【レポート】AI時代の新ビジネスコミュニケーション ~CNET Japan Live 2018~

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【レポート】AI時代の新ビジネスコミュニケーション ~CNET Japan Live 2018~

2018年2月27、28日の2日間に、東京都千代田区にある御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターで、「AI時代の新ビジネスコミュニケーション」というイベントが開催されました。AIをキーワードにした、ビジネスでの活用事例が、さまざまな登壇者によって発表されたイベントです。

イベントでは、2日間で20社の発表がありました。そのなかから、この記事で紹介するのは、不動産テック領域のサービスを提供している、以下2社の発表内容です。

印象に残った発表を一部、ご紹介していきます。

リアルとAIの融合で「部屋の見える化」~未来の人生をデザインする~

ハウスコム株式会社は、全国に165の直営店舗を持ち、地域密着型の不動産仲介業を得意にしています。同時に、『mybox(マイボックス)』などの不動産テックサービスへ、前向きな姿勢で取り組む企業です。その理由の1つに、危機感があります。

代表取締役社長の田村穂氏は、長年にわたり、既存の不動産業界に危機感を抱く1人です。危機感を払拭するための策として、不動産テックへ取り組むことの重要性を田村氏は訴え続けています。

今回の発表では、『マイボックス』でのAI活用事例が紹介されました。『マイボックス』は、物件探しから契約までを完結したインターネット上のC向けサービスです。

利用者は、『マイボックス』を使うことで、「物件検索」「来店予約」「契約の手続き」などをインターネット上で済ませることができます。ほかには、チャット機能を使った、店舗スタッフとの部屋探し相談が好評なサービスです。さまざまな機能があるなかで、「見込顧客への再アプローチが効率化された」「LINEとの連動効果によって反響数が大幅に伸びた」事例として、AI物件検索機能の実績が紹介されていました。
同社は今回、登壇者としてイベントに参加していますが、主催者として不動産テックイベントを開催することも少なくありません。たとえば、2017年11月に主催したのは、「不動産テックこれからの不動産を考える」です。そのなかでは、大学生によるビジネスコンテストが開催されました。

ビジネスコンテストで同社が発表したのは、大学生のアイデアを事業化する、という取り組みです。田村氏は、学生たちのアイデアを不動産テックサービスとして高く評価したのです。

学生のアイデアを事業化する例のように、同社は、時代の潮流やトレンドを肌で感じる若者の感覚を大切にしています。「違い」をつねにポジティブにとらえ、新しさから学ぼうとする姿勢は見習いたいところですね。

SUMAVEでは以前に、同社の『マイボックス』を詳しく取り上げています。サービスの開発を指揮した安達文昭氏へ、インタビューを実施した記事です。「驚異的な利用率を達成した秘訣」「『マイボックス』に込められた同社の熱い思い」などの話をたっぷりと聞いています。未読のかたは、ぜひ、そちらもご覧ください。

“AI×住宅”が実現するスマートホームのその先~住民の行動を学ぶ家~

株式会社インヴァランスは、不動産レジデンスの開発をしている企業です。東京23区内に投資用物件を約100棟、アセットにして約1,000億程度の物件を開発してきた実績があります。2、3年ほど前より、IoT製品の開発にもたずさわり、『alyssa.』というアプリが利用者に好評を得ている企業です。

『alyssa.』は大きくわけると、以下3つの特徴があります。

  • 会員、オーナー、入居者がお金のことを勉強できる
  • オーナーが資産運用に活用できる
  • 入居者がスマホでIoT家電を操作できる

資料提供元:www.invalance.co.jp/

隙間時間にお金を管理するための最新情報をチェックできたり、オーナー向けに不動産投資のサポートをしてくれたりします。入居者向けの機能としては、スマホで以下のIoT家電を操作できる点が特徴的です。

