リースバックとは?自宅に住み続けながら資金を確保する仕組みをわかりやすく解説



目次

リースバックとは。基本の仕組みと考え方

リースバックとは、不動産を売却すると同時に、その不動産を賃貸として借りることで、売却後も同じ物件に住み続けられる資金調達の方法です。自宅という大きな資産を現金化しながら、生活環境を変えずに済む点が大きな特徴です。

一般的な不動産売却では、売却後に引っ越しが必要になります。しかしリースバックでは、売却と同時に賃貸借契約を結ぶため、所有者は変わっても居住者は変わりません。売却代金は一括で受け取れるため、老後資金や生活資金、ローン返済などに充てることができます。

売却と賃貸を同時に行う取引形態

リースバックの最大の特徴は、「売却」と「賃貸」を同時に行う点です。単なる賃貸契約や融資とは異なり、以下の2つの契約がセットになります。

  • 不動産売買契約
  • 不動産賃貸借契約

売買契約によって不動産の所有権は買主に移転しますが、賃貸借契約によって売主は借主として住み続けます。この仕組みにより、住まいを手放したという実感が少ないまま、資金を確保できるのです。

住み続けられることを前提にした資金調達

リースバックは「住み続けること」を前提に設計された資金調達手段です。金融機関からの借入とは異なり、返済義務や利息は発生しません。その代わり、毎月の支払いは家賃という形になります。

そのため、リースバックは借金を増やしたくない人や、年齢や収入面で融資が難しい人にとって、有力な選択肢になります。特に不動産をすでに保有している人にとっては、資産を活用した現実的な方法といえます。

セール・アンド・リースバックとの呼び方の違い

リースバックは「セール・アンド・リースバック」や「セール・リースバック」と呼ばれることもあります。これらは本来、企業が設備や不動産を売却して賃借する取引を指す言葉です。

住宅分野では、この仕組みを個人向けに応用したサービスが広まり、「リースバック」という呼び方が一般的に使われるようになりました。名称が違っても、基本的な考え方や仕組みは同じです。

所有から利用へという考え方の転換

リースバックは、不動産を「所有するもの」から「利用するもの」へと捉え直す考え方ともいえます。所有にこだわらず、生活の安定や資金の確保を優先することで、将来の不安を軽減できる場合があります。

固定資産税や大規模修繕といった所有者としての負担から解放される一方、家賃を支払う生活に切り替わるため、家計の構造も変わります。この点を理解したうえで、自分のライフプランに合うかを考えることが重要です。

リースバックは自宅を活かした資金調達の一つの形です。売却と賃貸を同時に行うことで、住まいを維持しながら現金を確保できます。ただし、所有から利用へ考え方が変わる点が大きなポイントです。仕組みを正しく理解したうえで、自分に合う選択肢かを冷静に判断してください。

リースバックが注目されている背景

リースバックが広く検索されるようになった背景には、「持ち家=資産」という安心感が揺らぎやすくなり、住まいを維持しながら手元資金を確保したいニーズが増えていることがあります。特に、不動産を保有している人ほど、現金が必要になる場面は人生の後半や家計の変化点で一気に増えます。そのときに「家を出ずに資金化できる選択肢」としてリースバックが比較検討の土俵に上がりやすくなっています。

老後資金と生活コストへの不安が強まっている

老後は収入が年金中心になりやすい一方で、支出はむしろ読みにくくなります。医療費や介護費、住まいの修繕費、家電の買い替えなど、「毎月一定」ではない出費が重なるほど、預貯金だけで吸収しづらくなります。

自宅は大きな資産である反面、住み続ける限り現金を生みにくい資産でもあります。そこで、生活の土台である住まいを変えずに資金を確保する方法として、リースバックが注目されやすくなっています。

住宅ローン返済負担と家計の圧迫が見えやすくなった

住宅ローンが残っている場合、返済が家計の固定費として長く効き続けます。家計の余力があるうちは問題が表面化しにくいですが、次のような変化が起きると負担が急に重く感じられます。

  • 退職や転職、働き方の変更で収入が下がった
  • 病気やケガで一時的に収入が途切れた
  • 教育費や親の介護など、別の支出が増えた
  • 事業の資金繰りが不安定になった

こうした局面では、「今すぐまとまった資金が必要」「毎月の支払い構造を組み替えたい」という課題が同時に発生しがちです。リースバックは、住み替えの手間を最小限にしながら資金化できるため、検討対象になりやすいのです。

不動産を活用した柔軟な資金調達ニーズが増えている

資金調達というと、まず融資を思い浮かべる人が多い一方で、実際には「借りる」こと自体が難しい、または心理的な抵抗があるケースもあります。年齢、職業、収入の安定性、既存借入、信用情報などで条件が合わないこともあります。

