住宅ローンが残っていても使える?リースバックで資金調達する方法と判断ポイント完全整理



目次

リースバックと住宅ローンの関係を正しく理解する

リースバックを検討する際、最初に整理すべきなのが住宅ローンとの関係です。

結論から言うと、リースバックは「ローンの延長」や「借り換え」ではなく、不動産を売却する取引です。この前提を誤解したまま進めると、判断を誤りやすくなります。

リースバックは売却であり借り換えではない

リースバックは、自宅を不動産会社などに売却し、その後は賃貸契約を結んで住み続ける仕組みです。

住宅ローンの返済条件が緩和されたり、返済期間が延びたりするものではありません。

売却が成立した時点で所有権は買主に移転します。

そのため、売却代金をどのように使うか、住宅ローンをどう処理するかは、売主自身の資金計画として整理する必要があります。

住宅ローンが残っている場合、多くのケースでは売却代金を使ってローンを完済することが前提になります。

この点が、リースバックを「資金調達」として考える際の重要なポイントです。

住宅ローンが残っているときの基本的な考え方

住宅ローンが残っている状態でリースバックを検討する場合、最初に確認すべきなのは以下の点です。

  • 現在の住宅ローン残高はいくらか
  • 想定される売却価格はいくらか
  • 売却代金でローンを完済できるか

この関係性によって、リースバックが現実的かどうかが大きく変わります。

売却価格が住宅ローン残高を上回る状態は「アンダーローン」と呼ばれ、リースバックが成立しやすい条件です。

一方で、売却価格がローン残高を下回る「オーバーローン」の状態では、原則としてそのままでは進められません。

重要なのは、リースバックを申し込む前に、必ず住宅ローン残高を正確に把握しておくことです。

概算や記憶に頼るのではなく、金融機関の残高証明などを基に判断することが現実的です。

抵当権と売却の関係性

住宅ローンを組んでいる不動産には、金融機関の抵当権が設定されています。

抵当権とは、返済が滞った場合に金融機関が不動産を処分できる権利です。

この抵当権が残ったままでは、通常の売却やリースバックは事実上成立しません。

なぜなら、買主側から見ると、いつ差し押さえが起きるかわからない物件を取得するリスクが高いためです。

そのため、リースバックを成立させるには、売却と同時に住宅ローンを完済し、抵当権を抹消することが求められます。

売却代金で完済できる場合は問題ありませんが、不足が出る場合は自己資金で補填する必要があります。

ここで大切なのは、リースバックは「金融機関との交渉でローンを残したまま住み続ける仕組み」ではないという点です。

あくまで不動産取引であり、住宅ローン契約とは切り離して考える必要があります。

リースバックは住宅ローンの代替手段ではなく、不動産を売却して現金化する選択肢です。ローン残高と売却価格、抵当権の関係を正しく整理することが、後悔しない判断につながります

住宅ローンが残っていてもリースバックできるケース

住宅ローンが残っている状態でも、一定の条件を満たせばリースバックが成立するケースはあります。重要なのは「住宅ローンがあるかどうか」ではなく、「売却時にローンをどう処理できるか」という点です。ここを正しく理解していないと、リースバックが可能かどうかを誤って判断してしまいます。

まず代表的なのが、いわゆるアンダーローンの状態です。これは、不動産の売却価格が住宅ローンの残債を上回っている状態を指します。この場合、リースバックによる売却代金で住宅ローンを完済できるため、抵当権を抹消したうえで売却が可能になります。抵当権が外れた不動産であれば、リースバック会社は問題なく購入でき、そのまま賃貸借契約に移行できます。

アンダーローンかどうかを判断するためには、感覚的な相場観ではなく、現在の住宅ローン残高と実際の売却想定価格を数値で把握することが欠かせません。リースバックの場合、売却価格は一般的な市場価格よりも低く設定される傾向があります。目安としては、市場価格の7割から9割程度になることが多いため、通常売却での査定額ではなく、リースバック前提での買取価格を確認する必要があります。

次に、売却代金で住宅ローンを完済できるケースです。これはアンダーローンと重なりますが、実務上は「完済できるかどうか」がより重要な判断基準になります。売却代金から仲介手数料や諸費用を差し引いた後でも、ローン残債をすべて返済できる状態であれば、金融機関としても抵当権抹消に応じることができます。

