コロナ禍で神奈川全域の引越し需要が急拡大?

株式会社ロッキーズは、横浜駅から徒歩3分。横浜はもちろん、藤沢、小田原、鎌倉など神奈川県全域で不動産仲介及び売買を行っています。このコロナ禍では、テレワークなどの影響により「少しでも住環境を良くしたい」「通勤が週1になったので憧れの街に住みたい」というお客様が都内から数多く来店されたそうです。
今回は、佐藤氏にインタビューを行い、不動産テクノロジーの導入事例やコロナ禍における需要の変化や今後の展望について伺いました。
■株式会社ロッキーズの会社概要及び事業内容
SUMAVE:御社の事業内容を教えて頂けますか?
佐藤氏 : 株式会社ロッキーズ、賃貸専門店横浜SUMU-SUMU代表の佐藤と申します。不動産仲介をメインに物件管理や売買も行っています。
弊社が目指しているのは「地元密着型」の営業。神奈川区、西区、中区など自分達が実際に住んだことのある地域の「美味しいラーメン屋さん」や「スーパーの特売の時間帯」「環境の良い公園」などお客様にとって役立つ生きた情報を提供し、お部屋探しをサポートしています。また、弊社が目指すのはスピーディーな対応と、充実した物件写真で他社との差別化。横浜以外にも、お客様からのご要望があれば、藤沢、小田原、川崎などの神奈川県全域と大田区など広範囲にわたって紹介しています。
■神奈川県全域で需要拡大?! コロナ禍の業績の変化
SUMAVE : 今回のコロナ禍で、業績などに変化はありましたか?
佐藤氏 : 本来繁忙期であるはずの2020年1〜3月は、あまり忙しくありませんでした。ところが、最初の緊急事態宣言後、例年では閑散期であるはずの6月と12月に多くのお客様にお越し頂き、結果的には前年よりも売上が増加しました。
SUMAVE : 業界全体では特に横浜の業績が良かったというお話をお聞きしますが、実際にはいかがでしたか?
佐藤氏 : 横浜だけでなく、神奈川県全域の需要が増えたという実感があります。藤沢、鎌倉、小田原など、今までは、日々の通勤を考えて断念していた「憧れの街」に、テレワークをきっかけに是非住んでみたいというお声を多く頂きました。また、緊急事態宣言後は「テレワークをしているけれど子供がいて仕事にならない。今すぐもう一部屋欲しい」などの理由から、引越しを希望されるお客様が急増しました。横浜の家賃は決して安いとは言えませんが、都内に比較するとかなり安くなります。同じ家賃を払うのであれば、少しでも部屋数が多く広い部屋に住みたいという需要が後押しした結果だと思います。
SUMAVE : 広い部屋に住みたい以外にどのような要望がありましたか?
佐藤氏 : コロナ禍で家にいる時間が増え、趣味で楽器を演奏したり、YouTube動画を撮影するために、防音効果のある鉄筋コンクリートマンションの需要が高まりました。確かに、木造アパートでは音が漏れますよね。実際にコンクリート壁を叩いて確かめるお客様もおられた程です。
他に、面白いなと思ったのは「スーパー銭湯の近く」という要望です。家賃が安くなる分を毎日の銭湯代に充てるので、家のお風呂は小さくて構わないとのことでした。また、「オンライン会議でカメラにお部屋が映った際の見栄えをもっと良くしたい」と引越しを希望するお客様もいらっしゃいました。要望はそれぞれ違いますが、コロナ禍において「住環境をもっと良くしたい」という需要が共通しているのではないでしょうか。
■オンライン内見のこだわり、業務効率化の実績
SUMAVE : 御社の業務フローと導入されている不動産テクノロジーについて教えて下さい。
佐藤氏 : 集客は自社ホームページとSUUMOさんを中心にWebで行っております。弊社がこだわっているのは豊富な物件写真。数枚程度の写真では、実際にどんなお部屋なのか、周辺の住環境など詳細が分かりません。ですから、お客様が「見たい、知りたい写真と動画」を数多く用意しています。
オンライン内見に関しては、LINEのビデオ通話を利用し、ご来店頂けない遠方のお客様に対応しています。弊社のオンライン内見は、お部屋の中だけでなく、建物に入る前からスタート。お客様がお部屋を決めた後に「こんなはずではなかった」ということのないように、周辺環境まで細かく見て頂くことを心がけています。
SUMAVE : LINEは全員で情報共有されているのですか?
佐藤氏 : 公式アカウントを使って、スタッフ全員で内容を共有しています。お客様の担当は決めますが、お互いにフォローしながらスピード感を持って対応しています。公式アカウントは昨年導入しましたが、お客様とフランクに対話が出来て「この条件に合う物件はありますか」「この地域で良い物件はありますか」など気軽に質問して下さるので非常に重宝しています。
メールとLINEと電話の比率は7対2対1。電話に出られないお客様も多いので、LINEやメールが多くなる傾向があります。利便性だけでなくセキュリティ面を考慮し、重要なデータに関しては、LINEではなく暗号化してメールで送るなど住み分けを徹底しています。
SUMAVE : LINE以外にも、不動産テクノロジーを利用して効率化している業務がありましたら教えて下さい。
佐藤氏 : 物件情報の入力は、以前は15〜20分かかっていましたが、現在は1分程度で完了するようになりました。3営業日程の時間が短縮されたことになります。この時間を利用して、物件に足を運び写真を撮ることに力を入れています。最近は、ネットで物件を調べ尽くしてからご来店されるお客様も多いので、プロとしての腕が試されています。とにかく事前準備は欠かせません。また、限られた広告費で他社との差別化を図るために、お客様が見たいと思う写真を数多く掲載することを心がけています。
■不動産業界とテクノロジーに関する今後の展望について
SUMAVE : こんな不動産テクノロジーが欲しいという希望と、御社の今後の展望について教えてください。
佐藤氏 : Web内見が必要なお客様に対して、パノラマ撮影などでお部屋の雰囲気が一目で分かるようなサイトがあると嬉しいですね。そのようなサイトを作成している業者さんもいますが、お部屋は改装などで変化しますし、充実した内容にするには、かなりの機動力が必要なのかもしれません。また、リアルタイムで全ての物件を一括で空室確認できるサイトがあれば非常に助かります。
今ある様々なサイトやツールを一本化することで、不動産業界全体がお客様に充実したサービスをスピーディーに提供出来るのではないでしょうか。今後もテレワークの浸透により、神奈川全域への引越し需要は続くと考えられます。少しでも多くのお客様に、快適なお部屋を素早くご紹介するために、新しい不動産テクノロジーを積極的に取り入れ活用していきたいです。
インタビュアー Rean Japan 高橋将人