その点、リースバックは「借入」ではなく「資産の売却」をベースにするため、資金使途の自由度を重視する人や、審査ストレスを避けたい人からの関心が集まりやすい傾向があります。例えば、資金ニーズは生活費だけではありません。

  • 住宅ローンの整理や返済の一本化を進めたい
  • 相続を見据えて資産を現金化し、分けやすくしたい
  • 事業資金や納税資金など、期限がある支払いに備えたい
  • 離婚や家族構成の変化で、家の扱いを整理したい

「家はあるが現金が足りない」という状況は珍しくありません。現金が必要なタイミングは待ってくれないため、短期間で資金計画を立て直せる選択肢としてリースバックが検索されやすくなっています。

住み替えのハードルが上がりやすい現実がある

通常の売却や住み替えは、引っ越し、仮住まい、家探し、各種手続きがセットで発生します。特に高齢期は、環境が変わること自体が負担になりやすく、賃貸への入居審査や連帯保証の問題でつまずくこともあります。

そのため「資金は必要でも、生活拠点は動かしたくない」という需要が強く、住み続けられることを前提に検討できるリースバックへの関心が高まっています。

サービス提供が増え、比較検討しやすくなった

近年はリースバックを扱う事業者が増え、一般向けの解説記事やシミュレーション、無料査定など、情報に触れる入口が広がっています。ITに慣れた人ほど、複数社の条件を並べて比較し、売却価格と家賃のバランスを「数字で判断」しようとします。

情報が増えることは良い面がある一方で、条件差も見えやすくなります。だからこそ「リースバックとは何か」を調べる人が増え、背景まで含めて理解したいニーズが強まっているのです。

リースバックが注目されるのは、住まいを守りつつ資金課題を解決したい人が増えているからです。大事なのは“いくら受け取れるか”だけでなく、“その後の家賃を無理なく払い続けられるか”まで含めて、資金計画を現実的に組み直すことです。

リースバックの具体的な仕組みと流れ

リースバックは「不動産売却」と「賃貸」を同時に行う点が最大の特徴です。単なる売却やローンとは異なり、資金を確保しながら生活環境を変えずに済む仕組みとして成り立っています。この構造を正しく理解することで、契約後のミスマッチや後悔を防ぎやすくなります。

売却と賃貸を同時に行う基本構造

リースバックでは、所有している自宅をリースバック事業者に売却し、その売却と同時に賃貸借契約を結びます。

売買契約によって所有権は事業者へ移転しますが、賃貸借契約が同時に始まるため、売却後も同じ家にそのまま住み続けることができます。

このとき締結される主な契約は次の2つです。

  • 不動産売買契約
  • 不動産賃貸借契約

売却と賃貸が一体となっているため、通常の不動産売却のように引っ越しや仮住まいを用意する必要はありません。資金調達と居住継続を同時に実現できる点が、リースバック独自の仕組みです。

売却代金を一括で受け取る流れ

契約が成立すると、売却代金は原則として一括で受け取ります。資金の使い道に制限はなく、老後資金、住宅ローンの完済、事業資金、相続対策など、幅広い目的に活用できます。

住宅ローンが残っている場合でもリースバックは利用できますが、その場合は売却時に抵当権を抹消する必要があります。多くのケースでは、売却代金の一部を住宅ローン返済に充てる形で調整されます。

売却後は家賃を支払って住み続ける

売却後は賃貸借契約に基づき、毎月家賃を支払います。家賃は売却価格や物件評価、想定利回りなどをもとに設定されるため、一般的な賃貸相場とは必ずしも一致しません。

また、所有者が事業者に変わることで、次のような費用負担がなくなる点も重要です。

  • 固定資産税
  • 建物の大規模修繕費
  • マンションの場合の修繕積立金

一方で、家賃の支払いは長期的に続くため、将来の支払い計画を含めて検討することが欠かせません。

契約までの一般的なステップ

リースバックの流れは、概ね次のように進みます。

  • 相談・簡易査定の依頼
  • 現地調査による本査定
  • 売却価格・家賃・契約条件の提示
  • 売買契約と賃貸借契約の締結
  • 売却代金の受け取りと賃貸開始

事業者によっては、相談から契約まで最短数週間で完了するケースもあり、スピード感のある資金調達が可能です。

賃貸借契約の種類が住み続けられる期間を左右する

リースバックでは、賃貸借契約の種類が非常に重要です。主に次の2種類があります。

  • 普通借家契約
  • 定期借家契約

普通借家契約であれば、原則として更新が可能で、長期間住み続けられる可能性が高くなります。一方、定期借家契約の場合は契約期間満了で退去が前提となり、再契約は保証されません。

