リースバックやばいと言われる理由を徹底整理。資金調達で後悔しない判断ポイント



目次

リースバックがやばいと検索される背景と不安の正体

リースバックという言葉を調べると、「やばい」「罠」「危険」といった強いワードが並び、不安を煽られるように感じる方は少なくありません。これは、制度そのものが危険だからというよりも、仕組みが直感に反し、誤解や情報不足が生まれやすい構造に原因があります。

まず多いのが、「家を売却したのに住み続けられる」という仕組みへの違和感です。不動産の常識では、売却=退去というイメージが強くあります。そのため、売却後も同じ家に住み続けられると聞くと、「そんな都合のいい話があるのか」「裏があるのではないか」と感じやすくなります。所有権が移転し、立場がオーナーから賃借人に変わるという点が十分に理解されないまま情報だけが先行すると、不信感につながりやすいのです。

次に、インターネット上で失敗談やネガティブな体験談が拡散されやすい点も背景にあります。リースバックは一般的な売却に比べて取引件数がまだ多くなく、身近な成功例を聞く機会が少ない一方で、トラブル事例は強い言葉とともに共有されがちです。「家賃が高かった」「思ったより安く売ってしまった」といった個別の体験が切り取られ、「リースバック=やばい」という印象だけが独り歩きしてしまいます。

また、資金繰りに悩んでいる人や高齢者が検討するケースが多い点も、不安が増幅される要因です。老後資金、医療費、相続対策など、切迫した事情を抱えている状況では、冷静な比較検討が難しくなりやすく、「弱い立場の人が狙われるのではないか」というイメージが生まれます。この構造自体が、リースバック全体への警戒感につながっています。

さらに、リースバックは「売却価格」「家賃」「賃貸契約」「買い戻し条件」といった複数の要素が同時に絡む取引です。どれか一つだけを見て判断すると、全体像を見誤る可能性があります。仕組みを十分に理解しないまま断片的な情報に触れることで、「なんだか複雑で危険そうだ」という印象を持ちやすくなるのです。

このように、「リースバック やばい」と検索される背景には、制度の欠陥というよりも、仕組みへの理解不足と情報の偏りがあります。不安の正体を整理すると、多くは誤解や準備不足から生じていることが見えてきます。

リースバックがやばいと感じる理由の多くは、仕組みを知らないまま情報だけを見てしまうことにあります。売却なのか、賃貸なのか、どこが変わるのかを一つずつ整理すると、不安はかなり具体化できます。怖いかどうかではなく、自分の状況に合うかどうかを冷静に判断することが大切ですね

売却価格が相場より低くなりやすい点がやばいと言われる理由

リースバックが「やばい」と検索される大きな理由の一つが、売却価格が一般的な不動産相場より低くなりやすい点です。通常の仲介売却や買取と比べて、なぜ価格が下がりやすいのかを正しく理解していないと、「思ったより安く売ってしまった」「損をした」と感じやすくなります。

市場価格の70%前後になるケースが多い背景

リースバックでは、売却価格が市場価格の70%前後になることが多いと言われています。これは一部の悪質なケースに限らず、仕組み上ある程度避けられない側面があります。

リースバックの買主は一般の個人ではなく、不動産会社や投資事業者です。事業者は購入後すぐに転売するのではなく、一定期間は賃貸として運用することを前提にしています。そのため、将来的な空室リスク、修繕費、固定費、再販時の価格変動リスクをあらかじめ織り込んだ価格でしか購入できません。

結果として、

  • 今すぐ確実に現金化できる
  • 売却後も住み続けられる
    というメリットと引き換えに、売却価格が相場より低く設定されやすくなります。

即時現金化と引き換えに価格が下がる仕組み

リースバックは、売却活動を行って買主を探す仲介売却とは異なり、短期間で資金を確保できる点が大きな特徴です。早いケースでは、相談から数週間以内に現金化できることもあります。

一方で、不動産市場では「早く売れる物件ほど価格は下がる」という原則があります。これはリースバックに限らず、不動産買取全般に共通する考え方です。

リースバックではさらに、

  • 賃借人がすでに決まっている特殊な物件になる
  • 自由にリフォームや活用ができない期間が発生する
    といった制約も加わります。

こうした条件が重なることで、事業者側は安全性を重視し、結果として売却価格を低めに設定する傾向があります。この仕組みを知らずに「通常売却と同じ感覚」で金額を期待してしまうと、ギャップが大きくなり「やばい」と感じやすくなります。