一方で、売却代金だけでは完済にわずかに届かない場合でも、自己資金を一部補填することで成立するケースもあります。たとえば、売却代金でローン残高の大半を返済でき、差額を預貯金などで補える場合です。この場合も結果的に住宅ローンは完済されるため、リースバック自体は可能になります。ただし、資金調達が目的なのに自己資金を大きく減らすことになるため、慎重な判断が必要です。

また、金融機関の同意が必要になる場面も存在します。住宅ローンが残っている物件には抵当権が設定されており、これを抹消せずに売却することは現実的ではありません。そのため、売却と同時にローンを完済する前提で、金融機関と事前に調整を行う必要があります。多くの場合、売却代金で完済できる見込みが立っていれば、金融機関が売却を拒む理由はありません。

ただし、返済状況や過去の延滞履歴などによっては、金融機関との調整に時間がかかることもあります。リースバックをスムーズに進めるためには、不動産会社だけでなく、金融機関とのやり取りを含めた全体の段取りを理解している会社に相談することが重要です。

このように、住宅ローンが残っていてもリースバックできるかどうかは、「アンダーローンであること」「売却代金でローンを完済できること」「金融機関の抵当権を適切に処理できること」が大きな判断ポイントになります。単にローンが残っているという理由だけで、リースバックを諦める必要はありません。

住宅ローンが残っていても、売却代金で完済できるかどうかが分かれ目になります。まずは残債と現実的な売却価格を冷静に整理してから判断することが大切です

住宅ローンがあるとリースバックが難しいケース

住宅ローンが残っている状態でもリースバックが成立する可能性はありますが、すべてのケースで利用できるわけではありません。特に資金調達を目的として検討している場合、事前に「どの条件が揃うと難しくなるのか」を把握しておかないと、想定していた計画が大きく崩れることがあります。

ここでは、住宅ローンがあることでリースバックが成立しにくくなる代表的なケースを整理します。

オーバーローンの状態にある場合

最も大きな壁になるのがオーバーローンです。これは、不動産の売却価格よりも住宅ローンの残債が多い状態を指します。

リースバックは仕組み上「売却」が前提となるため、売却代金で住宅ローンを完済できないと、金融機関が抵当権の抹消を認めません。抵当権が残ったままでは、実質的に第三者へ安全に売却できないため、リースバック会社も取引を進められなくなります。

この状態では、以下のいずれかが求められます。

  • 自己資金で不足分を補填し、ローンを完済する
  • 金融機関と交渉し、例外的な合意を得る

ただし、実務上は自己資金補填ができない限り、リースバック成立は極めて難しいのが現実です。

売却価格と残債の差が大きい場合

オーバーローンとまでは言えなくても、売却想定価格と住宅ローン残債の差がほとんどない場合も注意が必要です。

リースバックの売却価格は、一般的な市場価格より低めに設定される傾向があります。将来の再売却リスクや賃貸期間中の管理コストを織り込むためです。そのため、

  • 市場価格では完済できそう
  • しかしリースバック価格ではギリギリ、または不足

というケースは珍しくありません。

この場合、わずかな価格差が原因で金融機関の同意が得られず、話が止まってしまうことがあります。

抵当権者の同意が得られない場合

住宅ローンが残っている不動産には、金融機関の抵当権が設定されています。リースバックを行うには、この抵当権を抹消する必要があり、必ず金融機関の同意が必要になります。

以下のような状況では、同意が得られにくくなります。

  • 返済状況が不安定、または滞納歴がある
  • 売却後の返済計画が不明確
  • 売却価格が低く、回収リスクが高いと判断される

金融機関にとっては「確実にローンを回収できるか」が最優先です。そのため、リースバックの仕組み自体に問題がなくても、信用面や数字の整合性が取れないと否定される可能性があります。

