不動産テック・エンジニアMeetupレポート

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不動産テック・エンジニアMeetupレポート

はじめに

参加者の交流を目的とした集まりに、Meetupがあります。これは、講演、登壇、ピッチ、プレゼンなどの発表(コンテンツ)を基本的に必要としません。コンテンツがなくても、場が盛り上がる集まり=Meetupです。これは、一人ひとりの参加者が主役であり、主役が交流することを目的としています。

リブセンスの社内では月に何度も開催されていて、本記事で紹介するのも、その1つです。今回は、リブセンスのエンジニアと、W社のエンジニアによる不動産テック・エンジニアMeetupをお届けします。会場は、リブセンス本社会議室でした。

今回の記事を通じ、「一人ひとりの参加者(主役)が交流することで能動的な働きかたへ」「閉じた世界から開いた世界へ」という姿勢を学んだり、主体性を養うためのヒントになったりすればと思います。不動産テック領域のさらなる発展を目指し、不動産テックMeetupのご紹介です。 ※以下、敬称省略します。なお、今回のMeetupはクローズなイベントでした。W社は、極めて秘匿性の高い情報を扱っていることから、記事化にあたり個人を特定できないよう配慮しています。

リブセンスのメンバー紹介

竹馬(ちくば):はじめまして。『IESHIL』のエンジニアリングマネージャーをしている竹馬です。日々、ビッグデータと戦っています。縁あって、『IESHIL』の立ち上げに、かかわることができました。当社の代表である村上が『IESHIL』を頭のなかで考えていた段階からの、かかわりあいですね。当時、『IESHIL』というサービス名も決まっておらず、「エンジニアを探しているから(これからはじめる不動産事業に)参加してくれ」と村上から相談されました。2015年の話です。当時から『IESHIL』の開発にたずさわり続けています。

大波(おおなみ):大波といいます。株式会社フィルライフで、エンジニアをしています。エンジニア歴は17年くらいです。もともとは、SIer(エスアイヤー※ユーザー課題を解決するためのシステム企画、構築、運用、保守などのすべてを請け負う業者。コンサルタント)として仕事をしていて、そのあとに、リブセンスに入社しました。よろしくお願いします。

稲垣(いながき):『IESHIL』で、チーフプロダクトマネージャーをしている稲垣と申します。リブセンスに入ったのは2014年です。前職は6年間ブライダル系の会社にいまして、ウェディングプランナーからキャリアをスタートしています。その後、本社でWEB集客の仕事をしたり、結婚情報誌へ出稿する記事を作ったりも。最終的には、その会社で、子会社の立ち上げを経験し、リブセンスにやってきました。『IESHIL』には、2017年からかかわっていて、現在は『IESHIL』のディレクション全般を担当しています。よろしくお願いします。


高橋(仮名):すごい、まったくの異業種から、稲垣さんはリブセンスさんに来られたのですか。どんな経緯が?


稲垣:前職で子会社とASPサービスの立ち上げを経験し、そのときに触れた“要件定義”がきっかけですかね。結婚式を挙げたことがある方はおわかりだと思いますが、結婚式の準備ってめっちゃアナログなんですよね。すごく、不便だなあと。そこで、結婚式にまつわる新郎新婦の作業をオンライン化するサービスを前職企業が開発したんです。オンラインで招待者リストを作ったり、引き出物などのアイテムを選び、最終的には発注や請求の手続きができるシステムの開発・販売を行う子会社を立ち上げました。このときの経験から、「仕組みや数字で物事が考えられるようになっていくことが楽しい」と感じ、リブセンスとめぐりあいました。

W社のメンバー紹介

高橋(仮名):高橋と申します。よろしくおねがいします。私がW社に来たのは5年ほど前です。現在は、80社ほどある私たちのグループ会社のすべてのウェブサイトを管理しています。エンジニアではなく、企画全般の担当者とイメージしてください。なかでも、私はSEOを中心に仕事をしています。もともとは、不動産売買の営業職をしていました。

佐藤(仮名):佐藤と申します。私がW社に来たのは、2年前です。そこから、エンジニアをしています。当社は情報システム会社ですから、基本的には、ウォーターフォール型で請け負います。私たちに求められているのは、グループ全社をつなぐシステムの開発・保守です。顧客統合システムやポイントサービスなどの全体をつなぐためのシステム開発にたずさわっています。エンジニアになる前は、某大手不動産グループの建設会社で営業職をしていました。高橋(仮名)と同じく、いわゆる新規顧客の開拓です。私の担当には資産家のかたが多く、「玄関まで遠いな」なんて思い出が懐かしい(笑)。


大波:もしかして、山田(仮名)さんも、キャリアのスタートは営業職ですか?


