不動産クラウドファンディングの手数料を徹底解説!投資家が知るべきコストと節約のコツ



目次

不動産クラウドファンディングにかかる主な手数料の種類

不動産クラウドファンディングでは、「少額で始められる」といわれる一方で、実際には複数の手数料が発生する仕組みになっています。投資家に直接課されるものもあれば、運営側のコストに組み込まれているものもあります。ここでは、投資家が把握しておくべき代表的な手数料の種類を整理して解説します。

入金時・出金時の振込手数料

まず最も一般的なのが、入金と出金に伴う振込手数料です。

投資用口座(預託金口座)に資金を入れる際は、銀行振込を利用するケースが多く、その際の振込手数料は投資家負担となることがほとんどです。

また、運用が終了して元本や分配金を受け取る際の出金にも手数料が発生する場合があります。出金1回につき数十円から数百円の範囲が一般的ですが、無料回数を設けているサービスもあります。

例として、CREALでは出金時に52円〜229円の手数料がかかり、COZUCHIや利回りくんでは出金無料とされています。

少額投資では、たった数十円の差でも実質利回りに影響するため、出入金の条件は事前に確認することが重要です。

ファンド購入時の手数料

ファンド購入時に直接「購入手数料」を課すサービスは少ないものの、運営会社は物件取得費や運営管理費、販売手数料をファンドの内部コストとして回収しています。

投資家の立場では明細として見えにくい部分ですが、結果的にファンドの利回りが調整される形で反映されています。

例えば、同じ年利5%と表示されていても、運営会社の管理報酬率が高いと、実際の分配金が減少することがあります。したがって「手数料無料」という言葉をうのみにせず、ファンドの利回り構成をチェックする姿勢が大切です。

口座維持管理費・預託金手数料

一部の事業者では、投資家ごとに設ける預託金口座の維持に関して、管理費や残高維持手数料を設定している場合があります。ただし、主要な不動産クラウドファンディングサービス(CREAL、COZUCHI、利回りくんなど)では、基本的に口座維持費は無料です。

例外として、長期間取引がない休眠口座や、残高が一定額以下の口座に対して、一定の管理費を請求する事業者もあるため、利用規約の確認を怠らないようにしましょう。

分配金受取時の税金・源泉徴収

見落としがちなのが、分配金の受取時に発生する「税金」に関するコストです。

不動産クラウドファンディングの分配金は、原則として20.42%(所得税+復興特別所得税)が源泉徴収された状態で振り込まれます。これは事業者が自動的に処理するため、投資家は手取り額を基準に実際の収益を把握する必要があります。

確定申告で総合課税として申告する場合には、他の所得との合算や損益通算も可能ですが、申告を行わないと控除や還付の機会を逃すことになります。手数料というよりは「実質的なコスト」として意識しておくべき要素です。

投資における手数料は、単なる支出ではなく“利回りを削る隠れコスト”なんです。入金・出金・税引きまでをトータルで見て、年利の数字だけに惑わされないよう注意してくださいね

投資家が誤解しやすい「無料」と「有料」の違い

不動産クラウドファンディングの多くは「会員登録無料」「手数料無料」を強調していますが、実際には“無料”の範囲を誤解している投資家が少なくありません。ここでは、投資家が特に混同しやすい「無料」と「有料」の違いを整理します。

会員登録・口座開設は無料でも、入出金は自己負担

基本的に、どのクラウドファンディングサービスでも会員登録や口座開設自体に費用はかかりません。しかし、実際に投資資金を入金したり、分配金を出金したりする際には、銀行振込手数料や送金手数料が投資家負担になるケースが一般的です。

例えば、

  • 入金:銀行振込手数料(100〜300円前後)
  • 出金:サービスによって無料または数十円〜数百円

というように、取引のたびに小さなコストが積み重なります。

一見「無料」と表示されていても、自分の金融機関経由で発生する実費が存在する点には注意が必要です。

「運用手数料ゼロ」でも事業者が負担しているわけではない

ファンドの説明欄に「運用手数料無料」と記載されている場合でも、それは投資家から直接徴収しないという意味であり、運営会社が完全にコストを負担しているわけではありません