「ずっと住めると思っていたが、数年で退去を求められた」というトラブルは、契約形態の理解不足が原因で起こることが多いため、必ず事前に確認が必要です。

リースバックは売却と賃貸が同時に進む分、流れを理解しておくことがとても大切です。特に家賃と契約期間は将来の生活に直結します。仕組みを把握したうえで、無理のない計画を立てることが安心につながりますよ

リースバックのメリット

リースバックの強みは、「自宅を現金化する」と「今の家に住み続ける」を同時に成立させやすい点にあります。資金調達の手段として見ると、生活の安定を崩さずにキャッシュを確保し、固定費やリスクを組み替えられるのが本質です。

主なメリットは次のとおりです。

  • 引っ越し不要で生活環境を維持できる
  • 売却代金を一括で受け取りやすく資金繰りを立てやすい
  • 固定資産税など「所有コスト」から解放される
  • 支出が家賃中心に整理され見通しが立ちやすい
  • プライバシーを保ちやすく手続きが進めやすい

引っ越さずに資金を確保できる

通常の不動産売却では、売却後に住み替え先を探し、引っ越しや各種手続きを進める必要があります。リースバックは、住み慣れた環境を変えずに資金を手元に残せるため、生活の連続性を守りながら資金調達しやすいのがメリットです。

特に、家族の生活リズムや通院・介護、子どもの学区など「動かしにくい条件」がある場合でも、住まいを維持したまま計画を立てられます。

まとまった資金を短期間で用意しやすい

リースバックは「融資」ではなく「売却」による資金化です。資金を一括で受け取れる設計になりやすく、使い道に制限が少ないケースも多いので、資金繰りの立て直しや大きな支払いへの対応がしやすくなります。

ITの現場でいうと、突発コストに備えるキャッシュバッファを厚くしたり、返済スケジュールの圧縮や一本化で月次の資金管理を整えたりといった「キャッシュフロー改善の打ち手」として整理しやすい点が実務的な利点です。

固定資産税や維持費など所有コストの負担が減る

所有者が変わることで、固定資産税などの税負担が発生しなくなります。マンションの場合は、管理費・修繕積立金といった支出が「所有者側の負担」から外れる形になることもあり、家計の固定費構造を軽くできる可能性があります。

また、住まいの所有には、災害・老朽化・不動産価格の変動など、目に見えにくいリスクや追加コストがつきまといます。リースバックでは、こうした所有リスクから距離を取れる点もメリットです。

支出を家賃に寄せて見通しを立てやすい

持ち家は、税金・保険・修繕・設備更新など「発生時期が読みにくい支出」が混ざりやすい構造です。リースバックでは住居費が家賃中心に整理されるため、月々の支出を平準化しやすくなります。

資金調達後の家計は「入ってくるお金」より「出ていくお金の安定」が重要です。毎月の支出が読めると、貯蓄・返済・生活費の配分を設計しやすくなります。

近所に知られにくく進められる

自宅の売却は、内覧対応や売却活動の過程で周囲に気付かれやすいことがあります。リースバックは、住み続けながら手続きを進められるため、生活上の変化が表に出にくく、心理的負担を抑えやすいのがメリットです。

将来の選択肢を残しやすい

リースバックは、契約条件によっては「買い戻し」を検討できる場合もあります。将来の状況が変わったときに、住まいの扱いを再設計できる余地があるのは、資産整理を一気に確定させたくない人にとって利点になり得ます。

また、相続や財産整理の観点でも、不動産を現金化しておくことで分けやすくなる面があります。家族間の調整を「不動産そのもの」から「金額」に落とし込めると、話が前に進みやすくなるケースがあります。

リースバックは「住み続ける」と「資金確保」を同時に叶えやすい反面、家賃と契約条件が肝心です。メリットが自分の目的に直結しているか、受け取る資金と将来の支出をセットで見て判断してください。

リースバックのデメリットと注意点

リースバックは「自宅を売却して現金を受け取り、同じ家に賃貸で住み続ける」資金調達手段です。一方で、売却と賃貸を同時に行う性質上、一般的な不動産売却や賃貸よりも“契約後に後悔しやすい落とし穴”がいくつかあります。ここでは、資金調達を目的に検討する方がつまずきやすいポイントを、実務目線で整理します。

売却価格が市場価格より低くなりやすい

リースバックは、多くの場合「仲介で高く売る」のではなく「事業者が買い取る」形になります。事業者は購入後の空室・修繕・再販・賃貸管理などのリスクとコストを見込むため、売却価格は相場より低く提示されやすいです。

