やることをしっかりやれば、リピーターは必ず増えていく

川崎・横浜エリアを中心に、賃貸仲介・管理から売買など、不動産に関する幅広いサポートを行っている「株式会社ネクストハウス」。「常にお客様にご満足いただくこと」という目標を掲げ、丁寧でスピーディーな対応が魅力的な企業です。
今回は代表取締役社長の五條氏に、コロナ禍による賃貸事業への影響や、不動産テックの活用事例などを伺いました。
ネクストハウスの事業内容、コロナ禍による賃貸事業への影響について
五條氏:株式会社ネクストハウスの代表取締役を務めております五條 隼と申します。主な事業内容としましては、賃貸仲介、管理、売買仲介をしております。
SUMAVE:コロナ禍前後の来店や反響などはありましたか?
五條氏:コロナ禍前後で、来店の数は落ちていると思います。ただ、弊社は紹介やリピーターのお客様が多いため、そこまで減少率は高くなかったのではないでしょうか。去年は売買の業績がよく、売り上げが伸びました。
SUMAVE:コロナ禍で在宅時間が長くなっているなかで、顧客のお部屋に関する希望条件は変化しましたか?
五條氏:コロナだからといってそこまで大きな変化はなく、エリア等は変わりませんでしたが、広いお部屋を希望するお客様は増えたように感じます。仕事スペースと居住スペースを分けたいと考える方が多いですね。
お客様のアプローチの仕方に関しては、今まで通りにはいかなくなってきているので、リモート内見や現地集合などのスタイルを試しています。
SUMAVE:現地集合はあまり良くないと聞いたことがあるのですが、実際はどうなのでしょうか?
五條氏:やはりあまり良いとは思いません。インターネットに掲載されている物件は、すでに申し込みが入ってしまっている場合があります。また、広告に掲載されている物件はよく見えるのですが、実際に物件を見てみると広告のイメージと違い、契約に繋がらないというケースもあります。
集客や物件契約など一連の業務フローの流れ
SUMAVE:御社の業務フローで、集客はどのように行っていますか?
五條氏:集客に関してはポータルサイトへの広告掲載、既存顧客からの紹介や住み替えなどがメインで、ポータルサイトを経由するよりも、リピーターのほうが多いですね。既存顧客の知り合いからの紹介や、企業からの紹介もあります。
SUMAVE:空室確認はどのように行っていますか?
五條氏:空室確認は、店長主導で最新情報の中から良い物件があれば都度掲載しており、営業マン・管理会社と連携しながら行っています。
SUMAVE:内見対応はどのような流れで行っていますか?
五條氏:内見対応は、まず1番初めにポータルサイトを通じてお客様からメールか電話をいただき、来店予約をしてもらい、担当から追って返信をします。最近は、コロナの影響で来店数をできるだけ減らせるようにオンライン内見、IT重説を積極的に行っています。
ネクストハウスの不動産テック活用状況
SUMAVE:業務のなかでITツールを使用している状況をお伺いしたいのですが、お客様とのやり取りでLINEは使っていますか?
五條氏:LINEは3〜4年前くらいから使っていますね。来店予約や書類などを送るツールとして活用しています。メールを使う方が減って、LINEやSNSを使う方が増えてきたので、今後はそういったお客様への対応もしていく必要があると考えています。
SUMAVE:ほかにもITツールの活用はしていますか?
五條氏:従業員同士であれば、スケジュール管理に活用しています。お客様の探し方も昔と変わってきましたよね。昔は雑誌や現地の不動産会社を回って物件を探すのがスタンダードでしたが、今では検索ツールが充実してきたおかげで探しやすくなったと思います。
SUMAVE:これからは、支持される不動産と支持されない不動産が二極化しそうですね。
五條氏:そうですね。昔と違い、お客様に選んでいただく形になってきているので、積極的に自分たちの強みであったり、お客様の満足度を高めていったりすることが大切だと考えています。接客に対する意識を持ち、しっかりとやることさえやっていれば、お客様の満足度が上がり、紹介やリピーターの方は増えていくと思います。
SUMAVE:リピーターの方からの連絡は、ポータルサイトを通してくる形ですか?
五條氏:いえ、リピーターの方はほとんど直接電話やLINEをしてきてくれます。企業の紹介に関しても、同じように個人宛に電話やLINEでの連絡が多いですね。
SUMAVE:IT重説を導入されたのはいつ頃ですか?
五條氏:IT重説は、コロナ禍になってから本格的に取り組んできました。
SUMAVE:ITツールを使って、1日あたりどれくらいの業務削減に繋がりましたか?
五條氏:インターネットに物件の広告掲載をする際に、今までは物件を1つ1つ入力していたのですが、コンバーターで一括入力ができるようになったおかげで、例えば3件入力していたものが単純に1/3に削減されました。
削減できた時間で室内の写真を撮ったり、入力する物件の選別に使えるようになりました。
SUMAVE:ITツールの導入にあたって、課題や今後取り組んでいきたいことはありますか?
五條氏:契約書類の作成やインターネット入力、写真の掲載などをITツールを使ってなくしていければと考えています。
今後の不動産業界 求められている情報の透明性
SUMAVE:今後の不動産業界全体に対するIT化への意見があれば教えてください。
五條氏:我々不動産業界がインターネットの力を借りて、人が苦労している部分をうまくサポートしてもらいながらも、インターネットに依存することなく共存することが大切だと考えています。効率のいい提案の仕方や情報の透明性などを踏まえて、自社もフットワークを軽くして変わっていければと思います。
SUMAVE:本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
インタビュアー Rean Japan 高橋将人