自己資金の補填が現実的でない場合

オーバーローン時の対処として自己資金補填がありますが、これが現実的でないケースも多く見られます。

  • 資金調達そのものが目的で、手元資金が少ない
  • 老後資金や事業資金として現金を温存したい
  • 補填後に生活資金が不足する

こうした状況では、形式上は可能でも、実際にはリースバックを選択できないケースになります。

住宅ローン以外の条件が重なる場合

住宅ローンの問題に加えて、物件や契約条件が重なると、さらに難易度が上がります。

  • 共有名義で全員の同意が取れない
  • 建物や土地に流通性の問題がある
  • 家賃支払い能力に懸念がある

これらが複合すると、住宅ローンがネックとなり、リースバックの選択肢から外れることがあります。

住宅ローンがあるからといって即リースバック不可ではありませんが、売却価格でローンを完済できるかが最大の分岐点です。まずは残債と現実的な売却価格を正確に把握し、数字ベースで判断することが失敗を避ける近道です

リースバックと他の資金調達手段との違い

住宅ローンが残っている状態で資金調達を考えると、リースバック以外にも複数の選択肢が浮かびます。不動産担保ローン、リバースモーゲージ、通常売却や任意売却などが代表例です。それぞれは似ているようで性質が大きく異なり、選び方を誤ると資金繰りや生活に大きな影響が出ます。ここではリースバックを軸に、他の手段との違いを整理します。

不動産担保ローンとの違い

不動産担保ローンは、所有している不動産を担保にして金融機関からお金を借りる方法です。所有権は自分のままで、資金調達後も住み続けられる点はリースバックと似ていますが、本質は「借入」です。

最大の違いは負債の増え方にあります。不動産担保ローンでは借金が増え、毎月の返済義務と利息負担が発生します。審査では年収や返済能力が重視され、事業状況や信用情報によっては利用できないこともあります。

一方、リースバックは不動産を売却して現金化する仕組みです。借入ではないため負債は増えず、審査も基本的に不要です。その代わり、売却後は家賃を支払う立場になります。資金調達後の負担が「返済」なのか「家賃」なのか、この違いが判断の分かれ目になります。

リバースモーゲージとの違い

リバースモーゲージは、高齢者向けに自宅を担保として生活資金などを借りる制度です。生存中は返済負担が軽く、死亡後に不動産を売却して一括返済する仕組みが一般的です。

リースバックとの大きな違いは、年齢制限と資金使途の制約です。リバースモーゲージは高齢者限定で、使途も生活費や医療費などに限定されることが多く、事業資金などには使えないケースがあります。また、融資上限は評価額の一部に抑えられます。

リースバックは年齢制限がなく、資金使途も自由です。老後資金だけでなく、事業資金や一時的な資金繰り改善にも使えます。その反面、売却価格は市場価格より低くなりやすく、家賃負担が発生します。

通常売却との違い

通常の不動産売却は、最もシンプルな現金化手段です。市場価格で売却できる可能性が高く、資金面だけを見ると有利に見えます。

ただし、売却後は原則として退去が必要です。住宅ローンが残っている場合は、売却代金で完済できなければ成立しません。生活拠点を変えずに資金調達したい人にとっては、大きなハードルになります。

リースバックは売却という点では同じですが、賃貸として住み続けられる点が決定的に異なります。生活を維持したまま現金化できる点に価値を感じるかどうかが、通常売却との違いになります。

任意売却との違い

任意売却は、住宅ローンを滞納している場合などに、金融機関の合意を得て不動産を売却する方法です。オーバーローンでも実行できる点が特徴ですが、基本的には債務整理の一環です。

任意売却では、売却後に住み続けることは原則できません。信用情報への影響も避けられず、将来の金融取引に制約が残る可能性があります。

リースバックは、ローンを完済できる前提が必要ですが、信用情報への直接的な悪影響はなく、生活を継続できます。資金調達というより「資産の組み替え」に近い位置づけである点が、任意売却との大きな違いです。

リースバックが向いている立ち位置

これらを整理すると、リースバックは次のような立ち位置にあります。

  • 借金を増やさずに不動産を現金化したい
  • 引っ越しや生活環境の変化を避けたい
  • 年齢や職業、資金使途の制限を受けたくない

一方で、売却価格が下がることや家賃負担を受け入れられない場合は、他の手段の方が合うこともあります。重要なのは「今の課題が返済負担なのか、生活維持なのか、時間なのか」を見極めることです。