特に注意したいのは、売却価格だけを見て判断してしまうことです。手元に残る金額は、ローン残債の精算や諸費用の差し引き後になります。結果として「想定より手元資金が残らない」ケースが起こり得ます。

価格面で起きやすい失敗

  • 相見積もりを取らず、提示額が妥当か判断できないまま進める
  • 「早く現金化したい」焦りで条件交渉の余地を捨ててしまう
  • 住み続けることを優先して売却価格の妥協が大きくなり、後から資金計画が崩れる

自宅の名義が変わり資産としての自由度が下がる

リースバックでは所有権が買主に移転します。ここは「住み続けられる」印象が強い反面、資産としては手放している点が重要です。

名義が変わることで、相続・贈与・担保活用など「持ち家だからできたこと」ができなくなります。将来、お子さんに家を残したい場合は特に影響が大きく、感情面の納得も含めて判断が必要です。

また、持ち家であれば自由にできたリフォームや設備更新も、賃貸になれば原則として貸主の承諾が必要になります。住み心地を維持するつもりが、思うように手を入れられず不満になるケースもあります。

家賃負担が長期化し家計を圧迫する可能性がある

売却によってローン返済や固定資産税などの負担が軽くなる一方で、以後は「毎月の家賃」が発生します。資金調達として成功しているかどうかは、受け取った現金と家賃負担をセットで見ないと判断できません。

注意点は、家賃が“払えるか”だけでなく“払い続けられるか”です。年金生活への移行、事業収入の変動、医療費の増加など、将来の支出変動を織り込んでおかないと、数年後に家賃が重くのしかかります。

家賃で見落としやすいチェック項目

  • 家賃の改定(値上げ)条項があるか
  • 更新時に条件変更の可能性があるか
  • 滞納時の扱い(猶予、遅延損害金、解除条件)がどうなっているか

家賃が払えなくなると、住み続けられる前提そのものが崩れます。資金調達としては「売却後が本番」だと捉えて、家賃支払いを含む長期の収支計画が欠かせません。

契約形態によって住み続けられないリスクがある

リースバックは「ずっと住める」と思われがちですが、賃貸借契約の種類次第で現実は変わります。ここが最大の注意点です。

普通借家契約と定期借家契約の違い

  • 普通借家契約:更新が前提になりやすく、長く住める可能性が高い
  • 定期借家契約:期間満了で終了し、再契約は貸主の判断次第になる

長く住みたい方ほど、契約期間、更新・再契約の可否、再契約時の条件(家賃や契約年数)が具体的にどう定められているかを、契約書で確認する必要があります。口頭説明だけで安心しないことが大切です。

買い戻しは「できることもある」だけで確約ではない

リースバックには「将来買い戻せる可能性がある」という説明がされることがあります。ただし、買い戻しは自動的な権利ではなく、条件設定が極めて重要です。

買い戻しを期待している場合は、少なくとも次の点が書面に落ちていないと、後で話が食い違いやすくなります。

  • 買い戻しの可否が契約書に明記されているか
  • 買い戻し価格の考え方(算定方法)が示されているか
  • いつまでに、どんな手続きで、誰が判断するのかが明確か

「いずれ買い戻せると思っていたのに条件が合わなかった」という後悔は、資金調達の出口戦略が崩れる原因になります。

売却先と賃貸の相手が同一とは限らない

リースバックでは、売却の相手と賃貸の貸主(管理会社)が同じとは限りません。契約更新や家賃交渉、修繕対応などの窓口が変わると、話が通りにくくなることがあります。

資金調達の安心感を高めるには、「誰が買主で、誰が貸主で、誰が管理するのか」を契約前に整理し、責任の所在をはっきりさせることが重要です。

住宅ローンが残っている場合は手続きの詰めが必要になる

住宅ローンが残っている状態でも検討できるケースはありますが、売却時に抵当権の抹消が必要になるなど、資金の流れが複雑になります。売却代金で残債を完済できるのか、完済できない場合に不足分をどうするのかで、選択肢が変わります。

資金調達目的で焦って進めるほど、ここを曖昧にしたまま契約しやすいので、売却代金の受け取り後に何が精算されるのかを、数字で確認しておくべきです。

デメリットは「売却価格が低い」「家賃が続く」だけじゃなくて、契約の種類や買い戻し条件しだいで“住み続ける前提”が崩れるところが本質です。売却額と家賃、契約期間と更新、買い戻しの書面化、相手先の信用、この4点をセットで確認すれば後悔はかなり減らせます

リースバックが向いているケース

リースバックは「自宅に住み続けながら資金を確保したい」という明確な目的がある場合に、有効に機能する資金調達手段です。単なる不動産売却やローンの代替ではなく、生活や資産状況に制約がある人ほど、その特性が活きてきます。ここでは、競合サイトの要素を踏まえつつ、実際にリースバックが向いている具体的なケースを整理します。

