2億5,000万超の物件データベースが、不動産投資から「思い込み」を排除する

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2億5,000万超の物件データベースが、不動産投資から「思い込み」を排除する

はじめに

制作の都合で記事化に着手できていなかった取材ネタから、蔵出しイベントレポート企画です。今回は、シンガポールの不動産テックベンチャー『Propre(プロパー)』の代表取締役を務める、白井久也氏(画像上)の貴重なピッチを取り上げます。ピッチは、2019年9月20日に開催された、「PropTech Startup Conference 2019」の内容です。

当日は、パネルディスカッションや展示ブースだけでなく、事前選考を通過した20社がスタートアップピッチを実施しました。各社に与えられた持ち時間は7分です。これ見たオーディエンスが投票し、「BEST OP PROPTECH 2019」が3社、選出されました。

3社のピッチをしたのは、画像下の左から順に白井氏、TRUSTDOCKの代表・千葉孝浩氏、株式会社ビットキーのCOO福澤匡規氏でした。

このなかから、あまり、日本では知られていないPropreの白井氏を今回は取り上げたいと思います。7分間のピッチを書き起こした短い記事です。ご覧ください。

地球を約400億のメッシュにカットして分析する。シンガポール発Propreの代表・白井久也氏をクローズアップ

白井:みなさんはじめまして、Propreの白井と申します。私たちは、シンガポールを拠点にしています。どんな会社かというと、世界中の不動産の情報を収集して、データベースを構築していますという会社です。独自に集計、整理した世界中の不動産情報をユーザーに届けています。目指しているのは、不動産投資をするとき、誰もが不動産市場を理解できる環境の創出です。本日は短い時間なので、私たちが想定しているビッグデータ、ユニバースがどんなものかということを紹介できればと思います。現時点で対象にしているのは世界17か国です(2019年9月時点)。毎日、1,200万の不動産データを収集・分析しています。

白井:私たちは個別の物件にフォーカスしていて、不動産にまつわる特徴量というものを見ています。特徴量は約3万です。これを因数分解するように日々、分析しています。いま、とくに力を入れて取り組んでいるのは、地球を約400億のメッシュに切り刻んで、その一つひとつの情報を分析して、データベース化することです。毎日、1,200万物件の不動産情報を収集して、それを個別のファクターにします。このときのユニークキーワードを3万に落とし込みます。

白井:私たちの目的は、不動産投資から思い込みを排除することです。「このエリアはよい」「過去に住んだことがあるから詳しい」そうしたバイアスや個人の思い込みを『Propre』で、徹底的に排除します。もっとも心がけているのは、定量的な分析に基づいたソリューションをユーザーの皆さんにお届けすることです。具体例を紹介します。ある、シンガポールの投資家から、「東京の1Rマンションに投資したい」というご相談をいただきました。私たちが最初にやることは、その時点で、データベースにある賃貸物件の収益力を計算することです。ご相談いただいた時点のデータベースでプロットすると、ある結果が導き出されます。ここから、さまざまな分析をはじめます。まずはヒートマップです。賃料単価の“安い、高い”を見ていきます。同時に、流動性の分析もします。

  • 比較的にイージーに貸すことができる
  • ここのエリアを貸すのは難しい

白井:そうしたエリアを過去のトラックレコードから見て取ることができます。賃料単価と流動性はトレードオフの関係になるので、その2つのファクトを重ねることで(以下のような)4象限のマップを作ることができます。

白井:4象限のマップをみて、その上に実際に売られている物件が何かという情報をプロットすれば収益力を可視化することができます。シンガポールの投資家の相談に戻りましょう。こうでした。

  • 金額は1億円
  • 流動性の高いエリア
  • 売り出し時から現在の価格までのその物件の価格が15%以上、下落している

白井:それらのお題から抽出したものがこちらです。

白井:最近は、エリアごとに細分化して研究することにも力を入れています。私たちは、エリアの成長サイクルがあると思っていて、それを分析するわけです。そのとき、左下の、「開発段階」から、「成長段階」「成熟段階」「衰退段階」の順で1周するという予測をたてます。

白井:あるエリアをデベロッパーが開発するとして、この視点で考えみてください。開発するときは、流動性がなくて価格も安いエリアです。開発をすると流動性が追い付いて注目されるエリアになります。価格は追い付いてきますが、ある一定の時期を過ぎると供給が需要を上回るので、流動性の早さが崩れてきます。最終的には価格が落ちて、また、開発段階のエリアに戻る(再開発エリア)というような発想です。このサイクルが、どのくらいのスピードで進んでいくのかということを世界レベルで私たちは研究しています。

白井:Xのところがエントリー0プライスだとすると、次のステージとしてX1にいくのか、X2にいくのか。この距離がどのくらいあるのか、あるいは、どこに着地するのかを見極めています。最終的には、X12までの変遷を想定していて、ここで見極めているのは“次のステージで何が起こるのか”です。

白井:何が起こるのかを見極めて、私たちは、物件を「買う人」「売る人」「貸す人」「借りる人」のすべてが、気軽にアクセスできて、定量的な分析ができるサービスを提供していきたいと思っています。

■イベント写真の提供協力/PropTech Japan

 

 

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