実際には、ファンドの総収益の中から運営手数料や管理報酬が差し引かれた後の利益が分配金として投資家に支払われています。

つまり「手数料ゼロ=事業者が無料で運用している」わけではなく、表面的に見えない形で手数料が含まれているのです。

このため、表記上の利回りだけで判断せず、運用報告書や契約書面で実際にどのようなコストが控除されているかを確認することが重要です。

「無料」と「有料」の境界を見極める3つの視点

投資家が“本当に無料か”を判断するには、以下の3点を意識すると誤解を防げます。

  • 振込・送金に関する費用:自分の金融機関で発生する実費負担を確認する
  • 分配金の源泉徴収:税金分が差し引かれるため「手数料ゼロ」でも実際の入金額は減る
  • 運営報酬の控除有無:利回りがどの段階の数値か(手数料前か後か)を確認する

特に少額投資では、数百円単位の出金手数料や源泉徴収によって実質利回りが数%変わることもあります。

無料をうたうサービスの背景を理解する

最近では「出金無料」「手数料ゼロ」といった訴求が増えていますが、その背景には投資家獲得競争の激化があります。

ただし、こうした無料化には条件があり、たとえば「特定銀行との同行間取引のみ無料」「月1回まで無料」など、制限付きのケースが多い点にも注意が必要です。

無料の仕組みを維持するために、事業者は借り手企業や案件手数料でコストを回収しているのが実態です。

“無料”という言葉を見たら、一度立ち止まって「誰がどこでコストを負担しているのか」を考えることが大切です。数字上の利回りよりも、実際に手元に残るリターンを意識して判断しましょう。

主要サービス別・手数料比較表(CREAL・COZUCHI・利回りくん ほか)

不動産クラウドファンディングは「1円でも多く利益を残す」ために、手数料構造の把握が欠かせません。ここでは、代表的な4社(CREAL・COZUCHI・利回りくん・OwnersBook)の手数料を比較し、投資家目線での特徴を整理します。

不動産クラウドファンディング主要4社の手数料比較

サービス名会員登録・口座維持費入金(振込)手数料出金(払戻)手数料特徴・備考
CREAL(クリアル)無料銀行振込手数料は自己負担出金時:楽天銀行105円、その他150〜229円程度手数料が明確で安定。楽天銀行を使えばコストを抑えやすい
COZUCHI(コヅチ)無料銀行振込手数料は自己負担原則無料(ただし一部ファンドで換金時3.3〜5.5%の手数料あり)高利回り案件も多いが、短期換金型では手数料負担が増す可能性
利回りくん無料銀行振込手数料は自己負担出金無料シンプルでわかりやすく、初心者にも安心。出金無料は大きな利点
OwnersBook(オーナーズブック)無料銀行振込手数料は自己負担一律330円(税込)実績豊富で信頼性が高いが、出金時コストを考慮する必要あり

比較から見えるポイント

  • 入金手数料はほぼ全社で自己負担
    投資時に利用する銀行によって数百円〜数千円の差が出ます。ネット銀行(GMOあおぞら・PayPay銀行など)を利用すると無料になるケースもあります。
  • 出金手数料が実質利回りを左右
    CREALのように出金時に150〜200円程度かかるサービスでは、1万円投資の場合、利回り5%でも約2%分が手数料で消えることがあります。少額投資家は特に注意が必要です。
  • 「出金無料」をうたうサービスの強み
    利回りくんのように完全無料で出金できるサービスは、手数料面で最も有利。こまめな出金でもコストが発生しないため、再投資の自由度も高くなります。
  • COZUCHIの短期換金型は要注意
    いつでも換金できる代わりに、3〜5%台の換金手数料が設定されているケースがあります。短期で資金を動かすと実質利回りが下がるため、長期運用向きです。