老後資金を確保しながら生活環境を変えたくない場合

年金収入だけでは将来の生活に不安があり、まとまった資金が必要でも、長年住み慣れた自宅を離れたくないという人は多くいます。リースバックであれば、自宅を現金化しつつ、同じ家にそのまま住み続けることができます。

高齢になるほど引っ越しや新たな賃貸契約の負担は大きくなりますが、リースバックでは転居が不要なため、精神的・身体的な負担を抑えながら資金を確保できます。年齢制限が設けられていない点も、老後資金対策として選ばれる理由の一つです。

住宅ローンや借入金の返済負担を整理したい場合

住宅ローンの返済が家計を圧迫している場合や、複数の借入金を抱えて資金繰りが厳しくなっている場合にも、リースバックは向いています。自宅を売却して得た資金でローンを完済・整理することで、毎月の返済負担から解放されます。

特に、金融機関からの追加借入や借り換えが難しい状況では、不動産担保ローンよりも柔軟に利用できる点が特徴です。競売や任意売却といった事態を避けながら、生活を維持できる選択肢として検討されるケースも少なくありません。

相続対策や資産整理を進めたい場合

相続を見据えて、早めに資産を整理しておきたい人にもリースバックは適しています。不動産は分割しにくい資産であり、相続人が複数いる場合はトラブルの原因になりがちです。

生前に自宅を現金化しておくことで、相続時の分配が明確になり、相続人間の争いを回避しやすくなります。売却後も住み続けられるため、「相続対策=住み替え」という固定観念に縛られず、柔軟な選択が可能です。

一時的に大きな資金が必要だが住み替えは避けたい場合

医療費や介護費、事業資金、家族の教育費など、用途を問わずまとまった資金が必要になる場面は少なくありません。リースバックは資金使途に制限がなく、売却代金を一括で受け取れるため、スピード感を重視したいケースにも向いています。

通常の不動産売却では、新居探しや仮住まいが必要になりますが、リースバックであれば生活拠点を維持したまま資金調達が可能です。近隣に知られずに進められる点を重視する人にも選ばれています。

リバースモーゲージやローンが条件に合わなかった場合

自宅に住み続けながら資金を得る方法として、リバースモーゲージを検討する人も多いですが、年齢制限や収入条件、物件条件が合わず利用できないケースがあります。その代替手段として、リースバックを選ぶケースも増えています。

リースバックは融資ではなく売却であるため、年齢や収入に関する制限が比較的少なく、マンションや一部の条件付き物件にも対応しやすい点が特徴です。ローン審査に不安がある人にとって、現実的な選択肢となります。

リースバックは「誰にでも向いている方法」ではありませんが、住み続けることを前提に資金を確保したい人にとっては非常に相性が良い仕組みです。自分の目的が老後資金なのか、返済整理なのか、相続対策なのかを整理したうえで検討することが大切です。条件次第で満足度は大きく変わるので、目的と期間を明確にすることが判断のポイントになります

リースバックと他の資金調達方法との違い

不動産を活用した資金調達には、リースバック以外にもいくつかの代表的な方法があります。どれも「自宅という資産をどう使うか」という点では共通していますが、所有権の扱い、資金の受け取り方、将来のリスクや制約には大きな違いがあります。ここでは、特に比較されやすい方法とリースバックの違いを整理します。

通常の不動産売却との違い

通常の不動産売却は、物件を第三者に売却し、その代金を一括で受け取るシンプルな方法です。一方で、売却後は引っ越しが前提となり、住み慣れた自宅を手放す必要があります。

リースバックは売却という点では同じですが、売却と同時に賃貸借契約を結ぶため、生活環境を変えずに資金を確保できます。引っ越し費用や新居探しの負担がなく、近隣に売却を知られにくい点も、通常の売却とは大きく異なるポイントです。

リバースモーゲージとの違い

リバースモーゲージは、自宅を担保に金融機関から融資を受ける仕組みです。所有権は手元に残り、毎月の返済は利息のみ、元本は契約終了時に清算されるケースが一般的です。

リースバックは融資ではなく売却のため、借入金や利息という概念がありません。その代わり、毎月の支払いは家賃になります。年齢制限や収入制限が設けられやすいリバースモーゲージに比べ、リースバックは利用条件の幅が広く、資金使途も自由度が高い点が特徴です。