リースバックは万能な資金調達ではありませんが、借金を増やさず住み続けながら現金化できる点は他の手段にはない特徴です。住宅ローンの状況と目的を整理したうえで、どの手段が一番リスクが少ないかを冷静に考えることが大切です

住宅ローン返済中にリースバックを使うメリット

住宅ローンを返済中の状態でもリースバックを選ぶ最大の価値は、「資金調達」と「生活の維持」を同時に成立させられる点にあります。単なる売却や借り換えとは異なり、資産の形を変えながら現実的な問題解決につなげられることが特徴です。

まず大きなメリットとして挙げられるのが、借金を増やさずにまとまった資金を確保できる点です。リースバックは融資ではなく売却にあたるため、住宅ローン以外の新たな借入を行う必要がありません。事業資金や生活費、医療費、教育費など、資金使途に制限がない現金を一括で受け取れるため、審査や資金用途の縛りに悩まされがちな不動産担保ローンや事業ローンと比べて自由度が高い選択肢になります。

住宅ローンの返済が続いている場合、金融機関からの追加融資は難しくなる傾向があります。その点、リースバックは年収や勤務先、事業実績よりも不動産の価値が重視されるため、資金調達のハードルが相対的に低くなります。返済能力の低下を理由に選択肢が狭まっている方にとって、現実的な出口になりやすい点は見逃せません。

次に、引っ越しをせずに資金調達ができる点も大きな利点です。住宅ローンが残っている状況で通常売却を選ぶと、住み替え先の確保や引っ越し費用、生活環境の変化といった負担が一気に発生します。リースバックであれば、売却後は賃貸として住み続ける形になるため、生活スタイルや家族の環境を変えずに済みます。

特に、子どもの通学や仕事の拠点、近隣との関係性を維持したい方にとって、「住み続けられる」という要素は金銭面以上に重要な判断材料になります。住宅ローン返済のプレッシャーを軽減しつつ、生活の安定を確保できる点は、他の資金調達手段にはないメリットです。

また、資金化までのスピードが比較的早いことも、返済中の方には有効です。リースバックは仲介売却と比べて買主が事前に決まっているケースが多く、条件が整えば短期間で現金を受け取れる可能性があります。住宅ローンの支払いが差し迫っている状況や、急な資金需要がある場合でも、現実的な対応がしやすくなります。

さらに、固定資産税や大規模修繕費といった所有者負担から解放される点も、見落とされがちですが重要です。住宅ローン返済中は、ローン返済に加えて税金や修繕費が継続的に発生します。リースバック後は所有権が移転するため、これらの負担が原則不要となり、毎月の支出構造をシンプルにできます。

月々の支払いが「ローン+税金+修繕費」から「家賃」に一本化されることで、家計管理がしやすくなる点も、返済に不安を抱えている方にとっては実務的なメリットです。特に、将来の大規模修繕リスクを避けたい場合には、心理的な負担軽減にもつながります。

相続や資産整理の観点からも、住宅ローン返済中のリースバックは意味を持ちます。不動産を現金化することで、将来の相続時に分けにくい不動産を巡るトラブルを回避しやすくなります。ローン残債がある状態で不動産を残すよりも、整理された形で次の世代に引き継げる点は、長期的な視点でのメリットといえます。

ただし、これらのメリットは「売却価格で住宅ローンを完済できること」が前提になります。アンダーローンの状態であることが条件になるため、自身のローン残高と想定売却価格を正確に把握したうえで検討する必要があります。

住宅ローン返済中のリースバックは、単なる資金調達ではなく、借金を増やさずに生活を守るための選択肢です。現金化、住み続ける安心、将来の整理まで含めて考えると、状況次第では非常に合理的な手段になります。メリットが活きる条件を冷静に見極めることが大切です

住宅ローン残債がある人が注意すべきリスク

住宅ローンが残った状態でリースバックを検討する場合、表面的なメリットだけで判断すると、後から想定外の負担や制約に直面することがあります。資金調達を目的とするからこそ、見落としやすいリスクを事前に理解しておくことが重要です。

