【対談/前編】AirbnbとAmazonによるブレスト企画!    

【対談/前編】AirbnbとAmazonによるブレスト企画!

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【対談/前編】AirbnbとAmazonによるブレスト企画!

はじめに

2018年9月に「シェアサミット」というシェアリングエコノミーのイベントが開催され、民泊につていのパネルディスカッションがありました。非常に興味深かったのは以下の2点です。

  • 家主滞在型の民泊は地域を活性化する
  • 地域を盛り上げることへつながるので、家主滞在型の民泊は地域の人たちから歓迎されている

これまでの不動産テックイベントでは、あまり、聞くことのできない意見だったので、新たな気づきを得られました。SUMAVEは今後も、こうした気づきを得る機会を増やすことで、民泊サービスの発展に寄与できればと考えています。そこで、SUMAVEが企画したのはブレインストーミング対談です。

※「Airbnb」「エアビーアンドビー」「エアビー」の各名称及びロゴはAirbnb Inc.の登録商標です。

民泊事業のさらなる発展、可能性を不動産テック領域から探したとき、テクノロジー活用は欠かせません。民泊×ITという発想でイノベーションを考え、私たちがたどり着いたのは、業界最大手同士のコミュニケーションでした。今回の企画は、民泊最大手のAirbnbと、ECサイト最大手のAmazonが同じテーブルにつき、民泊のさらなる発展を語り合う対談、ブレインストーミング企画です。

Amazonは、米国、英国、日本、ドイツ、フランスの主要5か国で、2016年の市場シェアが1位。5か国のC向け合計取引額は、5,379億6,000万ドルにのぼります(ジェトロ世界貿易投資報告書2017年版より)。

Airbnbは、登録リスティング数が世界500万件以上。191以上の国でサービスを展開しています。宿泊先が登録されている都市の数は、8万1,000以上。累計ゲスト数は、4億人とされています(AirbnbのHPより)。

今回の企画では、執行役員を務める、Airbnbの長田英知氏(画像下左)とアレクサビジネス本部兼、モバイルビジネスデベロップメントでGM/本部長を務める、Amazonの柳田晃氏(画像下右)が意見を交わしました。

テーマは、「民泊の課題を*Amazon Alexa(アレクサ)がどう解決するか」「Alexaができることを民泊事業にどう生かすか」という2つの視点です。長田氏と柳田氏には、それぞれ、ある役割を担当してもらいます。

柳田氏の役割はEchoを紹介、解説するものです。長田氏には、柳田氏の話から思い浮かぶ、「民泊領域での新たな可能性」というアイデアを語ってもらいました。ご覧ください。
※以下、敬称省略します。

*Alexaとは、Amazonが開発したクラウドベースの音声サービスです。Amazon製のスマートスピーカーを一般的にAmazon Echoシリーズと呼びます。スマートスピーカーは、「音声で操作する家電」として、2017年の後半より、国内で注目度を高くしているデバイスの1つです。

 

目次

 

民泊が抱える4つの課題

SUMAVE:まずは、長田さんにお聞きします。民泊の現状を整理していただけますか。課題があるとしたら、どのような点かを教えてください。


長田:わかりました。大きくわけると、4つの課題があると考えています。「セキュリティ」「プライバシー」「コミュニケーション」「エネルギー」です。

Airbnbでは、「ホスト(家主)が不在にしている自宅」も、「宿泊先」として貸し出されています。このとき、課題の1つにあげられるのが、宿泊先へのチェックイン(鍵の受け渡し)方法です。私たちは、ファミリーマート社との提携で、ゲストのための無人チェックインにも取り組んできました。しかし、この取り組みであっても、「そもそも、宿泊先の近くにコンビニがない」というエリアをカバーしきれません。

ゲスト目線で考えると、「ホストがいない宿泊先でも、安全にチェックインしたい」となり、ホストの目線で考えると、「宿泊先にゲストが滞在していないときの防犯」などの観点が、セキュリティの課題といえます。

SUMAVE:プライバシーの課題とは、どのようなことですか。


長田:Airbnbゲストから人気の高い体験に、「ホストの自宅に、ホストと一緒に泊まる(生活する)」があります。Airbnbの宿泊先を「ホームステイ先のように利用する」という方法ですね。このとき、「プライベートな空間に入って来られたら、どうしよう」という不安を抱えるホストは、決して少なくありません。これが、プライバシーの課題です。この話はコミュニケーションの課題にもつながります。