不動産担保ローンとの違い

不動産担保ローンは、自宅を担保にして一括で資金を借り、元本と利息を返済していく方法です。所有権は維持できますが、返済が滞ると競売にかけられるリスクがあります。

リースバックは返済義務のある借入ではないため、毎月の支払いは家賃のみです。固定資産税や修繕費といった所有者負担もなくなりますが、所有権は移転します。この点は、資産を「守り続けたい」のか、「現金化して身軽になりたい」のかで評価が分かれる部分です。

任意売却との違い

任意売却は、住宅ローンの返済が困難になった場合に、金融機関と調整しながら不動産を売却する方法です。競売を回避できる点がメリットですが、売却後は原則として退去が必要になります。

リースバックは、ローン返済が厳しくなる前に活用することで、競売や任意売却に進む前の選択肢となります。資金繰りを改善しながら住み続けられる点で、性質は大きく異なります。

比較して見えてくるリースバックの位置づけ

他の資金調達方法と比べると、リースバックは「所有を続ける」ことよりも「生活を続ける」ことを重視した仕組みだといえます。資産価値を最大化する方法ではありませんが、住環境を維持しながらまとまった資金を確保したい人にとって、現実的な選択肢になります。

資金調達には正解が一つあるわけではありません。住み続けたいのか、所有にこだわりたいのか、将来の負担を軽くしたいのか。その優先順位を整理すると、リースバックが合うかどうかが自然と見えてきますよ

リースバックを検討する際の重要ポイント

リースバックは「売却で資金を確保すること」と「賃貸で住み続けること」を同時に成立させる取引です。だからこそ、売却価格だけで判断すると、あとから家賃や契約条件で想定外の負担が出やすいのが特徴です。検討段階で“住まいの継続”と“資金計画”を同じ比重で見直すことが、後悔を避ける最短ルートになります。

まず決めるべきは住み続けたい期間とゴール

最初に整理すべきは、「いつまで住み続けたいのか」と「資金を何に使うのか」です。住み続けたい期間が短期なのか、老後を通して長期なのかで、選ぶべき契約形態や家賃の許容ラインが大きく変わります。

加えて、資金の使い道も重要です。住宅ローンの完済、生活費、医療・介護費、事業資金、相続対策など目的が違えば、必要額・必要時期・残すべき手元資金(家賃の原資)が変わります。ここが曖昧なままだと、提示条件を比較しても「何が自分に有利か」が判断できません。

賃貸借契約の種類と契約期間は最重要

リースバックの“住み続けられるか”は、賃貸借契約の種類で決まります。特に確認したいのは以下です。

  • 普通借家契約か定期借家契約か
  • 契約期間と更新の可否、更新条件
  • 再契約になる場合の条件と、断られる可能性の扱い

長期で住み続けたいなら、更新の考え方がより安定しやすい普通借家契約かどうかは優先度が高い論点です。定期借家契約の場合は、期間満了時に退去が前提になり得るため、再契約の条件が具体的に明記されているかが生命線になります。

家賃条件は総額で見る

家賃は「月額の安さ」だけでなく、「将来の支払い総額」と「家賃改定のルール」をセットで見てください。とくに長期利用ほど、わずかな差が積み上がって効いてきます。

確認すべき観点は、家賃の金額そのものに加えて、共益費・管理費相当の扱い、支払い開始日、支払方法、遅延時の扱いまで含みます。売却代金を受け取った瞬間に安心しがちですが、賃貸が開始する以上、家賃の原資をどこに確保しておくかまで計画に落とし込みます。

家賃の値上げ条項は必ず読む

契約書に家賃改定(値上げ)の条項が入っていることは珍しくありません。「一定期間は据え置き」「改定する場合の基準」「協議が不調の場合の扱い」など、文章の中身でリスクは変わります。ここが曖昧だと、生活設計が立ちにくくなります。

売却価格の妥当性は相場と比較して判断

リースバックは一般的に市場価格より売却価格が低くなりやすい取引です。ただし「低いこと」と「不当に低いこと」は別問題です。重要なのは、相場感を自分の手で持つことです。

1社だけの提示で決めると、比較の軸がなくなります。複数社から売却価格と家賃を同時に出してもらい、「売却価格」「家賃」「契約条件」を一体で比較してください。売却価格が高くても家賃が高ければ意味が薄れますし、家賃が安くても契約期間が短ければ住み続けられない可能性があります。

初期費用と契約時の実費を見落とさない

賃貸借契約には、敷金・礼金・保証料・火災保険などの初期費用が絡むことがあります。リースバックでは売却代金から精算できるケースもありますが、清算の有無やタイミングは会社・契約内容で差が出ます。

「手元資金がほとんどないから大丈夫」と思い込まず、契約時点で何が差し引かれるのか、いつ支払うのか、領収・明細がどう出るのかを確認しておくと、資金繰りの事故を防げます。

