「Real Estate Tech 3.0」不動産テック協会の理事がアメリカ不動産マーケットを解説

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「Real Estate Tech 3.0」不動産テック協会の理事がアメリカ不動産マーケットを解説

はじめに

2019年2月12日に、東京都渋谷区ある、リーウェイズ株式会社にて【海外不動産テック】をテーマにしたセミナーが開催されました。主催は一般社団法人不動産テック協会です。このセミナーに、不動産テック協会の共同代表である、赤木正幸氏(リマールエステート株式会社/代表取締役社長)と、同協会の理事である、巻口成憲氏(リーウェイズ株式会社/代表取締役社長)が登壇しました。

赤木氏(画像下)の講演テーマは、ブロックチェーンと、海外の不動産テックカオスマップでした。2018年11月より、不動産テック協会は、国内の不動産テックカオスマップ制作を同協会の活動の一部にしています。日本の不動産テックカオスマップを説明しつつ、紹介されたのは、海外の不動産テックカオスマップへの取り組み状況でした。

下の写真は、スペインの不動産テックカオスマップです。スペインでは、PropTech(プロップテック)という呼び名が浸透しているようです。

インドの不動産テックカオスマップ(画像下)も紹介されました。こちらも、日本でいう不動産テックのことをPropTechという名称で表しているようです。

このカオスマップは2019年1月時点のもで、このセミナーは2019年2月に開催されました。まだ、『OYO』の日本進出が報道される前に開催されたセミナーでしたが、その名前がしっかりと載っています。

巻口氏の講演内容は、アメリカ不動産テックマーケット解説でした。講演では、多くの業界関係者が存在を知る、アメリカ不動産テック企業『Zillow(ジロー)』や『Redfin(レッドフィン)』を対比させていました。本記事では、その巻口氏のセミナー内容を一部、クローズアップして紹介します。※以下、敬称省略です。

巻口成憲とは

巻口氏は、2014年2月に、リーウェイズ株式会社を設立しました。以来、提供しているのが、人工知能を搭載した不動産業務システム『Gate.』です。

『Gate.』とは

画像出典元:https://leeways.co.jp/

『Gate.』とは、6,000万件を超える不動産ビッグデータを用いた、不動産業務パッケージです。分析にはAIが用いられ、金融機関、大手不動産事業者を中心に、『Gate.』を導入する企業は増えています。

リーウェイズは、2019年4月に、新サービスの告知も。AIによる物件周辺の市場を分析するサービス『Gate. Market Survey(マーケット・サーベイ)』です。

サービスの公開予定日は、2019年6月。自社で培ってきた、ビッグデータ解析のノウハウが生かされています。

国内では、この分野のフロントランナーの一人である巻口氏は、不動産テック協会の理事も務めています。先進国とされるアメリカの事情にも精通している人物です。セミナー当日は、得意分野を生かすかたちで、アメリカ不動産テックマーケットの解説がなされました。それでは、ご覧ください。

直近の13年で市場規模が10倍になった、アメリカの不動産マーケットとは

「私からは、MBA講座のような感じで、米国のトレンドについて解説できればと思っています。まずは、米国の不動産テックマーケットについて、簡単におさらいしましょう。端的にいうと、非常に伸びているマーケットです。直近の13年で、市場規模は10倍に成長しました。そのけん引役は『Zillow』です。

この会場にお越しの皆様は、多くが、不動産業界の関係者だと思いますから、『Zillow』について、ご存じのかたが多いかと思います。『Zillow』の解説はポイントを伝えるに留めますが、注目すべきは、なんといっても、Zestimate(ゼスティメイト)ですね。独自に、不動産価格を査定する機能が、業界に大きなインパクトを残しました。「プロにしかできなかった、不動産価格の査定を人工知能(AI)がやりますよ」という点がポイントではありますが、Zestimateは決して、正しい価格を鑑定するものではありません。あくまでも、判断基準の1つです。スターティングポイントである、という優れた柔軟性が米国の不動産マーケットに受け入れられました。いまや、全米No.1のマーケットシェアを誇る不動産テック企業です。

