不動産テック活用事例と不動産業界は今後どう変わっていくのか?

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不動産テック活用事例と不動産業界は今後どう変わっていくのか?

東京都の葛西エリアを中心に、地域に根付き、貢献できる不動産会社を目指しているF・リンクホーム株式会社都心から少し離れたエリアならではの魅力や物件情報を掲載しています。

今回は、代表取締役社長の彦田氏に不動産テックの活用方法や、導入事例などを伺いました。

F・リンクホーム株式会社の事業内容、コロナ禍による賃貸事業への影響について

彦田氏:東京都江戸川区にございますF・リンクホームの代表をしております彦田と申します。弊社はメインで不動産の賃貸仲介業、管理業を営んでおり、地域に根ざした不動産管理、不動産仲介をしておりますので、いつでも気軽にご相談ください。

メインのエリアは葛西地区なのですが、ご希望があれば他のエリアにある物件もご紹介可能です。

SUMAVE:ありがとうございます。コロナ禍における賃貸事業の動向について教えていただけますでしょうか。

彦田氏:コロナの影響はあまり感じておらず、2019年の業績と比べると徐々に上がってきており、2020年の業績と比べると現段階で微増という状況です。葛西エリアは都心エリアへのアクセスがしやすい反面、都心エリアよりも緑が多いため、コロナウイルス収束後を見据えて住みやすくアクセスがしやすい方が良いという方が増えてきているという印象です。

SUMAVE:葛西エリアはインド人が多いと聞いたのですが、いかがでしょうか?

彦田氏:そうですね。インド、ネパールの方が非常に多いのですが、2020年の5月ごろからそういった方の問い合わせが少なくなりました。コロナの影響で入国自体ができなくなったのが原因だと考えています。

SUMAVE:コロナ禍の影響で在宅ワークが多くなっていますが、お部屋の需要の変化はありますか?

彦田氏:今までは2Lが多かったのですが、書斎として使えるような小さい部屋が欲しいという方や、お子様と遊ぶ時間が増えたため遊べるスペース、公園に近い物件に対するニーズは増えています。葛西エリアは都心エリアよりも家賃が安いため、その分間取りを増やそうと考えるお客様は多いです。

SUMAVE:コロナ前とコロナ後の業務フローに変化はありましたか?

彦田氏:コロナ禍によりIT重説、Web内見が増えてきました。元々遠方のお客様には同じようなことをしていたのですが、都内や近場に住んでいる方からの需要も増えています。

SUMAVE:不動産業者によっては、YouTubeに部屋のなかの様子をアップしていますが、御社はそういった取り組みをしていますか?

彦田氏:4月から今までに30本くらいの動画を制作しています。内見したお部屋と似たような間取りがあった場合、YouTubeの動画をお客様に見せて提案をしています。内見の際に雨だった場合でも、YouTube上のお部屋を見れば晴れているときの状態がわかっていただけるので、とても重宝しています。

不動産テックの活用状況 電子契約システム導入の課題

SUMAVE:御社の業務において、不動産テックをどのように活用しているのか教えてください。

彦田氏:内見、契約に関しては、Zoomを使って行っていて、モニター越しで契約内容をご確認していただき、納得した上でご契約という形をとっています。

また、YouTubeも活用しており、主にお部屋の動画をアップしています。最終的にはアナログの部分を減らしていき、不動産テックを使っていこうと考えています。インスタグラムやFacebookなどのSNSに関しては、リアルタイム情報の更新や、広告用に使っています。

SUMAVE:不動産テックを導入する上で難しかった点はありますか?

彦田氏:Zoomで打ち合わせをする際に、Zoomがどれくらい浸透しているかわからなかったので、本当に使えるのかという不安や抵抗がありました。

SUMAVE:顧客データを活かした戦略策定はしていますか?

彦田氏:いただいたデータを元に、年代によって違うお部屋の好みに合わせた提案ができるようにしています。

SUMAVE:来店される顧客はどういった経緯で御社を知ることが多いのでしょうか?

彦田氏:ポータルサイトを経由して訪れるお客様が9割ですが、ポータルサイトに支払っているコストをできるだけ削減したいと考えていて、今後、弊社としてはポータルサイトを経由しない方法を模索しています。

SUMAVE:現時点で不動産テックが導入できていない業務はありますか?

彦田氏:Web申込、電子契約ツールをいつかは導入したいと考えていますが、高齢のオーナー様は昔ながらの判子をついた契約のほうが安心するという方が多いため、なかなか導入が進んでいません。

また、VRを使った内見も導入できておらず、お客様がVR機材を持っているかによってできるかできないかが変わってくるので、現状では導入しにくいと感じています。

SUMAVE:若いお客様も多いと思うのですが、高齢のオーナー様に対して不動産テックを提案するのはなかなか難しいことなんですね。他にも不動産テックに関して課題に感じていることはありますか?

彦田氏:不動産テックが活用できない大きな要因としては、不動産業界全体のITツール導入が遅れていることだと思います。契約の簡略化を国が先導して行ってくれるといいのですが、実現にはいろいろな弊害があるため、不動産業界全体で課題について話し合うことが大切だと思います。

不動産業界のIT・デジタル化は今後どう変わっていくのか?

SUMAVE:今後、不動産業界のIT化に関して意見などはありますでしょうか?

彦田氏:不動産賃貸業に関するデータがエンドユーザも見られるような環境を作ることで、お客様の契約や行動なども早くなっていくと考えています。コロナ禍により、今まで以上に不動産業界は変わっていく必要があり、変わっていくための手段や方法を考えていくことが大切だと思います。

SUMAVE:本日はお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

インタビュアー: Rean Japan 高橋将人

■本記事の動画はREAN JAPAN YouTubeチャンネルにて公開中!

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