買い戻しを考えるなら条件を文章で固定する

将来的に「やっぱり家を取り戻したい」と考える可能性があるなら、買い戻しの可否と条件を、契約書上の条項として明記しておく必要があります。口頭の説明だけでは、後から争点になりやすいからです。

確認したいのは、買い戻し価格の決まり方、期限、資金準備が間に合わない場合の扱い、第三者へ転売される可能性、買い戻しに必要な手続きと費用です。買い戻しを“選択肢”に残すだけで、将来の自由度は大きく変わります。

売却先と賃貸人が同一か運営体制を確認する

売却先と賃貸借契約の貸主(賃貸人)が同じかどうかは、運用のスムーズさに影響します。別会社が絡む場合、更新・再契約・修繕対応などで話が通りづらくなることがあります。

長く住むほど「契約後の付き合い」が現実になります。運営会社の実績、説明の丁寧さ、問い合わせ窓口の対応、契約書の開示姿勢まで含めて評価してください。強引な勧誘や、質問に対して回答が曖昧な場合は、それ自体が重要なサインです。

住宅ローンや抵当権がある場合の手続き確認

住宅ローンが残っている場合は、売却時に抵当権の抹消が必要になります。売却代金で完済できるのか、完済手続きの段取りは誰が主導するのか、決済当日の資金移動はどうなるのかを事前に詰めておくと安心です。

「売れそうか」だけではなく、「確実に決済できるか」「決済日までに何を準備するか」が資金調達の成否を左右します。急ぎの資金ニーズがあるほど、ここは具体的に確認しておくべきポイントです。

ITで失敗を減らすための比較と管理のやり方

リースバックは比較項目が多く、記憶だけで整理すると判断ミスが起きます。ITを使って意思決定の質を上げるのが有効です。最低限、以下を一つのメモやスプレッドシートで管理すると、条件比較が一気に楽になります。

  • 売却価格、家賃、契約期間、契約形態、更新可否
  • 家賃改定条項の有無、初期費用、買い戻し条件
  • 貸主の体制、連絡手段、回答の早さ、説明の一貫性

契約書や重要事項説明書は、受領日・版数・修正点を記録し、データで保管しておくと「言った言わない」を避けられます。資金調達を目的にするほどスピードが出やすい取引なので、情報の整理と証跡の保存が、そのまま安全性につながります。

リースバックは条件の組み合わせで結果が変わるので、売却価格だけで決めずに、契約形態と更新、家賃の総額、買い戻し条件、運営体制を“セット”で確認すると失敗しにくいです。比較表を作って、疑問が残る会社は無理に進めないのがコツです

