【ピックアップ記者会見】GA technologiesがModern Standardを完全子会社化

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【ピックアップ記者会見】GA technologiesがModern Standardを完全子会社化

はじめに 

株式会社GA technologies(GA)が、高級賃貸領域のリーディングカンパニーである、株式会社Modern Standard(以下、MS)を完全子会社化しました。2019年12月9日の出来事です。MSのGAグループ会社化というニュースは、東京都千代田区にある、丸の内トラストタワーにて発表されました。当日は、GAの代表取締役社長CEOである樋口龍氏(画像下左)と、MSの代表取締役である松田啓介氏(画像下右)の両名より、本件についての説明がありました。そのときの模様をSUMAVEのSNSでフォトレポートしたのですが、このニュースが翌日以降の取材先で何度か話題に。関係者からの関心の高さを考慮し、記者会見当日の内容を本記事で取り上げたいと思います。

MSの経営権取得について

樋口:MS社は、業界最高水準の高級賃貸メディアを持っています。特に、東京都港区にある、赤坂、青山、麻布の3Aエリアに強い。MSのメディアは、月間100万PVを超えています。

樋口:会員については、『RENOSY(リノシー)』が約6万人、MSが約7万人です。GAグループ全体で2.2倍になると見込んでいます。13万人の会員を抱えることになり、これがRENOSY事業の成約件数を牽引するであろうと考えています。

樋口:MSの特徴は、顧客の年収です。契約顧客のうち、42%が1,000万円以上と、契約者のなかでも高所得者が大きな割合を占めています。この事実は、高級賃貸エリアでのユーザー認知度の高さでもあります。

樋口:また、私たちが活用しているような社内システムをMSのセールスパーソンに使ってもらうことで、セールスパーソン一人当たりの生産性を高めることもできるはずです。さらに『RENOSY』とMSとで、クロスセルを達成できる点も見逃せません。不動産売買の顧客に投資不動産の案件を提案するなどです。この親和性はとても高い。

樋口:不動産テックが最初に盛り上がったのは2013年前後だったと記憶しています。当社が設立したのもそのころです。当時から私たちは、ネットとリアルをワンストップでやるというビジョンを掲げていました。しかし、MSは、私たちよりも約4年も早く、ネットとリアルの2つの世界に着手しています。いわば、先駆者です。MSへの私の認識とはそうしたもので、GA technologies創業当時から、「いつか、一緒にやりたい」という思いを抱いていました。高級賃貸という分野でメディアを立ち上げ、ワンストップでやっている会社はありませんでしたから。そのキーワードで物件を検索したとき、確実に、MSのサイトが上位表示されます。

樋口:「MSが築いたブランドに伍するものを」そう考えると、私たちがゼロベースで自社メディアを立ち上げれば、5年10年という年月がかかるでしょう。この先行者利益は大きく、そのメディアパワーをRENOSY事業へ展開することができるようになるわけです。私たちの不動産売買、実需や投資の領域でも、非常に生きてきます。私の隣に座る松田(画像下右)は、ネットとリアルのどちらにも豊富な知見を持つ人物です。ゼロから高級賃貸というメディアを立ち上げ、実績を作ってきた彼と、今後、GAグループで一緒にやらせてもらうことになりました。GAとMSの双方にメリットがあり、お互いの強みがお互いに効果を生み出すと確信しています。

樋口:今回のM&Aは、3か月や半年という期間で考えたわけではありません。私はGA technologies創業当時からMSをベンチマークしていたのです。

このサイトが当社にあれば、より、当社の事業をグロースできるのに。いつか一緒にやれたら

樋口:そんな目線でずっと考えていました。私たちとしては、非常に心強い仲間がグループに加わったと思っています。

Modern Standard代表取締役・松田啓介がGA technologiesを選んだ理由を語る

記者会見での質疑応答、記者会見後の個別取材などをまとめました。これを松田氏の思いとしてご紹介しておきたいと思います。

Q:GA technologiesグループの一員になる過程には、どんなことがありましたか?