通常売却や買取との根本的な違い

リースバックの売却価格を正しく判断するには、他の売却方法との違いを理解することが重要です。

通常の仲介売却では、市場に物件を出し、個人の買主を探します。そのため相場に近い価格で売れる可能性がありますが、売却までに時間がかかり、内見対応や引っ越しが必要になります。

一方、一般的な不動産買取は早期に現金化できますが、売却後は住み続けることができません。

リースバックは、

  • 早期現金化
  • 引っ越し不要
  • 生活環境を変えずに資金調達
    という点に価値を置いた取引です。その付加価値分が、売却価格の低下という形で現れています。

この違いを理解せずに金額だけを比較すると、「相場より安い=損」「騙されたのではないか」と誤解しやすく、それが「リースバックはやばい」という印象につながっています。

査定額の幅が大きく不安を感じやすい点も要因

リースバックは明確な市場相場が存在しない取引です。事業者ごとに、

  • 家賃収入を重視するか
  • 将来の売却益を重視するか
  • 長期賃貸を想定するか短期を想定するか
    といった考え方が異なります。

そのため、同じ物件でも査定額に大きな差が出ることがあります。この差を見て「こんなに違うのはおかしい」「安く買い叩かれるのでは」と不安を感じる方も少なくありません。

しかし、このばらつき自体が異常なのではなく、リースバックという仕組みの特性によるものです。価格だけで判断せず、家賃や契約条件まで含めて総合的に比較しないと、必要以上に不安が大きくなってしまいます。

リースバックの売却価格が相場より低くなりやすいのは、即時現金化と住み続けられる仕組みを同時に実現するためです。価格だけを見ると「やばい」と感じやすいですが、何と引き換えの金額なのかを整理して考えることが大切です。複数社の査定を取り、売却価格と家賃をセットで冷静に比較すれば、納得できる判断がしやすくなります

家賃が高くなり生活を圧迫するリスク

リースバックで「やばい」と感じやすい要因のひとつが、売却後に支払う家賃の負担です。持ち家から賃貸に切り替わるため毎月の支払いが発生しますが、その家賃は一般的な賃貸相場とは決まり方が異なります。結果として、想定以上に家計を圧迫しやすい構造になっている点を理解しておく必要があります。

利回り重視で家賃が設定される仕組み

リースバックの家賃は、周辺の賃貸需要だけで決まるものではありません。多くの場合、売却価格に対する事業者の期待利回りをもとに算出されます。事業者にとっては不動産投資であり、将来の空室リスクや管理コスト、資金調達コストを織り込んだ利回りを確保する必要があります。

このため、売却価格が高く設定されるほど、家賃も比例して高くなりやすい傾向があります。売却時に「できるだけ高く売りたい」と考えるほど、毎月の家賃が重くなるという逆転現象が起こり得ます。

周辺の賃貸相場より割高になる可能性

一般的な賃貸住宅では、家賃は立地や広さ、築年数、需要と供給のバランスで決まります。一方、リースバックではこの相場感に加えて、事業者の利回り確保が優先されるため、同じエリア・同程度の物件と比べて割高になるケースがあります。

とくに戸建てや広いマンションの場合、同条件の賃貸物件が市場に少なく、比較対象が見つけにくいこともあります。その結果、「相場が分からないまま提示額を受け入れてしまった」という状況になりやすく、後から負担の大きさに気付くことがあります。

長期居住で家賃負担が重くなる現実

リースバックは短期間の資金確保を目的とするなら、家賃負担が大きな問題にならない場合もあります。しかし、長く住み続ける前提で考えると、毎月の家賃は確実に生活費を圧迫します。

とくに注意したいのが、将来の収入減少です。定年後や年金生活に入ると、現在は問題なく支払えている家賃でも、数年後には重荷になる可能性があります。さらに、契約形態によっては更新時に家賃の見直しが行われることもあり、長期的な支出は固定されていません。

家賃を起点に生活設計が崩れるリスク

リースバックで得た売却代金は、一時的には大きな安心材料になります。しかし、その後の家賃が高いと、せっかく確保した資金が家賃の支払いで徐々に減っていく状況に陥ります。生活費全体の中で家賃が占める割合が高くなると、医療費や介護費、突発的な出費への対応力も下がります。

このリスクは、契約時点で「今払えるか」ではなく、「将来も無理なく払い続けられるか」を基準に判断しないと見落とされがちです。

家賃リスクを見極めるための考え方

家賃の負担を軽視したまま契約すると、リースバックは「住み続けられるはずだったのに苦しくなる」選択肢になりかねません。売却価格だけで判断せず、売却後の毎月の支出として家賃を冷静に見積もる視点が不可欠です。

  • 周辺の賃貸相場と比較して著しく高くないか
  • 将来の収入水準を想定しても支払いが継続できるか
  • 更新時や再契約時に家賃が変動する条件になっていないか