その『Zillow』のライバルとして、昨今、『Redfin』が注目を浴びてきました。業界では、「『Zillow』と『Redfin』という2大ポータルサイトが、米国の不動産取引の2割を占める」そう、ささやかれる存在です」

「両者の違いに目を向けると、ビジネスモデルの違いが目立ちます。売上の柱が広告掲載料である、『Zillow』は安定経営です。たいして、『Redfin』は売上の91%がブローカーフィーで構成されています。顧客との取引が成立するまでにかかる期間は、一般に3から4か月ほどです。現金化に時間がかかるので不安定な一面も。これが要因となり「なかなか『Redfin』は成長できない」ともいわれています。伸び悩む背景の1つです。

存在感を示す両者ですが、数年前から、“彼らは時代遅れではないか”と噂されるようにもなりました。理由は、次のキーワードです」

“Big search” doesn’t necessarily mean “best search.”

ビッグサーチは、ベストサーチとは限らない

「『Zillow』は、全米の不動産を扱っています。その結果、『Zillow』のポータルサイトに登録されている物件数は、1億を超えました。買い手にとって必要な家は1つです。このことから、「数の多さはメリットにならないのでは」という声が聞かれることも。

米国では、基本的に、エージェントが紹介できる物件に違いはありません。消費者からすると、”どのエージェントに依頼をしても、紹介してもらえる物件に違いはない”という認識です。「それなら、いいサービスを提供してくれるエージェントに依頼したい」米国の消費者は、そう考えます。このムーブメントは、ここ2、3年で拡大し、売主の意識は“物件選び”から“エージェント選び"へシフトしている状況です。

こうした、米国の不動産検索プレーヤーのトレンドをさかのぼってみると、2019年は“不動産テック3.0”という世界観に突入しているというのが、私の見立てです」

「『Zillow』が創業した2006年当時は、「『Zillow』? どんな企業?」という懐疑的な雰囲気が業界に漂っていました。この時期を私は“米国不動産テック1.0”だと考えています。

2011年に『Zillow』が、2017年に『Redfin』が上場し、懐疑的な雰囲気は次第に、「よくわからないが脅威なのでは」という認識へ。このあたりを私は“米国不動産テック2.0”だと感じています。そして、いま、何が起こっているかというと、米国不動産テックプレーヤーの市場進出です。ここでのキーワードは、“iBuyer(アイバイヤー)”でしょう。

iBuyerは、ポータルサイトでの価格査定をやりながら、売り手より直接、物件を買い取ります。買い取ったあとに、自らが買い手へ転売するビジネスモデルのことです。業界では一般に、“買取再販”とも呼びますね。この業界動向が示しているのは“テック企業の不動産会社化”です。テック企業は優秀なエージェントの確保にも乗り出します」

「その取り組みに、不動産会社は黙っていません。優秀なエージェントを囲い込みます。そうでなければ、ビジネスが成り立ちません。「『Zillow』や『Opendoor』にエージェントをとられてたまるか」そうなるわけです。この傾向は強さを増しています。米国では、老舗の仲介会社が、自らを「テクノロジープレーヤーです」と名乗りはじめています。“不動産会社のテック企業化”ですね。

つまり、米国の不動産業界では、いま、不動産会社のテック企業化と、不動産テック企業の不動産会社化がはじまっているのです」

まとめ

すべてをご紹介できないのが非常に残念ですが、「もっと詳しい内容を知りたい」「ほかのセミナーや協会の活動にも興味がある」というかたは、不動産テック協会のセミナーに参加することをおすすめします。イベントに参加すれば、理事と会話をするチャンスもあるでしょう。

直近では、以下の2つのイベントが予定されています。

詳しくは、協会のイベント告知サイトをご確認ください。→ https://retech.doorkeeper.jp/events/upcoming(※不動産テック協会のイベント告知サイトにジャンプします)


 

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