柳田:「海外のゲストに、日本語しか話せないホストが、注意点を正しく伝えられないリスク」といった点でしょうか。

長田:はい。注意点は、紙に書いて用意するなどすれば、ほとんど対応できます。課題として残りやすいのは、「ゲストが利用しているときのエアコン故障」といった、緊急時の対応です。

予期せぬトラブルの場合は、どうしても、ホストとゲストの間に、口頭でのコミュニケーションが発生します。「いざというときの意志疎通をどうしたらいいのか」そうした、ホスト側の不安をいかに解消するかが、コミュニケーションの課題です。

SUMAVE:エネルギーの課題について教えてください。

長田:チェックアウト後の電気の消し忘れが代表的です。一般のホテルでは、カードキーと室内の電源が連動している場合があります。部屋の壁に差し込んだカードキーを抜くことで、電気が消えたり、ブレーカーが落ちたりするホテルです。同じことを一般の家や、民泊用の施設で再現しようとすると、設備投資のコストが大きな負担となります。

民泊領域で活躍しそうな『Echo Spot』とは

SUMAVE:次は柳田さんにお聞きします。数あるEchoシリーズのなかで、民泊領域での活躍が期待できそうな商品はありますか。


柳田:国内で販売されている商品を基準にして考えると、長田さんの話を聞いて最初に思い浮かべたのは『Echo Spot(エコースポット)』です。2018年7月25日に、日本での出荷がはじまりました。

最大の特徴は、タッチディスプレイを備えている点です。この商品の紹介動画があるので、まずは、少しご覧ください。見ていただいたほうが、長田さんにも伝わりやすいと思いますので。

柳田:これまでのEchoが、ユーザーとコミュニケーションする方法は、Alexaを介した音声会話だけでした。しかし、『Echo Spot』なら、従来の音声会話に加えて、映像による知覚コミュニケーションもはかれます。カメラが内蔵されているので、自撮りをすることも可能です。


長田:紹介動画を拝見して真っ先に思ったことは、チェックイン時の本人認証を『Echo Spot』の画面を通じて行なう、というアイデアです。たとえば、ホストとゲストが、リアルタイムで、「映像」「音声」をやり取りできるなら、セキュリティ面の課題を解決する1つになるかもしれません。

SUMAVE:インターフォンの代わりとして『Echo Spot』を置き、そこに、ゲストが自分のパスポートを見せて、チェックインをホストへ知らせる。パスポートの写真と本人の一致をホストが確認できたら、ホストが何かのボタンを押すと、家の玄関や部屋のドアが解錠される。というようなイメージですかね。


長田:ええ。もしくは、ホストが何かボタンを押すことで、コンビネーションキーを発動させ、それを覚えておけば(それを利用することで)、ゲストは滞在期間中の入退出キーとして宿泊先で使える、というのもアリかもしれない。

Alexaについて

SUMAVE:Alexaには『Alexaスキル』がありますよね。これをAirbnbゲスト用に対応させれば、ゲストの旅行をさらに満足度の高い民泊体験にできる予感がしました。Alexaスキルについての解説を柳田さんからお願いできますか。


柳田:わかりました。Alexaは、Amazonの音声サービスです。ひらたくいうと、さまざまな商品をパーソナライズさせ、その操作性を味わう、楽しむための仕組みです。『Echo Spot』をはじめとする、さまざまなAmazon Echoで司令塔のような働きをします。2018年11月現在、世界では5万以上、日本では1,500以上のAlexaスキルが開発されています。


長田:Alexaスキルを新たに開発することは、難しいのですか。かりに、Airbnb用のAlexaスキルを開発するとして、おおよそ、どのくらいの期間が必要なものでしょう。

柳田:従来のことをご説明しますと、エンジニアによる会話モデルのコーディング難易度そのものは、決して高くありません。開発内容にもよりますが、期間にして、おおよそ3か月くらいが目安です。時間を要するのは会話のデザインで、一般に、アイデア出しに1か月ほどを費やします。

スマートスピーカーに代表される声でのコミュニケーションにおいて、もっとも重要なのは会話の自然さです。人間に違和感を抱かせず、いかに、クラウドベースの音声サービス(Echoの場合はAlexa)が人間との対話を続けるか。この点が極めて重要なので、会話モデルの作りこみには、いつも時間を割いています。


長田:柳田さんの話を聞いていて思ったのですが、ツーリスト・インフォメーションセンターにAirbnbの無人ブースを置いて、そこで、民泊体験やAirbnbの紹介をしたとします。このとき、「音声での紹介」「ツーリストとの音声対話」ということが『Echo Spot』を介してできたら面白そうです。協業で、実際に何かできそうですね(後編へつづく)。

対談撮影/芹澤裕介

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