まず注意したいのが、売却価格が一般的な市場相場よりも低くなる可能性です。リースバックは通常の不動産売却と異なり、購入後に一定期間賃貸として運用する前提の取引になります。そのため、買い手側は将来の空室リスクや再販リスクを織り込んだ価格を提示します。結果として、市場価格の7割から9割程度に抑えられるケースが多く、住宅ローン残債がある場合は、完済できるかどうかの境界線が非常にシビアになります。

次に、売却後に発生する家賃負担です。住宅ローンを完済できたとしても、リースバック後は「借り手」として毎月の賃料を支払う立場に変わります。家賃は売却価格をもとに設定されるため、周辺の賃貸相場より割高になることも珍しくありません。ローン返済がなくなった安心感だけで判断すると、長期的な家計負担がむしろ重くなる可能性があります。

また、将来的に買い戻しを想定している場合は、その条件と価格にも注意が必要です。多くのリースバック契約では、買い戻し価格が売却時よりも高く設定されます。目安としては1.1倍から1.3倍程度になることが一般的で、住宅ローン完済後に再取得したいと考えても、資金面で現実的でなくなるケースがあります。さらに、買い戻しが可能な期間や条件は契約によって異なり、期間を過ぎると選択肢自体がなくなることもあります。

住宅ローンが残っている人特有のリスクとして、金融機関との関係も見逃せません。抵当権が設定されている場合、売却には金融機関の同意が前提になります。売却価格が残債を下回る可能性が少しでもあれば、交渉が難航したり、リースバック自体が成立しなかったりすることがあります。時間的な余裕がない状況では、条件面で不利な判断を迫られるリスクも高まります。

さらに、賃貸借契約の内容によっては、将来の居住継続が保証されない点も重要です。定期借家契約の場合、契約期間満了後に更新できず、退去を求められる可能性があります。住宅ローンを完済できた安心感と引き換えに、住み続けられる前提が崩れるリスクがあることは理解しておく必要があります。

  • 売却価格が相場より低くなり、残債完済ラインが厳しくなる
  • 売却後は家賃支払いが発生し、長期的な固定費が増える
  • 買い戻し価格が高く設定され、再取得が現実的でなくなる
  • 抵当権抹消や金融機関の同意に時間と調整が必要になる
  • 契約内容次第で将来の居住が保証されない可能性がある

住宅ローンが残っている状態でのリースバックは、資金調達として有効な選択肢になる一方、売却価格、家賃、買い戻し条件の三点を冷静に見ないと後悔につながりやすいです。数字と契約条件を一つずつ確認することが大切です

リースバックを検討する前に必ず確認すべきポイント

リースバックは、住宅ローンが残っていても資金調達できる可能性がある一方で、事前確認を怠ると「想定と違った」「結果的に負担が重くなった」と後悔につながりやすい手法です。特に住宅ローン返済中の場合は、通常の不動産売却以上に確認すべき論点が多く、感覚的な判断は避ける必要があります。

住宅ローン残高を正確に把握できているか

最初に必ず行うべきなのは、住宅ローン残高を正確に把握することです。「おおよそこのくらい残っている」という認識では判断材料として不十分です。金融機関から発行される残高証明書などを用いて、元金残高、抵当権の設定内容、完済に必要な金額を正確に整理しておく必要があります。

リースバックは売却を前提とした取引のため、売却代金で住宅ローンを完済できない場合、原則として成立しません。売却価格がローン残債を下回るオーバーローンの状態では、自己資金での補填や金融機関の個別同意が必要になり、実現のハードルが大きく上がります。

想定売却価格とローン残債の関係を冷静に確認できているか

次に確認すべきなのが、リースバック時の想定売却価格です。リースバックの売却価格は、一般的な市場売却と比べて低くなる傾向があります。多くの場合、市場価格の7割から9割程度が一つの目安になります。

そのため、「近隣相場ではこれくらいで売れそう」という期待値だけで判断すると、実際の条件との差に戸惑うことになります。売却価格と住宅ローン残債の差を事前に整理し、ローン完済後に手元に残る資金はいくらか、あるいは補填が必要になるのかを明確にしておくことが重要です。

