【レポート】不動産テックイベント「WeWork」をクローズアップ!

- WeWorkは「コミュニティ」ビジネスで、コワーキングビジネスではない
- WeWorkのオフィスはメンバーのコミュニケーションを促すような設計がされている
- メンバーとはWeWorkのオフィスに入居している人たちのこと
世間で、シェアリングビジネスの注目度は高まっています。不動産テック協会(仮称)のカオスマップリニューアルイベントや、Airbnb Japanとファミリーマートの事業提携会見などが、その代表格です。今回も、シェアリングビジネスをキーワードに、イベントレポートをお届けします。取り上げるのは、WeWorkです。
イベントは、株式会社オープンハウスが主催しました。イベントのテーマは、「新規事業創造セミナー&ミートアップイベント (スマートハウス&不動産Tech)」です。会場は、丸の内北口ビルディングのWeWorkオフィスでした。
皆さんこんばんは。今日はオープンハウスさん主催の不動産テックイベントにお越しくださり、ありがとうございます。WeWorkの鈴木省吾と申します。ぞうぞ、よろしくお願いいたします。今日は、WeWorkのことを紹介させていただきたいと思います
WeWorkは、日本で、シェアリングビジネスの雄と目される企業です。そのWeWorkで、鈴木氏は、セールスディレクターを務めています(画像上)。今回の記事では、当日のイベント内容から、鈴木氏のピッチ内容をご紹介し、シェアリングビジネスで注目されるWeWorkがどんな企業なのかをのぞいてみましょう。
WeWorkとは
「私たちWeWork誕生のきっかけは、2008年にさかのぼります。アメリカのグリーンハウスというスタートアップ企業が、WeWorkの前身です。当時は、コワーキングスペース事業なのですが、これが非常に好評となり、2010年に、WeWorkとして新たに立ち上がりました。
私たちが自分を主語にしてお話する場合、よく使う単語があります。それは、「we」です。会話のなかでは、一緒にという意味合いの、「together」という単語も、よく使われます。これらの単語は、私たちにとって大きなビジネスの要素になっている、「コミュニティ提供」と深いつながりがあります。
私たちは、WeWorkの物件にご入居していただいているかたがたを「お客様」と、お呼びしていません。「メンバーの皆さん」「会員の皆さん」というふうに、お呼びしています。「メンバーの皆さんのお仕事が、成功するようお手伝いする」ことが、私たちの大きなミッションの1つです。
このミッションを達成するために、WeWorkは、オープンイノベーションプラットフォームをご用意しています。プラットフォームは、業界を超え、新しいつながりや、革新を生み出す仕組みです。次をご覧ください」
「トライアングルの頂点には、クリエイティブなスペース、と書いていますが、この部分がオフィススペースを意味しています。オフィス運営にかかわる、さまざまなサービスをシームレスに提供しているのが、WeWorkです。
私たちには、2人の創業者がいます。1人は、子供服の会社をやっていた人間です。もう1人は、設計士として、店舗のデザインをてがけていました。違う仕事をしていた2人には、共通点がありました。「幼少期に属していたコミュニテイで、何度も助けられた経験の持ち主」であったということです。この経験から、次のような哲学をもっています。
- 1人より2人
- 2人より10人
- 10人より100人
この哲学は、「人は、集まることで、個人でいるよりも大きなこと/おもしろいことができるんじゃないか」という考えへ発展しました。共感しあった2人は、グリーンハウスを立ち上げ、現在のWeWorkへとたどり着きます。
2人の創業者の思いから、私たちが現在、大切にしている4つのキーワードを紹介させてください。
- コミュニテイ
- 効率
- 美しさ
- カスタマイズ
まずは、コミュニティについてをご紹介します」
コワーキングスペースであり、サービスオフィスでもあるコミュニティ
「私たちが提供しているのは、コミュニティです。ご提供しているのは、コワーキングスペースとしての場所であり、サービスオフィスとしての機能を備えた、ワークスペースです。
柔軟性にもフォーカスしています。WeWorkがご提供しているのは、企業さまのスッタフの数に適したスペースです。10、25、50、100名と、会社の規模が拡大するタイミングにあわせてワークスペースを変更できる点は、私たちの特徴の1つです。
