オーストラリアの不動産テックベンチャー&野村総合研究所の上級研究員をクローズアップ

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オーストラリアの不動産テックベンチャー&野村総合研究所の上級研究員をクローズアップ

はじめに

2019年9月2、3日の2日間に、一般社団法人日米不動産協力機構(JARECO)が、「国際不動産カンファレンス(IREC2019)」を実施しました。

国土交通省との共催カンファレンスです。協賛には、以下の団体が名を連ねました。

  • 全米リアルター協会
  • 一般社団法人全国住宅産業協会
  • 公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会
  • 公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会
  • 公益社団法人全日本不動産協会
  • 一般社団法人不動産流通経営協会
  • 一般社団法人不動産協会
  • 一般社団法人不動産証券化協会

会場は、東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪でした。多くの海外ゲストが日本に集まり、来場者の合計は2日間で560名を数えました。

カンファレンスに用意されていたコンテンツは、出展ブース、ゲストスピーカーによる講演、パネルディスカッションなどでした。会場には同時通訳がはいっていて、海外ゲストの話を日本語で聞くこともできました。

2日間ともに、アフターパーティが用意されていたことも印象的でした。海外ゲストをもてなすための料理やエンターテイメントもあり、来場者のネットワーキングもいたるところで見受けられました。

本記事では、当日のカンファレンス内容より、不動産テックのキーワードにまつわる、以下2社のプレゼンを一部抜粋して、レポートします。

  • BOXBROWNIE.COM(ボックスブラウニードットコム)
  • 野村総合研究所

まずは、BOXBROWNIE.COMのプレゼンからご紹介します。BOXBROWNIE.COMは、オーストラリアの不動産テックベンチャーです。不動産関連の画像加工を得意にしています。2020年には、本格的な日本進出を予定。すでに、日本語のサービスサイトも公開しています。この日のスピーカーは、ビジネスディベロップメントマネージャーである、カレン・プール氏でした(画像下)。

カレン氏は日本語でのプレゼンを披露しました。その姿からは、日本進出の意気込みを感じさせました。

カレン:皆さん、こんにちは。私は、BOXBROWNIE.COMのカレン・プールと申します。今日は、不動産業界の皆さんにとって役立つサービスを紹介したいと思います。どんなサービスかというと、写真を加工するサービスです。不動産販売、賃貸、中古物件の関係者、建築家などの皆さんに使っていただけるような、幅広い編集機能を用意しています。自分で撮った写真でも、プロのカメラマンに撮ってもらった写真でも構いません。私たちにお送りいただければ、その写真を編集し、マーケティングに使えるような、映える写真に変身してみせます。

カレン:これまで、物件の写真を撮影するとき、撮影当日の天気が気がかりだったことと思います。今後、BOXBROWNIE.COMにお任せいただければ、その心配はいりません。たとえば、曇りの日に撮影した物件写真も、たったの180円で、快晴時に撮影した写真に変身します。

カレン:私たちにご依頼いただければ、天気のせいでパッとしない物件写真を撮影し直すような手間は、もう不要です。広告や売り出しの際に、物件の掲載を遅らせる必要もありません。携帯電話で撮った写真は、最高の映りではないこともあります。そんなときも、BOXBROWNIE.COMなら、見栄えのする、素敵な写真に仕上げます。

カレン:日中の写真もよいですが、夜景などの、より、洗練された写真で表示したい物件もあるでしょう。このような写真が主役となることで、クリック数は4倍になるといわれています。散らかったキッチンを編集の技術で整理することも可能です。背景を識別できる限りは、編集することができます。通常は動かすことができないようなモノも、私たちの編集技術におまかせください。

カレン:マーケティング用に使える写真を作ることもできますし、幅広いプランからお選びいただけるように準備しています。建物が完成していない場合も、買い手が想像しやすくなるように建築パースから完成後の建物、家、部屋の写真を作り出します。

カレン:必要なときに、必要なぶんだけをお支払いいただくシステムなので、無駄なコストを抑えられる点も特徴です。不動産写真の編集なら、私たちBOXBROWNIE.COMにお任せください。


 

次にピックアップするのは、「不動産業と最新テクノロジー」というテーマのプレゼンです。スピーカーは、野村総合研究所の上級研究員である、谷山智彦氏(画像下)です。

谷山氏がたずさわってきた不動産テック関連の書籍の数は、おそらく、日本で最多。谷山氏は、日本最大級のシンクタンクである野村総合研究所に籍を置いています。アカデミックなポジションで、不動産分野のリサーチャーとしても長く活躍してきました。

専門は、不動産×テクノロジー、不動産×データサイエンスの領域です。谷山氏には、「不動産×テクノロジーの融合を加速させたい」という思いから、ビットリアルティという会社を立ち上げた経歴も。ビットリアルティでは、不動産×クラウドファンディンクのサービスを運営しています。

谷山:ご来場の皆様、初めまして。野村総合研究所の谷山と申します。本日ですが、不動産業と最先端テクノロジーというテーマで、PropTech(不動産テック)の概念について、最初に整理しておきたいと思います。

谷山:現在のPropTechとは、基本的に不動産のビジネス、プロダクト、マーケットをデジタルトランスフォーメーションすることです。端的に日本語で表現するのは、なかなか難しいのですが、ポイントは“変化させていく”ということ。国内では、フィンテック、コンテック(建設テック、建設×テクノロジーの意)、シェアリングエコノミーなどの領域と重なり合う部分を多くしながら、発展し続けています。

谷山:不動産×テクノロジーといったときは、何らかのトランザクションやマーケットプレイスを変化させるという動きがあります。次にあるのは、人工知能やビッグデータを使った動向です。ここでは、不動産の評価や情報という観点に従来とは違う新しい分析方法を使うことによって、不動産業界を変えていきます。これらは、日本語でいうと、すべて“デジタル化”です。

谷山:この言葉は、トレンドによって意味合いが変化してきました。変化の変遷がたどったのは、デジタリゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションです。

谷山:3つが、どう違うかという詳細の解説は長くなりますので割愛させていただきますが、一般に、国内の不動産業界において、PropTech、リアルエステートテック、不動産テックをいったとき、そのほとんどがデジタリゼーションのことを指しています。不動産業界においてのデジタリゼーションとは、アナログの情報をデジタルに変えることです。

谷山:不動産業界においてのデジタルトランスフォーメーションとは、不動産業務、ビジネスモデル、マーケットなどをテクノロジーの力で、それそのものを変革していくような動きです。これが、近年のPropTechの概念です。会場には、数多くの海外ゲストが見受けられます。皆さんにお伝えしたいのは、日本にもデジタルトランスフォーメーションを成し遂げようとするPropTech企業が、非常にたくさん登場している事実です。

谷山:2018年11月には、一般社団法人不動産テック協会という団体が立ち上がりました。不動産テック協会は、不動産領域の新しいスタートアップ、サービス、プロダクトなどをまとめた不動産テックカオスマップを制作。この更新回数は2019年9月現在、4回を数えました。

画像出典元:一般社団法人不動産テック協会ホームページ

谷山:とくに海外ゲストの皆様には、「スペースシェアリング、IoT、VRやARなどの新しいテクノロジーを活用したスタートアップというものも、日本において登場してきている」そんな事実をご認識していただけたら幸いです。

 

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