退去業務をオンラインで/BPM利根川諒氏をクローズアップ

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退去業務をオンラインで/BPM利根川諒氏をクローズアップ

はじめに

2021年216日に実施された不動産テックウェビナー『退去立会は無くせる。PBM業務の手間を90%削減する方法!』より、建物メンテナンス業務用のシステム開発をしているBPM株式会社の利根川諒氏を取り上げます(画像下)

ウェビナーの主催は、不動産特化DXソリューションを展開している株式会社UPDATA(旧・ダイヤモンドメディア) 社です。早速、ご覧ください。

BPMとは

 画像出典元:https://bpm-gr.co.jp/


利根川:はじめまして、利根川と申します。本日は、よろしくお願いいたします。簡単に自己紹介をさせていただくと、私は、もともと、航空会社にいまして。2014年からBPMにジョインしました。そのあと、管理会社さんとの付き合いが多くなり、退去立会から原状回復工事を一気通貫でやらせていただくように。いまも、それをずっとつづけているような施工会社のような一面もございます。創業からずっとシステムを作りたいなと思いまして、2018年に、VCから出資を得て、Qosmos(コスモス)を開発しました。

画像出典元:https://bpm-gr.co.jp/qosrepo


利根川:退去立会や設備点検などについては、当社の関連会社さんの調査ですが、書類やホワイトボードで案件管理が多く、これを、どうにか解消したいなという思いでシステム開発しています。従来の作業がアナログであったために、無駄なコストがたくさんかかっています。


利根川:ここに書いてあるのは、私たち自身がシステム開発前に経験してきたことです。写真のとり忘れで、何度も現場に行かないといけない、品番がわからないとか。ここをデータ化し、しっかりと蓄積して、あとからでも使えるようにしたいと思っています。でも、なかなか、そこを構築できるシステムはないと。現場からのデータ収集をメインに、長期的な目線でも、メンテナンスコストを減らすような活用をしたいなあと思っています。DXという言葉は、かなりはやっていますが、大事なことは、現場からの情報をいかに収集するかです。かつ、正しい情報を現場の職人さんが知っているという。現場が使えるシステムを目指しています。


利根川:当社が提供しているプロダクト、Qosmos(コスモス)の開発コンセプトは、メンテナンス現場を支援するクラウド型CMMSサービスです。コスモスは、写真報告ツールという位置づけです。現場の写真をリアルタイムで収集して、状況にあわせて出力するという作業に特化しています。こういうツールは世の中にたくさんありますが、現場でアプリをダウンロードしておかないと使えなかったり、いろんな元請けさんによってはシステムが違ったりして報告ができないとか。データがしっかり集まらないという現象が起こりがちです。実際、私たちの現場で職人さんに使ってもらっていますが、月に数回しか入らない職人はアプリをダウンロードしてくれないということはよくあります。毎日入る職人さんはよいですが、そこにギャップが。そこで私たちが選んだのが、URLを共有するシステムです。そのURLを踏んでさえもらえば、すぐに共有できます。URLベースにしたことで、社外の協力会社さんであっても、月に数回しか入らない職人さんであっても、すぐに報告できるようにしました。


利根川:使いかたは簡単です。管理者が案件を起票し、URLを発行します。それを現場側にメール、ライン、ショートメールで送ることができます。受け取った現場は、そのURLをタップして、開いた画面に報告内容を記入します。報告が完了したら、管理者側に通知がいく仕組みです。写真などの報告書の編集も可能。コスモスはカスタマイズが自由にできます。いろんな業務に対応できるテンプレを作成できますから、それぞれの会社さんごとに、チェック内容に合わせた報告ができます。会社さんごとに、ドラッグ&ドロップで、すぐにテンプレを作ることができるのはメリットの1つです。写真の報告書を作ってPDF化するなども簡単です。現在、お使いの書式を読み込ませることで、はきだす報告書の設定を自由に変えることができます。幅広い業務にお使いいただけると思います。


利根川:定期清掃、巡回点検、現地調査、工事、入居者対応などなど。入居中の対応としてもコスモスをお使いいただけます。URLベースで発行できるので、それをQRコードにして、入居者さんに使ってもらうとか。退去立会や設備点検でも活躍していますので、もう少し、退去立会を例に挙げてご説明します。


利根川:私たちは、オンライン立会と呼んでいて、私たちは、退去立会のアウトソーシングをしています。実際に、入居者さんとの交渉をすることもあります。退去立会は対面でやるものですが、昨年のコロナ禍において、「対面を減らしたい」というニーズを周囲の管理会社さんからお聞きしています。立会を対面でやらないのだとしたら、それは不在立会ということで、空室の状態をチェックして、あとから電話で交渉するなどがあります。そうなってくると、電話での交渉になるので、入居者さんに床の傷を報告しても、「それ、どこですか」「クローゼットです」というやりとりをつづけなければいけません。時間を要する悩みを抱えているわけですね。そこで、こうしたオンライン立会のような解決策を考えました。コスモスの特徴として、写真とコメントをセットで報告できる点があります。それを生かしながら、いまでは、完全オンラインでの、退去立会の専用のフォーマットもあります。


利根川:空室状態を管理会社のかたが現場でチェック。写真をとって、「クロスの補修のためのいくらいくら」「トレイのよごれのためいくらいくら」「合計でこの金額です」という細かい報告をすることがでます。故意なのか過失なのか、修繕方法について、金額などをこちらに入力登録します。画面の一番右には特約事項の欄も。原状回復費用の合計も税込みで表示することができます。そうすると、アウトソーシングの場合、私たちのような業者が報告をするという流れです。入居者さんへの結果報告のためのURLをこちらで発行します。それを入居者さんに確認してもらうことができる仕組みです。ショートメールなどでURLをタップした入居者さんには、確認画面がそのままでてきます。写真とコメントを開き、「この部分のクロスが、はがれている」「CFが汚れているので、いくらです」「原状回復費用がこの額です」という清算内容を確認してもらい、電子サインですね。


利根川:これを登録、完了すると、管理会社様のほうでサインを押され、確認画面が出てきて、清算手続きに進めるようになっています。こうすることで、これまで対面でやっていた退去立会を非対面で実施することができます。それだけではありません。写真とコメントで修繕箇所を関係者全員が共有できるため、「現場で交渉しなければならない」という時間的な制約から解放されます。これはとても大きなメリットです。自社で管理会社様が立会をしている場合もありますが、お約束した時間に現場に行くとなると、移動だけで結構なコストになります。アウトソーシングすることで、そのコストがなくなる。退去に立ち会うとなれば、業者さんは、一日にまわることができて、一人で4件くらいが限度だと思います。移動時間を考えると、それくらいがせいぜいです。しかし、非対面で退去立会が完結できますから、時間のしばりがなくなる。5件、6件とまわることができますから、1つの工事会社さんの立会件数を増やせます。人手不足による現場の生産性向上は、どの業界でも課題になっていますが、不動産業界においても、オンライン立会によって生産性を大幅に高めることができます。


利根川:無理のないスモールスペックでのDX化を時代にそくしたかたちで提供したいと思っています。現場が使えて、現場からデータが集まるのがコスモスです。

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