また、3か月、6か月などの短期間からご契約をいただける点も、メンバーの皆さんにとっては好都合であると考えています。反対に、長期のご契約を希望される場合には、3年、4年などのご希望を承る柔軟性も忘れていません」
効率よく、コミュニケーションを促す仕掛け
「私たちがご用意しているオフィスの数は、グローバルに240拠点くらいです。拠点内の人の動きは、リアルタイムで分析しています。
- どういった時間に
- どういった人が
- どこに
- どのくらい流入しているか
効率的なコミュニティであることに配慮し、上記のような項目から取得したデータをオフィスデザインに落とし込む目的です。たとえば、廊下。
廊下の幅には意味があります。「知らない人たちが、2、3回、すれ違うことで、自然と会釈をしたくなるような幅」を考え、廊下を設計しました。「天井のグリッドから少し外れた幅の廊下」があるのは、この設計を反映させているためです。効率的にコミュニケーションできるよう、廊下の幅にもこだわっています。
このような仕掛けをオフィス内の至るところに施しているのが、WeWorkのオフィスなのです。会釈1つでも、コミュニケーションのきっかけになりますので、いろいろなコミュニケーションにつながるよう、オフィスのデザインを工夫しています」
クールなオフィスに欠かせない窓
「私たちは、「かっこいいオフィスを作っていきたい」とも考えています。一番大事にしているのは、太陽光です。自然の光ですね。
物件を選ぶときは、窓がたくさんある物件を選びます。この場所も、ほとんどの外壁側がガラス面になっていますよね。こうすることによって、暗くなりがちなオフィススペースの中央にも、自然な光が届きやすくなるものです。透明性が高くなり、目から情報が入ってきて、コミュニケーションのきっかけにもなると考えています」
オフィスには、メンバーのリクエストを取り入れる
「当初、WeWorkの入居者構成は、スタートアップ企業のかたや、規模の小さな企業のかたが中心でした。しかし、現在は、大きな規模の企業のかたがたにも、メンバーとしてWeWorkをご利用いただいています。
皆さんのニーズをお聞きしていくなかで、「1フロアで借りたい」「2フロアで借りたい」などのお声が多数ありました。その結果、現在では、1棟をまるごとお貸しすることも。
メンバーのリクエストを取り入れながら、フレキシブルに、クールなオフィスをご提供することで、新しいコミュニティを創造しているのが、WeWorkなのです」
WeWorkのコミュニティエンゲージメント
「次は、コミュニティについてです。たとえば、丸の内の北口オフィスのメンバーになっていただければ、いろいろなかたと、つながる機会を増やせます。そのきっかけとして、私たちが、メンバーの皆さんにご用意している3つのことをご紹介しましょう。
- 気軽な相談
- イベント
- グローバルなネットワーク
気軽な相談とは、皆さん(メンバー)同士をおつなぎするための、橋渡し役を意味します。「こんな業界とつながりたい」「こういったかたをご紹介いただけませんか」などがあれば、ぜひ、ご相談ください。
そのためのリストがあったり、ベータベースで管理したりしているわけではありませんので、ご期待に沿えない場合があるかもしれません。しかし、私たちの肌感覚で、今後も気軽にご紹介していきたいです」
2、イベント
「2つめが、イベントです。昨日、開催されたのはDJパーティでした。DJをされているかたが、この丸の内の北口オフィスで働いています。そのかたのご協力で、このフロアにあるすべてのソファーを片づけ、ダンス大会を開催したのです。
こうしたイベントは、週に4、5回ほど実施しています。頻繁に開催することで、メンバーの皆さんに、今後も新たな「つながり」を提供したい考えです」
3、グローバルなネットワーク
「3つ目がグローバルなネットワークです。WeWorkのメンバーになっていただいた瞬間に、世界中にいる21万人のメンバーとつながります。重複しますが、メンバーはグローバルに21万人です。メンバー1人ひとりのつながりが活発になるよう、私たちはアプリケーションをご用意しています。
WeWork独自のSNSをご用意し、そのコミュニティに投稿することで、グローバルなネットワークにアクセスできる仕掛けです。
今後、〇〇なビジネスをはじめます、なにか興味があれば連絡ください
といった告知の場としてご利用いただいてもいいと思いますし。
