「語学力×不動産テクノロジー」外国人のお客様も強力にサポート

「お部屋探しならじたっく」は、自宅のような安心感・お客様も家族のように親身になって接することをモットーに池袋で賃貸仲介を行っています。店舗責任者を務める青木氏は、新しいテクノロジーを次々と取り入れるだけでなく、語学力を生かした接客で外国人のお客様からも喜ばれています。
今回は、青木氏にインタビューを行い、不動産テクノロジーの導入事例やコロナ禍における変化、今後の展望について伺いました。
お部屋探しならじたっくの会社概要及び事業内容
SUMAVE:御社の事業内容を教えていただけますか。
青木氏 : 賃貸仲介をメインに管理物件も取り扱っております。本店は創業25年の不動産会社。賃貸に特化した店舗を新たに作りたいという経緯から弊社が誕生しました。本店での長いお付き合いのあるお客様はもちろんですが、語学留学や現地でのシェアハウス運営で培った生きた英語を生かして、海外から日本にいらっしゃったお客様のお引っ越しをサポートさせて頂いております。
不動産事業におけるコロナ禍、コロナ前での業績の変化について
SUMAVE:御社の不動産仲介事業でコロナ禍、コロナ前での変化を教えてください。
青木氏 : 弊社が店舗を構える池袋は大学生の多い街ですので、コロナ前に比較して、引っ越し自体が2割程度減少しました。大学の授業がリモートに切り替わったことで、上京を見合わせる学生さんが多かったせいではないでしょうか。コロナ禍では「外出は怖いので来店は控えたい」というお客様の気持ちに寄り添う形で、オンライン内見やIT重説を活用しました。
SUMAVE:オンライン内見とリアルな内見では、どちらがやりやすいですか。
青木氏 : やはりリアルな内見の方がやりやすいです。オンライン内見では、お客様に広さの感覚を掴んでもらうために細かく寸法を計る作業をします。お客様には喜んで頂けますが、かなりの時間が必要となります。また、オンライン内見では最低20分はかかりますが、リアルな内見は早い方では5〜10分で決められるので社員の負担は少ないです。
お部屋探しならじたっくの運営方法や強み
Googleレビューによる外国人の集客
SUMAVE:外国人のお客様が多いとお聞きしましたが、どのようにして来店されるのですか。
青木氏:Googleレビューの評価やコメントを見て来店されるお客様が多いです。弊社は日本語が全く分からないお客様には、物件探しから契約まで全て英語で対応しております。過去に来店された方のレビューをご覧になって「外国人もしっかりサポートしてくれるお店なんだ」と数多くのお客様が来店されています。
SUMAVE:外国人のお客様への接客で苦労はありますか。
青木氏:言語そのものより、日本特有の文化を理解頂くことが難しかったです。例えば「礼金」は日本人にとっては馴染みのあるものですが、外国人の方にとっては異文化です。ですから「何のためになぜ礼金を支払うのか」を説明しなければいけません。そういった苦労はありました。
SUMAVE:レビューは皆さん書いてくれますか?
青木氏:強くお願いしなくてもみなさん書いて下さいます。一般的に不動産営業では、約1日かけて色々な物件を見てまわります。接客時間が長く高額なので、他の業種よりも評価は高くなりやすい傾向があります。だからこそ、星の数よりレビューの中身が大事。星が5つでもコメントが「ありがとうございました」だけでは店舗を探すお客様に伝わるものが何もありません。本気で「ありがとう!!」と感じたら、当然コメントも長くなりますよね。弊社のレビューは星の数はもちろんですが、コメントの内容が濃くボリュームがあるので、お客様に評価して頂いていると自負しております。
SUMAVE:お客様から高い評価を頂くために心がけていることはありますか。
青木氏:弊社はお客様を個別に担当するのではなく、チームで担当しています。担当を決めてしまうと、他のお客様の対応をしていたり休暇中だった場合に、お待たせするなど不備が生じてしまいます。しかし、チーム制ならば手が空いている者が素早く応対できるのでお客様をお待たせすることはありません。また、売上を競い合うのは悪いことではありませんが、お店全体のギスギスとしたネガティブな雰囲気はお客様にも伝わります。「みんなで一致団結してお客様のために頑張ろう」という雰囲気こそ弊社の強みであり、それがGoogleレビューでの高い評価につながっています。
不動産業界とテクノロジーに関する今後の展望について
SUMAVE:5年後、10年後の不動産テック、賃貸仲介はどうなっていくと考えていますか?
青木氏:どの業界もそうですが、営業という職種がなくなることはないと思います。弊社はオンライン内見やIT重説はいち早く取り入れてきました。しかし、単純にテクノロジーを導入して終わりではなく、営業にどう生かすか、他社との差別化をいかに行うかが今後の鍵になると考えております。
SUMAVE:業界全体として、テクノロジーの導入が他の産業と比較して遅れているという意見が多いですが、青木さんはどうお考えですか。
青木氏:年配の方が多い業界ですから「今のままで良い」という方も多いので、自然と遅れてしまうのではないでしょうか。さらに、物件のオーナーさんは高齢の方が多いため、テクノロジーの導入が厳しいので、間に入る管理会社がカバーする必要があると思います。
SUMAVE : 御社で「これは他の店舗でもやってみて欲しい」というテクノロジーがあれば教えてください。
青木氏 : 来店前の「オンライン接客」は是非取り入れて頂きたいです。弊社では、コロナ禍での来店時間を少しでも短くするために、事前のヒヤリングをオンラインで行っております。15〜20分という時間ではありますが、お客様の潜在的な希望まで組み込んだ物件をご紹介できるので、大変喜ばれております。今後も続けていきたいと思っています。
SUMAVE : 業界として「もっとこんなテクノロジーがあれば良いのに」というものがあれば教えてください。
青木氏:物件確認にかかる時間や手間を簡略化して欲しいです。現在、SUUMOさんなどのポータルサイトなどに掲載されている物件を1日に100〜300件以上を毎日確認しています。半数はネットで調べますが、それ以外は直接電話をしなければいけません。契約が終わっている物件を掲載し続けると「おとり物件」になってしまうので手間暇がかかっても必ず物件確認を行っています。このような手間を減らすような、ポータルサイトと連動して「ここを見れば全ての物件情報が分かる」という統一されたツールが将来的に導入されることを期待しています。
不動産テクノロジーは業界全体の利便性を高める一方で、透明性をより高めるという側面もあります。良くないことをすれば即座にお客様からのレビューに反映されてしまいます。目の前のお客様のために出来る精一杯のことをやる。それが、日本人だけでなく海外のお客様の心にも届いて良い結果につながる。そう信じています。
インタビュアー: Rean Japan 夏目 力