投資家が意識すべき手数料の優先順位

  1. 出金時の手数料(頻繁な出金ほど影響大)
  2. 入金時の振込コスト(ネット銀行を活用で軽減)
  3. サービス内での換金・解約時手数料(短期売却の有無を確認)

少額投資でも「どのタイミングで費用がかかるか」を把握することで、実際の手取り利回りを見誤らずに済みます。

手数料は小さく見えても、積み重ねると利回りを圧迫します。特に1万円〜3万円の少額投資では、出金1回の数百円が実質1%以上の利回り差になります。投資を始める前に、自分がどのくらいの頻度で入出金するかを考え、最も無駄の少ないサービスを選ぶのがコツですよ。

手数料の差が最終利回りに与える影響

不動産クラウドファンディングでは、同じ利回りをうたっていても、実際に投資家の手元に残る利益は「手数料」によって大きく変わります。特に少額投資では、その差が利回り全体を圧迫するほどの影響を及ぼします。

少額投資では1回の出金手数料が利回りを圧迫する

たとえば、年利5%・1年運用のファンドに1万円を投資した場合、税引前の利益は500円です。

しかし、出金手数料が229円かかると、手数料だけで利益の約46%が消失します。税金(20.315%)を引けば、実際の手取りはおよそ400円以下です。

つまり、表面利回り5%でも、実質利回りは約4%に低下してしまうのです。

このように、「利回り5%」という数字はあくまで理論値であり、手数料を考慮しなければ実際の利益を見誤るリスクがあります。

ファンド運用中にも見えないコストが存在する

手数料の影響は出金時だけではありません。

以下のようなタイミングで発生するコストも、トータルリターンを削る要因になります。

  • 出資時の銀行振込手数料(100~300円前後)
  • 中途解約・キャンセル時の返金手数料
  • 分配金の源泉徴収による税負担(20.315%)

特に、複数のファンドに分散投資している場合、ファンドごとの出金や入金が重なり、年間で数千円単位のコストになることも珍しくありません。

年間トータルで見る「実質利回り」の考え方

投資家が重視すべきは、「表面利回り」ではなく「実質利回り」です。

次のような簡易式で、実際のパフォーマンスを把握できます。

実質利回り(%) = (分配金 − 手数料合計) ÷ 投資金額 × 100

この式を使うと、ファンド間の比較が一段と明確になります。

たとえば同じ5%のファンドでも、出金無料のCOZUCHIと、出金229円のCREALでは、少額投資時に約0.4〜0.5%の差が出ることがあります。

10万円単位の投資であれば影響は小さいものの、1万円投資を複数回繰り返すスタイルでは無視できません。

投資戦略としての「手数料管理」

手数料はコントロール可能なコストです。

同じ年利のファンドでも、以下のような工夫で最終利回りを向上させられます。

  • 同行間無料のネット銀行(GMOあおぞら・PayPay銀行など)を活用
  • 出金タイミングをまとめて手数料を最小化
  • 出金無料のサービスを優先的に選ぶ

こうした「コスト意識」は、少額投資を積み重ねるクラウドファンディング投資家にこそ求められます。

わずかな違いが、年間で見れば利回り1%以上の差に広がることもあります。

最終的に得られるリターンは「利回り」よりも「仕組みの理解力」で決まります。手数料を把握し、実質利回りを意識した投資判断をすることが、安定した成果につながるんです

手数料を最小化する具体的な方法

不動産クラウドファンディングの投資収益を最大化するには、利回りよりも「いかに手数料を減らすか」がカギです。わずかな差でも最終的なリターンに大きな影響を与えるため、投資家は賢く手数料対策を取る必要があります。ここでは実践的な節約方法を解説します。