●●なスキルセットの人材を探しています
などの投稿もよいと思います。ほかにも、以下のような使い方はオススメです。
- イベント開催のお知らせ
- イベント参加の可否、出欠確認ができる機能を使う
- 会議室の予約
イノベーティブな仕事環境を体験できるような、テクノロジーもご用意していますので、広くつながれる機会として、WeWorkのオリジナルSNSをご活用いただければと思います。
次は、WeWorkのサービスについてのご紹介です」
WeWorkのサービス
「私たちのスローガンの1つは、「Do What You Love」です。オフィス運営にかかわることは、すべて、私たちがやります。メンバーの皆さまが、「必要だ」と思われるものは、ある程度、WeWorkのワークプレイスに入れ、サービスとしてお届けしようという考えです。
一般に、サービスオフィスやレンタルオフィスを借りる場合、「会議室の一時間当たりの料金」「インターネットの月額利用料」などが、発生することも多くあります。そうした契約、設定、利用料は、WeWorkのご契約プランのなかに、すべて含まれています。
ご提供しているのは、「ご契約後に安心して使える環境」です。「私たちとの契約以外に、追加料金や毎月のコストが発生しないような仕組みにしましょう」という意味合いを込め、この取り組みを「プラグ・アンド・プレイ」と呼んでいます」
質疑応答
WeWorkの特徴について質問が出たので、質疑応答のやり取りをご紹介します。鈴木氏が、WeWorkの特徴を的確に語ったやりとりでした。来場者からの、次のような質問です。
Q:日本にも昔からコワーキングはいっぱいあって、多くが、建築家を生業としていた人たちによって作られていたと思います。とてもオシャレなコワーキングスペースで、それらと、WeWorkの最大の違いはなんでしょうか?
「単純に比較はできないと思いますが、私たちは、WeWorkの事業をコワーキングビジネスとは考えていません。コミュニティビジネスであると考えています。その点が最大の違いかもしれませんね。
私たちはコミュニティなのです。「メンバーの皆さんが集まるきっかけ」としての一例が、このようなエリアだと考えます。「コワーキングスペース」ではなく、「コミュニティエリア」という呼び方をしているのは、そのためです」
まとめ
オフィスの天井を見ると、ダクトや建材がむき出しになっています。これは、WeWork発祥の地であるニューヨークのSOHOでも、おなじみの風景です。人によっては、「仕上げる手間を惜しんだのか」と感じるかもしれませんが、そうではありません。WeWorkには、とてもポジティブな意図があります。
未完成でもいいじゃないか。まずは、アウトプットしよう
イメージを膨らませたり、想像力を働かせたりするときに、天井を眺める人は、人種を問わず多いものです。彼らが悩み、アウトプットを惜しむことで、事業の成功は遠のいてしまいます。そんなとき、「仕上げることにこだわらず、まずはアウトプットしてみよう」と、WeWorkの天井はイノベーションを促しているのです。
あるいは、「失敗を恐れるあまりに挑戦することから逃げてしまう」事態をWeWorkは少しでも防ごうとしているのかもしれません。こうした取り組みは、多くの投資家から、注目を浴びました。注目しているのは、投資家だけではありません。この日のイベントには、多くの「不動産業界関係者」「新規事業担当者」などが参加し、会場は盛況でした。
今回のイベントは、WeWorkのキーワードである「コミュニティ」がポイントです。広い空間でのコミュニケーションは、その代表的な事例といえます。反対に、狭い空間でのコミュニケーションに特化した、不動産テックサービスもあります。たとえば、会議室のシェアリングサービスである、Spacee(スペイシー)です。
画像引用元:Spaceeホームページ
Spaceeは、貸し会議室やレンタルスペースのマッチングプラットフォームを提供しています。プラットフォームへの登録スペースは4,000室、会員は12万人ほどです。「あらゆる場所をワークスペースにコンバージョンする」をコンセプトに、さまざまな取り組みをしているベンチャー企業です。
SUMAVEは、Spaceeのイベントを取材しました。イベント当日、執行役員である武田氏(写真下)に詳しい話を聞くことができました。
「不動産テック×シェアリングビジネス」をキーワードにした独自取材【第3弾】はコチラ→あらゆるところをワークスペースに!スペイシー