松田:さきほど、樋口から説明がありましたが、GA technologies設立当初より、当社をベンチマークしてもらっていたことがあり、以前より何度か、ご挨拶させてもらっていました。当初は、GA technologiesが何をしたいのかわからずという状況でした。でも、話を聞いていくと、自分たちがやりたいことと、すごく似ていることがわかってきて。私たちが目指す世界観を実現するだけのリソースも、すでにGA technologiesは持っていました。

これなら、自分たちの思い描く世界を本当に実現させられるかもしれない

松田:そんな想像をすることができたのです。道のりは、決して平たんではなく、GA technologiesだけで取り組んだとして、たとえば10年かかるとしたら、MSだけで取り組んだとしたら、もっとかかる。そう感じたとき、樋口から次のようにいわれました。

早く、やらなくていいのか

松田:私にとって、核心を突く問いでした。それでも、自分は創業経営者として、「高級賃貸は自分たちの領域だ」という自負を持ち、従業員たちと事業計画をたて、懸命に取り組んでいたわけです。そこには、自分以外の仲間と取り組むという葛藤が生まれるわけですよね。でも、樋口のその問いで、

もっと、社会にとって、本当に意義のあるMSのサイトというものが実現するなら

松田:そう考えたとき、どんな選択をすれば、より早く、不動産テックの領域で自分たちが成果をあげることができるのかが、テーマになっていきました。当然ながら、売却の話を進めるにあたって、GA technologiesのエンジニアとも会話を繰り返しました。私たちが、事業をやっていくうえで、エンジニアを社内に常駐させることは、とてもコストがかかることです。サードパティーと、いかに、上手なアライアンスを組んで事業をするかはとても重要です。GA technologiesにいるエンジニアのみなさんは、とにかく、体験したことないスピード感で話が早い。やりたいと思う部分をロードマップにして見せれば、すぐに、フィードバックが返ってきます。

このスピード感で事業を発展させることができたら、樋口のいうことが、本当に、ものすごい速度で実現するかもしれない

松田:この想像は、とてもポジティブな未来を私に思い描かせてくれました。樋口とは、何度も繰り返し、話しては自宅に持ち帰って考えるということをするなかで、あるとき、ふと、最良の決断だと確信できるモノが降りてきました。

このカタチが一番、よいのではないだろうか

松田:そう確信して、樋口のところへ相談に行くという流れでした。

Q:「一番よいのでは」という決断とは?

松田:売却です。

Q:その決断に至った、決め手を挙げると?

松田:一言でいうと、樋口さんですね。樋口さんのパワー。あとは、エンジニアの人たちと話したときの会話に、感じるモノがありました。圧倒的に話が早いです。繰り返しになりますが、GA technologiesのビジョンやエンジニアの人たちの話を聞けば聞くほど、MSが自社でやろうとしいていることと、すごく似ているというか。一人当たりの顧客の売上をいかに高めるかとか、いかに収益の機会を増やすかとか。これを私たちが、外注でやるのか内製するのか。このテーマで考えたとき、内製することへの負荷が大きかったわけです。この課題は、MSの社内でも日常的な議論としてありました。

テックにたずさわることができる人材の数が圧倒的に少ない

松田:だから、外部から人を呼んできて、事業に参加させるという形態をとっていたんですが、これだとなかなか難しいです。でもGA technologiesなら、私たちが、「ほしいな」と思っているリソースをすでに確保しています。同時にGA technologiesが、「ほしいな」と思っている部分を私たちが持っていた。お互いが、「ほしいな」と思っていた部分は、お互いが“自分たちの強み”として持っていたのです。強みを生かしあえる相手であると感じることができたことが、私に決断を後押しさせた要素の1つかもしれません。

Q:GA technologiesの強みを松田さんはどう考えていますか?

松田:いくつかあります。当社に“アプローチしていただいた会社”は、ほかにもいました。彼らは、「これからテックに力に入れたい。力を貸してくれないか」という話でした。でも、GA technologiesは十分にテックに力を入れていて、かつ、収益の柱が私たちのように賃貸ビジネスではありません。その点は、エンジニアへの投資にGA technologiesが力を入れることができる背景にもなっています。第3四半期までは、人材投資を続けることができる会社と、そうではない会社とでは、圧倒的な違いがあります。そんな会社のTOPである樋口と会話を繰り返すことで、腹落ちしたというか体感的にわかったというか。

Q:直感した?

松田:そうですね。MTGというか、打ち合わせを繰り返すうちに、「この速度はちょっと違うな」と感じるわけです。

このスピード感は、外注で優秀なベンダーで人を集めてやったとしても絶対に真似できないだろうな

松田:そんなスピード感です。

Q:「自分たちのココを一番、GA technologiesに気に入ってもらえている」という部分を挙げるなら?

松田:高級賃貸というキーワードでの認知度ですね。なかなか、数字では表せないんですが。

Q:認知されていると感じる理由は?

松田:いろいろあります。私たちは、社会的に問題を起こさないビジネスを粛々とやってきました。これまで私たちが大事にしてきたところは、お金にならない部分だとも思っています。すべてが収益となってMSに戻ってきたとも思っていません。

Q:たとえば、大事にしてきた部分とは?