銀行選びと入金方法で振込手数料を減らす

多くの不動産クラウドファンディングでは、入金時の振込手数料が自己負担です。頻繁に入金を行うと、数百円単位のコストが積み重なります。

対策として、手数料が無料または低額なネット銀行を活用しましょう。特にGMOあおぞらネット銀行やPayPay銀行などは、同行間の振込が無料です。投資専用口座を開設し、投資先と同じ銀行を使えば無駄なコストを抑えられます。

また、毎回少額ずつ入金するよりも、一定額をまとめて振り込む方が効率的です。入金回数を減らすことで手数料負担を軽減できます。

出金回数をコントロールしてコストを抑える

償還金や分配金の出金時にも手数料が発生することがあります。サービスによっては「月1回までは無料」「2回目以降は300円」などの条件があるため、出金回数を計画的に管理しましょう。

複数の分配金をまとめて受け取る、運用終了時に一括出金するなど、出金回数を減らす工夫が有効です。

また、手数料の安い銀行を出金口座に設定することで、さらなる節約が可能です。

手数料無料・低コストのサービスを選ぶ

サービスごとに手数料構造は異なります。

例えば、入金手数料が自己負担でも出金が無料の「COZUCHI」や「利回りくん」、逆に入金無料で出金が有料の「CREAL」など、組み合わせはさまざまです。

比較すべきポイントは以下の通りです。

  • 入金・出金手数料の有無
  • 途中償還・キャンセル時の返金手数料
  • 月ごとの無料出金回数
  • キャンペーンや特典で一時的に無料化されているか

投資前に公式サイトの「手数料一覧」やFAQを確認し、総コストで判断することが大切です。

投資戦略で手数料の影響を最小化する

手数料を減らすだけでなく、「手数料が与える影響を小さくする」考え方も重要です。

少額を分散して投資するより、ある程度まとまった金額を出資したほうが、手数料の比率が下がり実質利回りが上がります。

また、分配金を自動で再投資できるサービスを選べば、毎回の出金・入金手数料を発生させずに資金を効率よく運用できます。

運用期間の長いファンドを選ぶのも効果的です。短期案件を繰り返すより、手数料がかかる機会を減らせます。

手数料を抑えるチェックリスト

投資前の確認ポイントを以下にまとめます。

  • 利用銀行で振込無料枠があるか
  • 出金手数料が無料または月1回無料か
  • 投資先と同じ銀行を使えるか
  • 途中償還や返金時の手数料が発生しないか
  • 出金回数を減らすスケジュールを立てているか
  • 再投資機能を活用できるか

手数料は「目立たない損失」ですが、実際には利回りを削る大きな要素です。少額投資ほど手数料の割合が高くなりやすいため、銀行選びや出金計画、サービス比較を徹底しましょう。小さな工夫で実質利回りを1〜2%上げることも可能ですよ。

「手数料ゼロ」をうたうサービスの実態を検証

「手数料ゼロ」は本当に無料なのか

不動産クラウドファンディングの広告や公式サイトでは、「手数料無料」「出金無料」「ゼロコスト運用」といった言葉が頻繁に登場します。

しかし実際には、どの費用を「無料」と定義しているのかを見極める必要があります。

多くのケースでは「投資家から直接徴収する手数料を無料」としているに過ぎず、次のような条件がついていることが一般的です。

  • 出金時のみ無料(入金時は銀行側の振込手数料が発生)
  • 特定の銀行口座からの振込・出金のみ無料(例:GMOあおぞらネット銀行、PayPay銀行など)
  • 月1回まで無料で、それ以上は有料
  • 出金金額や回数に制限がある

つまり、「完全無料」ではなく「条件付き無料」である場合がほとんどです。広告の「手数料ゼロ」という言葉をそのまま信じてしまうと、実際の運用で思わぬコストが発生するリスクがあります。