売却後の家賃負担を現実的に支払えるか

リースバック後は所有者ではなく賃借人となり、毎月家賃を支払う立場になります。この家賃は周辺の賃貸相場だけで決まるものではなく、売却価格を基準に算出されるケースが多く見られます。

一般的には、売却価格の年10%前後を12分割した金額が月額家賃の目安とされます。一時的な資金調達が目的であっても、毎月の家賃が家計や事業資金を圧迫しないか、長期的な視点で検討する必要があります。

契約形態と居住期間の条件を理解しているか

リースバックの賃貸借契約には、普通借家契約と定期借家契約があります。特に注意が必要なのが定期借家契約で、契約期間が満了すると原則として退去が必要になります。

「売却後もずっと住み続けられる」と思い込んで契約してしまうと、数年後に想定外の住み替えを迫られるリスクがあります。居住できる期間、更新の可否、途中解約時の条件などは、契約書の内容まで踏み込んで確認しておくことが欠かせません。

将来的な買い戻しを考えているかどうか

リースバックは、将来的に不動産を買い戻せるケースもありますが、その条件は契約時点で決められています。買い戻し価格は売却価格より高く設定されるのが一般的で、目安としては1.1倍から1.3倍程度になることが多いです。

また、買い戻しが可能な期間にも制限があります。「いずれ余裕ができたら買い戻せばいい」と曖昧に考えるのではなく、買い戻しを前提にするのか、完全に手放すつもりなのかを事前に整理しておくことが重要です。

他の資金調達手段と比較検討できているか

リースバックは有効な資金調達手段の一つですが、唯一の選択肢ではありません。不動産担保ローンやリバースモーゲージ、通常売却などと比較し、「借金を増やしたくないのか」「住み続けることを最優先したいのか」「短期間だけ資金が必要なのか」といった目的を整理する必要があります。

目的と手段が噛み合っていない状態でリースバックを選ぶと、結果的に不利な条件を受け入れてしまう可能性があります。

複数の事業者に条件を確認しているか

リースバックの条件は、不動産会社ごとに大きく異なります。売却価格、家賃、契約期間、買い戻し条件などは一律ではありません。

一社の提案だけで判断せず、複数社の条件を比較することで、不要なリスクや不利な条件を避けやすくなります。特に住宅ローンが残っている場合は、金融機関との調整経験が豊富な事業者かどうかも重要な判断材料になります。

リースバックは住み続けながら資金調達できる便利な仕組みですが、住宅ローンが残っている場合は数字と契約条件の確認がすべてです。感覚ではなく、売却価格、残債、家賃、契約内容を一つずつ整理して判断することが、後悔しないための近道です

住宅ローンがある状態で後悔しないための進め方

住宅ローンが残った状態でリースバックを検討する場合、最大の失敗要因は「仕組みを理解しないまま話を進めてしまうこと」です。売却による資金調達は一見シンプルに見えますが、住宅ローンが絡むと判断を誤った瞬間に取り返しがつかなくなる可能性があります。ここでは、実務上の流れと判断ポイントを整理し、後悔しないための進め方を具体的に解説します。

最初にやるべきは住宅ローン残高と完済条件の把握

リースバックを前提に話を進める前に、必ず住宅ローンの正確な残高と完済条件を把握する必要があります。感覚的に「まだ1,000万円くらい残っているはず」といった認識では判断できません。

金融機関から最新の返済予定表や残高証明書を取得し、以下を明確にします。

  • 正確なローン残高
  • 抵当権の設定内容
  • 一括完済時に必要な金額(繰上返済手数料の有無)

売却代金でローンを完済できなければ、原則として抵当権は抹消できません。リースバックは売却を前提とするため、ここが曖昧なまま進めると途中で行き詰まります。

売却価格の現実ラインを早い段階で知る

住宅ローンがある状態で後悔する人の多くは、売却価格を楽観的に見積もりすぎています。リースバックの売却価格は、市場価格より低くなるのが一般的です。

そのため、

  • 通常売却ならいくらになりそうか
  • リースバック前提ではいくらが現実的か
  • 売却代金でローン完済が可能か

この3点を早い段階で冷静に把握することが重要です。特にアンダーローンかオーバーローンかの判断は、進め方を大きく左右します。オーバーローンの場合、自己資金の補填や他の選択肢を同時に検討しなければなりません。