これらを事前に整理しておかないと、生活を守るための資金調達が、逆に生活を圧迫する原因になります。

家賃はリースバックの中でも特に見落とされやすいリスクです。売却価格に目が行きがちですが、毎月の家賃が将来の生活に与える影響を必ず数字で確認してください。今だけでなく、数年先まで無理なく払えるかを基準に考えることが、後悔しない判断につながります

契約内容次第で住み続けられないリスク

リースバックは「売却後も同じ家に住める」点が強調されやすい一方で、契約内容を正しく理解していないと、想定より早く住めなくなるリスクを抱えています。この点が「リースバックはやばい」と言われる大きな理由の一つです。

特に重要なのは、売買契約とは別に結ばれる賃貸借契約の内容です。所有権を手放した時点で、住み続けられるかどうかは賃借人としての権利に依存するため、契約の種類や条件次第で将来の住居が不安定になる可能性があります。

普通借家契約と定期借家契約の違いが大きな分かれ目

リースバックで結ばれる賃貸借契約には、大きく分けて普通借家契約と定期借家契約があります。この違いを理解しないまま契約してしまうと、後から「こんなはずではなかった」と後悔するケースにつながります。

普通借家契約は、借主に強い権利が認められており、貸主に正当な理由がない限り、借主が希望すれば契約の更新が可能です。長期間住み続けたい人にとっては、比較的安心感のある契約形態です。

一方、定期借家契約は、あらかじめ定められた契約期間が満了すると原則として終了します。再契約は可能な場合もありますが、貸主の同意が前提となり、拒否されれば退去せざるを得ません。リースバックではこの定期借家契約が採用されることも多く、住み続けられる保証がない点がリスクになります。

契約満了時に退去を求められる現実的な可能性

定期借家契約の場合、契約期間は2年や3年など比較的短く設定されることがあります。契約時には「その後も再契約できます」と説明されていても、契約書に明確な記載がなければ、法的には保証されません。

資金調達を目的にリースバックを選んだものの、数年後に退去を求められ、想定外の引っ越し費用や新たな住居探しに追われるケースも現実に起きています。特に高齢期や収入が限られている状況では、このリスクは生活に直結します。

口約束と契約書の不一致がトラブルを生む

リースバックに関するトラブルで多いのが、説明された内容と契約書の記載が一致していないケースです。「長く住める」「更新は問題ない」といった口頭説明を信じて契約した結果、契約書では定期借家契約となっており、更新条項も曖昧だったという事例は少なくありません。

不動産取引では、最終的に効力を持つのは契約書の内容です。どれだけ安心できる説明を受けても、書面に反映されていなければ、後から権利を主張することは困難になります。

将来の生活設計と契約条件の整合性が重要

リースバックは短期的な資金確保には有効ですが、住み続ける期間や将来の住居計画まで含めて判断しなければ、かえって不安定な状況を招く可能性があります。

特に「何年住めるのか」「更新は確実か」「退去条件はどうなっているか」といった点は、資金調達額や家賃と同じくらい重要な判断材料です。これらを曖昧なまま契約すると、リースバックのメリットが一転して大きなリスクに変わります。

リースバックは住み続けられるかどうかが契約で決まります。普通借家か定期借家か、更新条件はどうなっているかを契約書で必ず確認することが大切です。資金調達だけで判断せず、将来の住まいまで見据えて冷静に選びましょう

買い戻しできない・条件が厳しい落とし穴

リースバックは「将来、資金に余裕ができたら自宅を買い戻せる」と説明されることが多い一方で、実際には買い戻しが保証されていないケースが少なくありません。この点が十分に理解されないまま契約されると、後から「話が違う」「こんな条件だとは思わなかった」と強い後悔につながります。

買い戻しは自動的に認められる権利ではない

リースバックで売却した不動産は、所有権が完全に事業者へ移転します。そのため、元の所有者であっても、買い戻しは当然に認められる権利ではありません。買い戻しを可能にするには、売買契約書に特約として明確に定める必要があります。

買い戻しについて契約書に何も記載がない場合、事業者から「その条件では応じられない」「そもそも買い戻しは不可」と判断されても、法的に争うのは極めて困難です。口頭説明や営業トークだけを信じて契約すると、この時点で選択肢を失うことになります。

買い戻し価格が大幅に高く設定されやすい現実

仮に買い戻し条項が盛り込まれていても、条件が厳しすぎて現実的に実行できないケースがあります。特に多いのが、買い戻し価格の高さです。

一般的に、買い戻し価格は売却価格の110%〜130%程度に設定されることが多く、以下のような負担が想定されます。

  • 売却価格に一定の上乗せがされた金額が設定される
  • 登録免許税や不動産取得税などの諸費用が別途必要になる
  • 買い戻し期限が短く、資金準備の猶予が少ない