無料の裏にある事業者のコスト回収構造

投資家から手数料を取らない場合、事業者はどのようにコストを回収しているのでしょうか。

「ゼロ手数料」が成り立つ背景には、以下のような仕組みがあります。

  • 運営会社が銀行振込手数料を負担し、その分を運営コストに上乗せしている
  • ファンドの運用設計段階で、物件取得費や管理費にコストを織り込んでいる
  • 開発型や運用型の案件では、事業者が物件の販売益や管理報酬で収益を得ている

つまり、「投資家負担がない」ように見えても、実際にはファンド全体の収益構造の中で回収されているケースが多いのです。

表面上の「ゼロ」よりも、実際の最終利回りや運用費用の内訳に目を向けることが大切です。

投資家が確認すべきチェックポイント

手数料ゼロをうたうサービスを選ぶ際には、次のようなポイントを確認しておくと安心です。

  • 「入金・出金ともに無料」なのか、それとも一方のみなのか
  • 無料条件(銀行口座、回数、金額など)が明確に記載されているか
  • 契約書やFAQに「振込手数料は投資家負担」といった注記がないか
  • 運用コストや管理費が利回り設計にどの程度反映されているか
  • 無料化の代わりに利回りが相対的に低く設定されていないか
  • 運営会社の財務基盤や信頼性が十分か(コスト負担が継続可能か)

これらを確認せずに「ゼロ」の言葉だけで選ぶと、実質的な利回りが下がる結果につながることがあります。

投資家にとっての結論

「手数料ゼロ」という表現は魅力的ですが、裏側には必ず条件や構造があります。

広告の言葉よりも、最終的な受取金額や実質利回りに注目し、トータルコストで判断することが、長期的な資産形成では重要です。

「手数料ゼロ」と書かれていても、条件付きの場合が多いんです。見えないコストを見抜ける投資家ほど、最終的なリターンをしっかり守れるものですよ。

手数料以外で見落としがちなコスト要因

税金・源泉徴収で差し引かれる実質リターン

不動産クラウドファンディングで受け取る分配金は、所得税および復興特別所得税として20.42%が源泉徴収されたうえで振り込まれるのが一般的です。

この税金は「手数料」ではないものの、確実にリターンを圧迫するコスト要因です。

さらに、分配金は雑所得として扱われるため、給与所得などと合算して確定申告が必要なケースもあります。所得が高い人ほど税率も上がるため、実質的な利益率は個人差が出ます。

また、年間の雑所得が20万円以下であっても、住民税の申告が必要になる場合があり、申告漏れによるペナルティもコストに直結します。

流動性低下と途中償還リスク

不動産クラウドファンディングの多くは、運用期間中の途中解約ができません。

この「資金拘束期間」によって、他の有利な投資チャンスを逃す機会損失が発生します。

また、運用終了時(償還時)に予定より物件価格が下落していた場合、分配金が想定より少なくなることもあります。これも実質的なコストです。

さらに、途中償還やキャンセルが認められているサービスでも、返金時に「事務手数料」や「返還コスト」が発生する場合があるため、契約前に確認しておく必要があります。

情報開示や運用透明性の不足

運営会社やファンド情報の透明性が低い場合、投資リスクを正確に把握できず、結果的に損失リスクを高める「情報コスト」が発生します。

特に、優先・劣後出資比率、収益分配の優先順位、物件の稼働率や立地条件などが不明確な場合、想定利回りが実現しない可能性があります。

表面利回りだけで判断せず、運営会社の実績・物件データ・契約条件を丁寧に読み解くことが重要です。

為替・金利・市場変動によるマクロリスク

海外不動産や外貨建て案件では、為替変動による損益が発生することがあります。円高になれば、分配金の価値は目減りします。

また、国内案件であっても、金利上昇による不動産価格の下落や賃料低下など、景気変動の影響を受けるリスクがあります。

こうしたマクロリスクは、直接的な「手数料」ではないものの、長期的な実質利回りに大きく影響する隠れコストです。

投資家自身の時間と労力のコスト

不動産クラウドファンディングは「手間がかからない」と言われますが、実際には案件比較・契約内容の精査・税務処理などに一定の時間と知識が必要です。

こうした調査・申告にかかる時間は目に見えない「労務コスト」として積み重なります。

特に複数サービスを併用している場合、利回り計算や確定申告作業に想像以上の労力がかかる点も見落とせません。

手数料以外にも、税金・機会損失・情報の透明性・市場変動・労力といった“見えないコスト”が存在します。投資家としては、数字に表れないリスクを意識して判断することで、より正確に実質利回りを見極めることができますよ。