山田(仮名):残念ながら、新卒からエンジニアです(笑)。


山田(仮名):営業経験はありません。でも、実は、営業職を希望していました。人生、思い通りになりませんね(笑)。

山田(仮名):改めまして、山田と申します。よろしくお願いいたします。私は、今年で11年目のエンジニアです。不動産を管理する、システムの開発業務が多く、おもに、ウェブの開発業務を担当しています。ビッグデータの解析も業務の1つで、3か月の開発期間を3名で乗り切り、なんとかリリースまでこぎつけた開発経験もあります。このあたりのテーマを深く堀り下げることができると、個人的にはうれしいです。


竹馬:『IESHIL』の立ち上げも似たような環境でしたよ。


山田(仮名):そうでした。せっかくなのでお聞きしたいのですが、立ち上げから現在までをご経験されたいま、不動産のビッグデータを扱うことに、竹馬さんはどのような課題感をお持ちですか?


竹馬:それでいうと、私には3つくらいありまして。次の項目です。

  1. 誰かが反対するところに切り込まないとイノベーションは起こせない
  2. 既存ビジネスとデータの親和性が進んでいない
  3. エンジニアの人材不足


竹馬:『IESHIL』をリリースした当初は、官公庁や既存の業界団体などに、よく、呼び出されました(笑)。「何をしでかすか、わからない」と思われたのでしょう。でも、直接、会って話すと印象が180度、かわる人が半数くらいいて。データの利活用の文脈に賛同してくれる役人のかたもいらっしゃるし、懐疑的な気持ちのままのかたも。この辺りは半々という感じです。いまでこそ笑い話ですが、当時の経験から、身を持って、「誰かが反対するところに切り込むことでイノベーションが起こるんだな」ということを知りました。

2つ目は、既存ビジネスとデータの親和性を高めること。不動産業界においては、不動産テック、Real Estate Tech、リテックなど、さまざまな呼び名があります。これは、不動産業界に限った話ではなく、フィンテック、エドテック、シビックテックなどの例が無数にあり、いまや、テックドリブンでビジネスを遂行するのは当たり前の世の中です。この風潮を私は強く感じています。あらゆる産業で、既存ビジネスとデータの親和性を高めることが、X-Techに代表されるイノベーションなのだと感じています。イノベーションを促すために、既存ビジネスとデータの親和性を高める作業は欠かせない。という危機感を抱いています。


竹馬:3つ目のエンジニア不足について。これは、データエンジニアとしての、ポジショントークでもあります(笑)。ビッグデータと日々、対峙していると、必ずといっていいほど、「どうやってシームレスにデータを生成するか」という壁にぶつかります。データの“前処理”の苦労ときたら、ね(笑)。この苦労をW社さんなら、おわかりいただけると思いますが、そのあたりを頑張ってやりきれる人材が、ビッグデータを扱ううえでは、必ず必要です。


山田(仮名):わかります、わかります(笑)。私たちも80以上のグループ会社で、会員管理システムや退去管理システムを扱う上で、いろいろな苦労があります。不動産業界に長くいるため、業界慣習は理解しているという自負がある一方、IT企業のカルチャーや開発体制には精通していないので、こうした社外のMeetupを通じて、知見を広げたい思いも。たとえば、「井の中の蛙になってしまっていないか」、あるいは、「業界のトレンドと世間のトレンドをつかみ損ねていないか」などです。

稲垣:私たちからすると、「不動産のリアルデータをお持ちである、貴グループがうらやましい」という気持ちがあります。


竹馬:貴グループさんは実業(不動産売買)をされているので、自前の“生データ”をお持ちですよね。それは、ものすごい輝きを生み出す原石だと思うので、うらやましいです。


高橋(仮名):それでいうと、グループにあるビッグデータの9割を私たちW社が管理しています。建築のデータもあれば、住宅のデータもあれば、賃貸管理のデータもあれば、建物を建ててから貸すまでのデータなど、不動産領域における一通りの“生データ”が揃っている環境です。今後、私たちがグループの強みとして生かしたいと考えている領域でもあります。成約にかかわるデータも、直近の10年、20年くらいのスパンでそろっているんですよ。このデータをAIに機械学習させると、かなり面白いビジネスができることもわかっています。

大波:機械学習から導き出された結果の精度を確かめるなどの、データ検証はどうやっているのですか?