不動産会社と金融機関の役割を混同しない

住宅ローンが絡むリースバックでは、不動産会社と金融機関の役割を切り分けて考える必要があります。

不動産会社は「いくらで買い取れるか」「賃貸条件はどうなるか」を判断します。一方、金融機関は「その売却でローンを完済できるか」「抵当権を外してよいか」を判断します。

どちらか一方の話だけで進めると、以下のようなズレが生じます。

  • 不動産会社では進められると言われたが、銀行が同意しない
  • 銀行的には完済できるが、賃貸条件が現実的でない

両者の判断が揃って初めて成立する取引だと理解することが、後悔を避ける第一歩です。

複数社に相談し条件を横並びで比較する

住宅ローンが残っている場合、1社だけの提案で決めるのは非常に危険です。売却価格、家賃、契約期間、買い戻し条件は会社ごとに大きく異なります。

比較する際は、金額だけでなく以下も含めて整理します。

  • 家賃が将来的に上がる可能性
  • 定期借家か普通借家か
  • 買い戻しの可否と価格の算定方法

「とにかく早く現金が欲しい」という状況ほど、条件の確認が甘くなりがちです。時間が限られていても、最低限の比較は必須です。

将来の住居と資金計画を同時に考える

リースバックは資金調達手段であると同時に、住まいの形を変える選択でもあります。住宅ローンがある状態では、短期的な資金確保だけで判断すると後悔につながります。

  • 何年住み続ける予定なのか
  • 家賃を払い続けられる収支か
  • 将来買い戻す意思があるのか

これらを曖昧にしたまま契約すると、数年後に「こんなはずではなかった」と感じやすくなります。資金調達と生活設計を切り離さず、同時に考える姿勢が重要です。

住宅ローンが残っている状態でのリースバックは、売却価格とローン完済の関係、そしてその後の生活設計まで含めて考えないと失敗しやすいです。焦らず数字を整理し、選択肢を並べた上で進めれば、後悔のリスクは大きく下げられますよ

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買戻し(再購入)
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8位明和地所のリースバック明和地所株式会社マンションデベロッパー系。最短即日の現金化や買戻し特約など柔軟東京都東証一部上場首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)と札幌市内-1日~3日最短2週間--2年2年ごとの延長自由自由0円---20歳以上不要売却価格が住宅ローン残債を上回る居住用マンションのみ戸建て継続
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9位スター・マイカのマンションリースバックスター・マイカ株式会社リノベマンション大手。マンションに特化しており高値売却に期待東京都非上場※東証一部上場企業スター・マイカ・ホールディングスの子会社関東エリア(東京、神奈川、埼玉、千葉)、関西エリア(大阪、京都、兵庫)、札幌、仙台、名古屋、福岡等の地方政令都市中古マンション買取累計11,000件以上-最短1週間--2年契約期間は応相談自由0円---20歳以上不要売却価格が住宅ローン残債を上回るファミリータイプ(30㎡~)の分譲マンションのみ戸建て継続
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70歳以上の単身者の方
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10位センチュリー21/リースバック「売っても住めるんだワン!!」株式会社センチュリー21・ジャパン国内最大級の店舗ネットワーク。地域密着型で全国どこでも相談可能東京都ジャスダック上場全国--半月~1カ月前後--2年2年間、延長自由自由0円-近隣の売買事例等を参考に設定近隣の家賃相場を参考に設定20歳以上不要売却価格が住宅ローン残債を上回るどのような物件も取り扱い可能借地上の建物(所有者と調整の上利用できるケースもある)
住宅ローンの残債がご所有の不動産の査定額より大きい方
弊社で経験のない地域
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11位長谷工のリースバック株式会社長谷工リアルエステートマンション施工大手の長谷工グループ。直接買取で仲介手数料が不要東京都非上場※東証一部上場企業谷工コーポレーションの子会社首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)※取扱いできない地域ありグループ会社がマンション建設No.1-----------年齢制限なし不要売却価格が住宅ローン残債を上回るどのような物件も取り扱い可能借地上に建てられた不動産継続
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