  • 電子錠
  • 照明
  • エアコン
  • 床暖房
  • 給湯器

上記のような機能で、『alyssa.』は92%という非常に高いMAUを誇ります。MAUとは、1か月あたりにアプリを使う人の実態(Monthly Active Users)を表す用語です。「アプリをダウンロードしたけど、まったく使っていない」人を除外し、月ごとに、アプリやサービスにログインした利用者を的確に割り出せます。

92%は極めて高い割合であることから、「これまでは建物というハード面の開発に力を注いできたが、アプリなどのソフト面のサービスでも、利用者の満足度を向上させられることがわかりました」と、代表の小暮学氏は、『alyssa.』の成功に手ごたえを感じています。この感触を生かし、次なる一手として同社が取り組んだのは、『alyssa.』で実現したスマートホームをさらに進化させることでした。それが、AIマンション『CASPAR』です。

『CASPAR』は、アメリカのBrain of Things(ブレンオブシングス)社(以下、BOT社)が開発したサービスです。BOT社は、12年以上におよぶ人工知能の知見をもったAshutosh Saxena(アシュトシュ・サクセナ)氏と、スタンフォード大学で教授をしているDavid Cheriton(デービット・チェリトン)氏によって創業されました。

『CASPAR』の特長は、AIが装備されたスマートホームである点です。映像、音声、振動などの約80のセンサーが、人や人の周辺環境をセンシングし、室内の情報を集めます。下の画像は、同社が講演で使った資料です。

センシングした情報をAIが分析し、約32億通りあるとされる「人が室内でとるアクション」を演算して、住人にとっての最適な環境を瞬時に割り出します。特筆すべきは、以下の2つです。

  • 人が感じる「最適な環境」という、感性的な部分を満たせる点
  • 一人ひとり違う「最適な環境」を、入居者一人ひとりにあわせて満たせる点

たとえば、住人が掃除をするたびに窓を開けるとします。すると、『CASPAR』は、「この住人は掃除をするときに窓を開ける」を学ぶのです。学ぶと『CASPAR』は、住人が掃除機を使ったときに、自動でカーテンと窓を開けるようになります。入居者が1日に行なうデバイス操作の8割以上を『CASPAR』がサポートした、という、検証結果も報告されました。

2017年の後半から、スマートホームで注目を浴びているのは、『Google Home(グーグルホーム)』や『Amazon Echo(アマゾンエコー)』に代表される、スマートスピーカーでした。『Google Home』にはGoogleアシスタント、『Amazon Echo』にはAlexa(アレクサ)というAIが搭載され、重要な役割をはたします。

いずれの場合も、多くの焦点は、「入居者が離れた場所から操作できる」「利用者が音声で操作できる」ことでした。しかし、『CASPAR』は、人の操作そのものが不要になるという「最適な環境」を作り出します。スマートホームの在り方として、新しいカタチといえそうですね。

同社は、2018年4月より、『CASPAR』が導入された分譲物件を売り出す予定です。2018年3月現在は、BOT社と提携し、日本の5か所で実証実験に取り組んでいます。その目的として、「『CASPAR』を日本仕様として最適化させたい」という狙いが語られました。

※インヴァランスの講演資料は、同社の承諾を得たうえで使用しています。

まとめ

不動産テックの最新事情は、何をきっかけに新たなアイデア、サービスへつながるかわかりません。その架け橋となれるよう、今後も関連イベントをSUMAVEで取り上げていきたいと思います。


 

【登壇企業情報※記事内での紹介順】

ハウスコム株式会社

画像参照元:ハウスコム株式会社HP

※以下、同社ホームページより引用。

設立:1998年7月1日
代表者:田村穂
事業概要:不動産賃貸建物の仲介・管理業務・損害保険代理業


 

株式会社インヴァランス

画像参照元:株式会社インヴァランスHP

※以下、同社ホームページより引用。

設立:2004年5月
代表者:小暮学
事業概要:アセットマネジメント&コンサルティング、ディベロップメント事業、不動産売買・仲介事業、賃貸管理業、建物管理業、建築設計業、不動産流動化事業、建築工事および内装仕上工事業、損害保険代理業

 

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