投資家が選ぶべき「手数料バランス型」サービスとは

利回りとコストの“バランス感覚”を持つことが重要

不動産クラウドファンディングでは、「手数料が安ければ良い」「無料なら最強」という単純な話ではありません。手数料が安くても、運用効率やリスク管理が甘ければ結果的にリターンが下がることがあります。逆に、わずかな手数料を支払っても、運営力の高い事業者を選ぶことで安定した分配金を得られるケースもあります。

投資家が意識すべきは「利回り」と「手数料」のバランスです。単に数字の高低ではなく、コスト1円あたりのリターン効率を見極めることが、長期的に利益を最大化するポイントになります。

バランス型サービスを見極める3つの指標

手数料と利回りのバランスが取れた「優良サービス」を見分けるには、以下の3点を確認しましょう。

  • ① 出金・入金の透明性
    「出金無料」と謳っていても、実際には銀行側で振込手数料が発生するケースがあります。COZUCHIのように出金無料・入金自己負担と明確に区別しているサービスは、コスト構造が分かりやすく投資判断に向いています。
  • ② 運営会社の実績・リスク管理体制
    CREAL(クリアル)のように上場企業が運営している場合、財務開示や監査体制が整っており、安心感があります。多少の出金手数料があっても、資金保全力や透明性を重視する投資家には有利です。
  • ③ リターンの安定性と再投資効率
    手数料を抑えても、ファンド数が少なく再投資機会が限られると、複利効果を最大化できません。利回りくんのように継続的に案件が公開されるプラットフォームは、資金効率の面で有利といえます。

短期派と長期派で異なる「最適解」

投資スタイルによって、理想的な手数料バランスは変わります。

  • 短期運用派(1年未満)
    出金手数料の安さを重視。利益幅が小さいため、振込コストを最小化できるサービスが有利。
  • 長期運用派(2年以上)
    利回り・信頼性・案件継続性を重視。手数料がやや高くても、安定的に再投資できる環境が重要です。

このように、単発での手数料比較よりも「長期のトータルリターン」で見ることが、本当の意味でのコスト最適化につながります。

バランス型を選ぶことで得られるメリット

手数料を抑えつつ、運営体制が安定しているサービスを選ぶことで、次のようなメリットが得られます。

  • コスト負担が読めるため、利回りシミュレーションがしやすい
  • 分配金の再投資で複利効果を高めやすい
  • サービス変更や乗り換えの判断がしやすい
  • 長期的な資産形成に安定感が生まれる

特に最近では、「部分無料型」や「回数制限付き無料型」など、投資家の行動パターンに合わせた柔軟な料金体系を導入する事業者が増えています。単なる“無料”ではなく、自分の投資頻度やスタイルに合う“最適コスト構造”を見極めることが大切です。

手数料を気にしすぎて利回りの高い案件を逃すよりも、全体のバランスで見る視点を持つのがプロの投資家です。数字の安さよりも「使いやすく、安心して再投資できる環境」を重視すると、長期的な利益は確実に伸びますよ。