順位商品名会社名ポイント本社所在地(都道府県)上場対応エリア実績査定スピード資金化までの日数再購入できない期間通常の賃貸借契約契約期間住み続ける期間資金使途査定・審査手数料事務手数料査定額設定賃料(リース料)年齢保証人利用条件審査可能物件審査不可物件売却後の選択肢その他サービス・独自特典公式サイト
1位セゾンファンデックス/リースバック株式会社セゾンファンデックスセゾングループの信頼性。事務手数料等の初期費用が比較的安価東京都非上場※セゾングループ全国-最短即日最短2週間--3年-自由0円---20歳以上原則不要安定した収入
不動産名義人全員の同意
売却価格が住宅ローン残債を上回る
個人:所有物件(戸建て、マンション)
法人・個人事業主の場合:所有物件(オフィスビル、事務所、社員寮、自宅、作業場、工場、店舗など)
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・ホームネットのハローライト
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2位一建設/リースバックプラス一建設株式会社「標準」と「優遇」プランあり。最大1年間の賃料無料など特典が充実東京都非上場※東証一部上場飯田グループホールディングスの子会社全国分譲住宅販売戸数日本一の飯田グループホールディングス1日~3日最短2週間-1年~5年普通賃貸借契約は、延長自由。定期借家契約は、延長不可1年~5年自由0円--※定期借家契約の場合は、1年目家賃無料20歳以上不要売却価格が住宅ローン残債を上回るどのような物件も取り扱い可能-○普通賃貸借契約
継続
退去
買戻し(再購入)
○定期借家契約
退去
買戻し(再購入)
○定期借家契約
最大1年間家賃無料
売却益の一部キャッシュバック
(オプション:はじめの住み替え)
引っ越し費用無料
査定価格アップ
○普通賃貸借契約
住めば住むほど再購入価格が下がる
○共通
3年目以降、新築戸建てに住み替え可能
不要資金預入制度
売却益還元制度
はじめごあいさつコール(65歳以上)
ファストドクター
24時間ホームセキュリティ
会員様限定優待サービス
駆けつけサービス
暮らし相談サービス
お手伝いサービス
公式サイト
3位SBIスマイル/ずっと住まいるSBIスマイル株式会社SBIグループの資金力。資金使途が自由で引越し費用も不要東京都非上場※SBIグループ全国-仮査定は最短即日/正式査定は、2営業日~3営業日2週間~1カ月前後-契約期間をお客様と協議し決定-自由0円0円----売却価格が住宅ローン残債を上回る--継続
退去
買戻し(再購入)
引越しお祝い金制度公式サイト
4位あなぶきのリースバック穴吹興産株式会社西日本に強いあなぶきグループ。マンション管理の知見を活かした対応香川県東証スタンダード上場東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・京都・香川・高知・徳島・愛媛・広島・岡山・福岡全国供給戸数ランキング8位(2021年6月30日現在)最短1日での回答最短1週間-○普通賃貸借契約(更新可)相談により対応可能普通賃貸借契約は、延長自由自由0円0円相場の成約相場価格の70%前後。※立地や築年数によって変動-20歳以上不要売却価格が住宅ローン残債を上回る専有面積40㎡以上
築年数10年以上
RC造、もしくはSRC造
戸建て継続
退去
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70歳以上の方
・セコムのホームセキュリティ
公式サイト
5位ミライエ/リースバック株式会社ミライエ任意売却や競売回避の専門企業。他社で断られた案件も柔軟に審査東京都非上場北海道・東北・関東・中部-最短即日~1週間1カ月以内---自由0円------どのような物件も取り扱い可能-継続
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-公式サイト
6位インテリックス/あんばい株式会社インテリックスリノベーション大手。2年間の定期借家契約が基本(再契約相談可)東京都東証一部上場全国累計20,000戸以上のリノベーション住宅 施工・販売実績査定依頼から1週間~10日半月~1カ月前後契約開始より2年間-2年2年間、延長自由自由0円--周辺の家賃相場、お客様の支払可能額を考慮して設定20歳以上不要安定した収入
不動産名義人全員の同意
売却価格が住宅ローン残債を上回る
事業用地
マンション・戸建・土地・ビル・店舗等どのような物件も取り扱い可能
借地上の建物
住宅ローンの残債がご所有の不動産の査定額より大きい方
弊社でのお取扱が難しい地域の場合
継続
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7位伊藤忠の住宅リースバック伊藤忠ハウジング株式会社伊藤忠商事グループの総合力。都心部のマンション・戸建てに強み東京都-全国-------自由-----不要売却価格が住宅ローン残債を上回るどのような物件も取り扱い可能-継続
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8位明和地所のリースバック明和地所株式会社マンションデベロッパー系。最短即日の現金化や買戻し特約など柔軟東京都東証一部上場首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)と札幌市内-1日~3日最短2週間--2年2年ごとの延長自由自由0円---20歳以上不要売却価格が住宅ローン残債を上回る居住用マンションのみ戸建て継続
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9位スター・マイカのマンションリースバックスター・マイカ株式会社リノベマンション大手。マンションに特化しており高値売却に期待東京都非上場※東証一部上場企業スター・マイカ・ホールディングスの子会社関東エリア(東京、神奈川、埼玉、千葉)、関西エリア(大阪、京都、兵庫)、札幌、仙台、名古屋、福岡等の地方政令都市中古マンション買取累計11,000件以上-最短1週間--2年契約期間は応相談自由0円---20歳以上不要売却価格が住宅ローン残債を上回るファミリータイプ(30㎡~)の分譲マンションのみ戸建て継続
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70歳以上の単身者の方
HOME ALSOK みまもりサポート
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10位センチュリー21/リースバック「売っても住めるんだワン!!」株式会社センチュリー21・ジャパン国内最大級の店舗ネットワーク。地域密着型で全国どこでも相談可能東京都ジャスダック上場全国--半月~1カ月前後--2年2年間、延長自由自由0円-近隣の売買事例等を参考に設定近隣の家賃相場を参考に設定20歳以上不要売却価格が住宅ローン残債を上回るどのような物件も取り扱い可能借地上の建物(所有者と調整の上利用できるケースもある)
住宅ローンの残債がご所有の不動産の査定額より大きい方
弊社で経験のない地域
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11位長谷工のリースバック株式会社長谷工リアルエステートマンション施工大手の長谷工グループ。直接買取で仲介手数料が不要東京都非上場※東証一部上場企業谷工コーポレーションの子会社首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)※取扱いできない地域ありグループ会社がマンション建設No.1-----------年齢制限なし不要売却価格が住宅ローン残債を上回るどのような物件も取り扱い可能借地上に建てられた不動産継続
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