオ通話などでライブ中継をする、いわゆる“オンライン内見”にも対応しています。希望する顧客には対面での接客にも応じていて、顧客が一人で物件に行き、質問にはビデオ通話でスタッフが対応するような取り組みも。コチラのページに動画が用意されているので参考まで。

まとめ ~大手不動産会社のテクノロジー活用について~

本記事で紹介した、大手不動産会社の不動産テック活用動向は、ほんの一部です。いわゆる“メジャー7”は、コロナによる影響で必要に迫られて、あるいは、それ以前よりはじめていた取り組みを強化するかたちで、オンラインによる接客対応に乗り出しています。それを今回、ニュースリリースやHPの情報から確認できました。収穫だったのは、以前よりもメジャー7の特徴がつかめたこと。プレスリリースなどから、その一端に触れることができました。SUMAVE読者のみなさんの目には、大手不動産会社の取り組みが、どのように映りましたか?

  • 0
  • 0
  • 0
  • LINE
PR

こちらの記事もオススメです

都内にテスラ付きマンションも登場!コンセプト賃貸のメリット・デメリットとは?体験談も
都内にテスラ付きマンションも登場!コンセプト賃貸のメリット・デメリットとは?体験談も
2024.04.24 業界分析
第4次AIブーム到来か? 人工知能の歴史と導入のメリット・デメリット、不動産業界の事例を解説
第4次AIブーム到来か? 人工知能の歴史と導入のメリット・デメリット、不動産業界の事例を解説
2024.04.19 業界分析
相続登記のオンライン申請、必要書類や手順とは?メリット・デメリットも
相続登記のオンライン申請、必要書類や手順とは?メリット・デメリットも
2024.04.16 業界分析
日本の不動産市場で「ニッチ賃貸」ニーズが高まるワケ
日本の不動産市場で「ニッチ賃貸」ニーズが高まるワケ
2024.04.03 業界分析
AIで契約書を審査?! レビューサービスとは? 不動産業界への影響、ガイドラインを解説
AIで契約書を審査?! レビューサービスとは? 不動産業界への影響、ガイドラインを解説
2024.03.28 業界分析
防災テックの市場規模が急拡大! AI・ドローン・・・最新事例を解説
防災テックの市場規模が急拡大! AI・ドローン・・・最新事例を解説
2024.03.25 業界分析

記事広告掲載について

スマーブでは、不動産テックに関する記事広告をお申込みいただく企業様を募集しております。どうぞお気軽にお申込みください。