順位商品名会社名特徴案件数直近10件平均利回り直近10件直近最低利回り直近10件直近最高利回り直近10件募集割合平均優先劣後方式最低投資金額募集方法組合契約物件の種類優遇サービスあり物件の開示情報出金手数料運用レポートの共有あり運営会社設立年月運営会社資本金上場公式サイト
1位COZUCHI(コズチ)LAETOLI株式会社投資募集のチャンスは業界上位。投資デビューに適した候補85件6.00%4.50%10.00%242.91%10,000円先着、抽選匿名組合型、任意組合型アパート・マンション、商業施設、オフィス×住所、運営会社、収支シミュレーション、面積、容積率、用途地域、事業内容月1回まで無料(それ以降は330円)1999年100,000,000円×公式サイト
2位CREAL(クリアル)クリアル株式会社募集口数が多く、新規案件の供給量も豊富137件5.43%0.00%10.00%-10,000円先着匿名組合型アパート・マンション、商業施設、オフィス、保育所、学校、宿泊施設築年数、住所、運営会社、面積、容積率、用途地域、接道状況、事業内容105円(楽天銀行の場合)、150円(楽天銀行以外で3万円未満の場合)、229円(楽天銀行以外で3万円以上の場合)2011年1,273,520,500円公式サイト
3位利回りくん株式会社シーラ年間新規案件数が安定。募集口数も一定水準140件4.25%3.00%5.50%100.11%10,000円先着、抽選匿名組合型、任意組合型戸建、アパート・マンション×築年数、住所、財務情報、収支シミュレーション、面積、容積率、用途地域、事業内容無料2010年446,522,660円公式サイト
4位Rimple(リンプル)プロパティエージェント株式会社新規案件が充実。劣後出資割合の高い案件が多い106件2.93%2.70%5.00%662.00%10,000円抽選匿名組合型アパート・マンション×築年数、住所、事業内容無料2004年100,000,000円公式サイト
5位TECROWD(テクラウド)TECRA株式会社新興国不動産への投資が可能。高利回り案件が多い85件9.65%8.50%11.50%100.00%100,000円先着、抽選匿名組合型戸建、アパート・マンション、オフィス住所、運営会社、財務情報、面積、事業内容無料(楽天銀行)、振込手数料(楽天銀行以外)2001年156,600,000円×公式サイト
6位TSON FUNDING(ティーソン)株式会社TSON年間案件数が最多クラス。リスク軽減案件も豊富210件5.39%3.50%5.80%121.60%100,000円先着、抽選匿名組合型、任意組合型戸建、アパート・マンション×築年数、住所、運営会社、面積、事業内容無料(匿名組合ファンド)、振込手数料(任意組合ファンド)2008年100,000,000円×公式サイト
7位大家どっとこむ株式会社グローベルス運営会社の信頼性が高く、新規案件も安定供給107件5.50%3.50%12.00%711.61%10,000円先着、抽選匿名組合型アパート・マンション×住所、運営会社、財務情報、収支シミュレーション、事業内容無料(GMOあおぞらネット銀行)、145円(他行宛)1996年100,000,000円公式サイト
8位FUNDROP(ファンドロップ)ONE DROP INVESTMENT 株式会社劣後出資割合の高い案件が多いが、投資機会は少なめ34件5.39%3.50%5.80%126.41%10,000円先着、抽選匿名組合型アパート・マンション×築年数、住所、運営会社、収支シミュレーション、面積、容積率、用途地域、事業内容52円(楽天銀行)、150円(他の金融機関で3万円未満)、229円(他の金融機関で3万円以上)2013年100,000,000円×公式サイト
9位Jointoα(ジョイントアルファ)穴吹興産株式会社低リスク案件が多いが、投資の機会は限定的42件3.30%3.00%5.00%99.92%100,000円先着、抽選匿名組合型アパート・マンション、商業施設×築年数、住所、運営会社、財務情報、面積、容積率、用途地域、事業内容無料1964年755,790,000円公式サイト