松田:代表的な例を挙げると、ステークホルダーからの評価です。三井不動産さんや東急住宅リースさんなどの大手といわれるデベロッパーより、おかげ様で「来年も、よい取引をしましょう」と、毎年、高評価をいただいております。

Q:高評価につながっている背景を教えてください。ポイントを挙げるとしたら?

松田:さきほどもいったように、粛々とビジネスに取り組んでいる点だと思います。

Q:粛々とは、たとえば?

松田:たとえば、私たちは顧客の審査書類を絶対に改ざんしません。これは当然のことですが、賃貸業界では、残念な事例がまだまだ少なくありません。それが当社では一切、通用しない。その弊害として、“手っ取り早く稼ぎたいエージェント”が、すぐに当社を辞めていきます。ですが、私たちとしては今後も、当たり前のことを当たり前に続けていきます。馬鹿正直に10年近く、当然のことをやってきたわけですが、これが結果的に、いまのMSのブランドにつながったと思っています。

Q:どんなブランドなんですか?

松田:言葉にすると難しいのですが、ユーザーからの認知を表すような、面白い現象が起きています。審査の段階で問題が発生するような顧客さからの問い合わせ案件は、極めて少ないのです。この事実は、いまのところ、「ユーザーが、そういう認知をしているから」としか説明がつきません。エビデンスを持って説明するのが難しい状況で、なかなか、信じていただけないのですが、不思議なことに、そういうことが起きています。

Q:身元がハッキリしていて、与信をしっかりと証明できるような人が集まるサイトであると?

松田:結果的にそうなっています。そういうイメージを顧客が持ってくれていて、MSの設立から10年近くで、そのイメージが世間に浸透したようです。これは、私たちが意図して取り組んだことではありません。誤解のないように付け加えると、そうした人をどうこういうつもりも、まったくないんです。ただ、本当に不思議なんですが、そういう現象が起きています。彼らも物件を探すとき、当社のサイトを利用しているのでしょうけど、結果的に当社に問い合わせはしてこないんです。水商売関係の人がよく利用する同業者から、こんな話も聞いたことがあります。

うちに来るお客さんで、モダン(MS)さんのサイトにある物件をプリントして持ってくる人多いんですよね!

Q:滞納で終結、という案件は?

松田:いままで1件もありません。ただし、母数が少ないので、統計学的にエビデンスを持って主張するには、どうでしょうか。当社で管理している物件の数は数百です。

Q:でも、入居者が賃料を滞納し、ゴタゴタして、そのまま終結するような案件はゼロ?

松田:ゼロです。家賃未納で終結した案件は1件もありません。自分たちでも、「厳しく審査をやりすぎているのか」そう思うことすらあります。結果として、おかげ様で、良質な顧客が集まるブランドを築けたようです。

Q:賃料の平均単価は?

松田:30、40万円が平均値です。全体として、お預かりしている管理物件の家賃は総じて高いと思います。

Q:内見の予約に遅刻もない?

松田:それは、さすがにあります(笑)。でも、「入居します」となって審査に通らない人は極めて少ないです。

Q:戦略としてそういうサイト作りを狙ったわけではない、ということですよね?

松田:はい。結果的に、粛々とビジネスをやっていた、というのが真実です。

Q:手っ取り早く稼ぐという手段を選ばなかった理由は?

松田:数年後か十数年後か、いずれにしても将来を見据えてのことでした。

Q:与信の高い人を集めるためのサイトを作りたかった?

松田:いえ。管理会社などが、顧客のビッグデータを蓄積したり解析したりする未来では、申込書類を改ざんするような、嘘をつく会社は、ビッグデータの分析によって必ず、あぶり出されるはずです。データは蓄積されますから、「書類を改ざんせず、しっかりと顧客を集めている」当社は、管理会社からいずれ、優良企業として必ず評価されるだろうと。そのとき、ランキングのような指標が生まれるなら、私たちは必ず上位に食い込む。最初から嘘をつかずにいれば、その事実はデータとして残ります。時代が私たちのやっていることに追いつくとき、私たちしか選べないような状況を生み出せるように、これまで、まっとうにやってきました。

松田:いずれ、イタンジがやっているサービスが浸透度を増し、企業が顧客のデータを徹底的に分析・解析する時代になれば、もしかすると、与信審査をAIがやるかもしれない。アルゴリズムで審査の通過が決まるなら、私たちの集客した顧客の与信の高さは、データに表れるはずです。不良入居者を除外できるような、与信機能を備えたAIを実現させることもできるのではないか――。そんな未来をGA technologiesのAI部門とすり合わせています。大手の管理会社がそれを導入するような日が訪れれば、MSが集客した顧客の属性の高さは、いま以上に業界から注目を浴びるはずです。

 

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