高橋(仮名):ベテランの営業スタッフが持っている感覚値やノウハウとズレがないか。という、検証を重ねています。グループ内でスムーズに検証できる環境は、プロダクトの開発スピードを高めることにつながるので、私たちの強みの1つです。営業スタッフが肌感として持っている金額感をエンジニアが直接、会話することで確かめることもできます。


山田(仮名):フィルライフで仕事をされている大波さんから見て、リブセンスの『IESHIL』開発体制はどう映るんですか?


大波:みなさん、のびのびやっているなあという印象ですね(笑)。


山田(仮名):とても自由な環境なのですか?


大波:そういうイメージはあります。たとえば、“自分の集中力が一番発揮できる時間”というものをエンジニアはそれぞれ持っているじゃないですか。ここへの会社の理解があるので、“夜中まで集中して作業を続けたら翌朝は出社せずともOK”などの働き方が浸透していて、働きやすいと感じます。エンジニアにとっていい感じで作業を進められる、という開発環境にあると思っています。


佐藤(仮名):案件の出どころはどうなんでしょうか。ボトムアップ的にやれる仕事も多いんですか?


竹馬:「ビジョンドリブンでやりたい」という雰囲気は、全社的にあるなと感じています。“大きな旗を遠くに置き、ゴールとして一度決めたら、そこへ向かう”という大枠のところを事業部長が打ち出す感じですね。そのあとに、約40名のスタッフが自分の強みを生かして“ゴールを目指すために何をやったらいいか”という業務を担っていくというか。


稲垣:W社の社員さんは何名ほど、いらっしゃるのですか?


高橋(仮名):50名くらいですね。


稲垣:そのうちエンジニアは?


高橋(仮名):30名くらいです。


稲垣:外部のエンジニアに発注することは?


高橋(仮名):あります。


稲垣:その環境で案件が立ち上がってから、W社さんでは、どんな風に開発体制ができあがるのでしょうか?


高橋(仮名):クライアントからの要望に応える形で、開発体制ができあがります。それに対して「やりたい人いますか?」と声を集める形式です。


竹馬:手を挙げられる環境なんですね、素晴らしい。


佐藤(仮名):エンジニアは、みな、メインのウォーターフォール型の案件を抱えています。そのうえで、いま申し上げたようなプロジェクトのような案件があれば、手を挙げてアサインしてもらうことができる環境です。


大波:並行で案件が入るんですか。それ、けっこうタフですね。


佐藤(仮名):私たちは、つねに、3、4つの案件を抱えています。


山田(仮名):私たちに案件が偏る傾向なんですよね。


竹馬:私たちと似ていますね。自前で作って、ずっと面倒をみていく必要があるわけですよね。でも、SIerだと、作りっぱなしで終わって、カットオーバーを迎えたら、「ハイ、さようなら」という感じで一切、かかわらなくなることって結構ありますよね。


稲垣:W社さんの場合は、保守契約をとるんでしょうか。保守契約をとりにいく前提で、あえて、最初の提案を安価に抑えるような戦略もアリですよね。


竹馬:そういう戦略もあれば、新しいシステムだけを専門に作るシステム会社もあります。しかし、私たちやW社さんは、運用を熟慮したシステム、プロダクトを考えざるを得ない。


大波:ヘンな作りにできないという責任感、使命感ですよね。そういうところも、似ているのかもしれないですね。

まとめ

今回のMeetupは、話題が広がったり、深くなったりで、あっという間の2時間でした。すべてを紹介することができないのは残念ですが、記事から、Meetupの雰囲気が少しでも伝わればと思います。

繰り返しになりますが、Meetupの目的は、参加者の交流です。一人ひとりの参加者が主役であり、主役が交流することに意味があります。主体性や能動的な姿勢を養うことへもつながりますので、ぜひ、みなさんも取り組んでみてください。リブセンスの社内で開催される不動産テックMeetupについては、今後も、機会があればご紹介していきたいと思います。

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