10位ちょこっと不動産株式会社良栄劣後出資割合の高い案件が多く、運営も安定傾向10件4.00%3.90%4.30%100.00%10,000円先着匿名組合型戸建、アパート・マンション、商業施設、オフィス×築年数、住所、運営会社、財務情報、収支シミュレーション、面積、事業内容、建築確認番号無料(GMOあおぞらネット銀行)、145円(その他の金融機関)1991年389,820,000円×公式サイト
11位property+(プロパティプラス)株式会社リビングコーポレーション募集口数は平均的だが、新規案件がなかった点が課題33件3.90%3.00%10.00%100.00%10,000円先着匿名組合型アパート・マンション×築年数、住所、運営会社、財務情報、面積、容積率、用途地域、事業内容無料2015年100,000,000円公式サイト
12位ASSECLI(アセクリ)株式会社エボルゾーン高利回り案件が多いが、新規提供数は限られる44件6.56%6.00%8.00%105.85%10,000円先着匿名組合型アパート・マンション×事業内容無料×2011年100,000,000円×公式サイト
13位LIFULL(ライフル)株式会社LIFULL大手不動産会社のクラウドファンディング。厳選された物件3件5.83%5.50%6.00%105.67%10,000円抽選匿名組合型アパート・マンション・グループホーム×築年数、住所、運営会社、面積、容積率、用途地域、事業内容無料×1997年9,723,000,000円公式サイト
14位みんなの年金株式会社ネクサスエージェント」「公的年金に合わせた2ヵ月ごとの分配金」が特徴の、不動産クラウドファンディング139件8.00%8.00%8.00%100.00%10,000円先着、抽選匿名組合型アパート・マンション×住所、物件種別、アクセス、構造、総戸数、家賃保証有無無料×2016年100,000,000円公式サイト
15位利回り不動産株式会社ワイズホールディングス高水準の利回り案件が豊富で、投資のチャンスも平均以上-----10,000円先着、抽選匿名組合型戸建、アパート・マンション×築年数、住所、収支シミュレーション、面積、容積率、用途地域、事業内容無料(GMOあおぞらネット銀行)、145円(他行あて)2023年100,000,000円×公式サイト
16位らくたま株式会社日本保証リスクを抑えつつ高いリターンを狙える案件が多く、供給数も充実-----10000円先着、抽選匿名組合型戸建、商業施設、オフィス築年数、住所、面積無料(GMOあおぞらネット銀行)×2008年100,000,000円公式サイト
17位GALA FUNDING(ガーラ ファンディング)株式会社FJネクストホールディングス運営基盤が堅実で、劣後出資割合が高めの安心感ある案件が中心-----10,000円先着、抽選匿名組合型アパート・マンション×築年数、住所、運営会社、財務情報、収支シミュレーション、面積、容積率、事業内容、建築確認番号無料(GMOあおぞらネット銀行)、145円(他行宛て)1980年2,774,400,000円公式サイト
18位トモタク株式会社イーダブルジー新規募集数は業界トップクラスで、高利回り案件が目立つ-----100,000円先着、抽選匿名組合型アパート・マンション、オフィス×築年数、住所、収支シミュレーション、面積、容積率、用途地域、事業内容1回のみ無料(125円(GMOあおぞらネット銀行)、250円(GMOあおぞらネット銀行以外))2009年100,000,000円×公式サイト
19位LSEED(エルシード)株式会社LSEEDリスクとリターンのバランスは良好だが、案件数はやや少なめ-----10,000円先着匿名組合型アパート・マンション×築年数、住所、面積、事業内容不明×1999年706,139,500円公式サイト
20位トーセイ不動産クラウドトーセイ株式会社1万口超の大型案件が主体で、年間の提供数は限定的-----10,000円先着匿名組合型アパート・マンション×築年数、住所、運営会社、面積、容積率、用途地域、接道状況、事業内容無料(GMOあおぞらネット銀行)、129円(その他金融機関)1950年6,624,890,000円公式サイト
21位KORYO Funding(コウリョウ ファンディング)株式会社興陵安定したバランス型案件が揃う一方で、全体の件数は少ない-----100,000円先着、抽選匿名組合型アパート・マンション×築年数、住所、運営会社、財務情報、収支シミュレーション、面積、容積率、事業内容無料×1981年371,980,200円公式サイト