結果として「理論上は買い戻せるが、実際には資金が追いつかない」という状況に陥りやすく、買い戻しを前提に考えていた計画が崩れてしまいます。

条件未記載・曖昧表現が招く後悔事例

トラブルで特に多いのが、買い戻し条件が曖昧なまま契約されているケースです。「将来相談には応じる」「タイミングを見て対応する」といった表現は、法的には何の拘束力もありません。

注意すべきポイントとして、次のような項目が契約書に具体的に明記されているかを確認する必要があります。

  • 買い戻しが可能かどうか
  • 買い戻しできる期間や期限
  • 買い戻し価格の算出方法
  • 所有者が変更された場合の扱い

これらが欠けている場合、事業者が不動産を第三者に転売した時点で、買い戻しの話自体が消滅する可能性もあります。

「買い戻せるはず」という思い込みが危険な理由

資金調達を目的としてリースバックを選ぶ方の中には、「最悪の場合は買い戻せばいい」と考えて契約を進める方も少なくありません。しかし、この前提が成り立つのは、条件が明確かつ現実的な場合に限られます。

買い戻しを重視するのであれば、売却価格や家賃だけでなく、将来の再取得まで含めた総合的な資金計画が不可欠です。条件次第では、リースバック以外の資金調達手段の方が、結果的に柔軟で安全なケースもあります。

買い戻しは「できる前提」で考えるのが一番危険です。契約書に明確な条件がなければ、将来の選択肢は簡単に失われます。売却価格や家賃だけでなく、買い戻しの可否・価格・期限を冷静に確認したうえで判断することが、後悔しない資金調達につながります。

悪質業者や強引な営業によるトラブル

リースバックが「やばい」と言われる理由の中でも、実際のトラブルにつながりやすいのが、悪質業者や強引な営業による問題です。リースバック自体は合法で仕組みも明確ですが、利用者側が十分な判断時間を持てない状況を狙われると、結果的に不利な契約を結ばされてしまうケースがあります。

特に多いのが、資金繰りに切迫している状況や、高齢で不動産取引に不慣れな立場につけ込む営業手法です。冷静な比較や確認をさせないまま話を進めることで、利用者が本来知るべき重要な条件が後回しにされてしまいます。

契約を急がせる営業手法の危険性

悪質なケースでは「今日中に決めないとこの条件は出せない」「すぐ契約しないと差し押さえになる」など、不安をあおる言葉で判断を迫られることがあります。リースバックはクーリングオフの対象外となるため、一度契約すると簡単には取り消せません。

そのため、即断即決を求める営業姿勢そのものがリスクのサインになります。正当な事業者であれば、利用者が持ち帰って検討する時間を確保し、契約内容についても繰り返し説明するのが通常です。

注意すべき営業トークの例

  • 今すぐ契約しないと条件が大きく悪くなると言われる
  • 他社に相談する必要はないと断言される
  • 書面より口頭説明を優先し、契約書の確認を急かされる

こうした対応が見られる場合は、その場で契約せず、一度立ち止まる判断が重要です。

査定額や条件が業者ごとに大きく異なる理由

リースバックには統一された相場が存在せず、売却価格や家賃、買い戻し条件は業者ごとに大きく異なります。この仕組みを理解していないと、提示された条件が妥当かどうか判断できず、不利な条件でも受け入れてしまいがちです。

悪質な業者ほど、相場比較をさせないために「この金額が標準です」「他社も同じです」と説明する傾向があります。しかし実際には、同じ物件でも業者によって数百万円単位で差が出ることも珍しくありません。

高齢者や緊急資金需要を狙ったケース

特に問題になりやすいのが、年金生活に入った高齢者や、医療費・事業資金などで早急に現金が必要な状況です。こうした状況では「住み続けられる」「借金ではない」というメリットだけが強調され、デメリットや長期的な負担について十分に説明されないことがあります。

結果として、売却価格が著しく低い、家賃が将来的に支払えなくなる、買い戻しができないといった事態に直面し、後悔につながるケースが発生します。

トラブルを防ぐために意識すべき視点

悪質業者とのトラブルを避けるためには、リースバックの仕組みを理解したうえで、必ず複数社を比較することが欠かせません。売却価格だけでなく、家賃、契約期間、更新条件、買い戻しの有無まで含めて総合的に判断する視点が必要です。

また、少しでも違和感を覚えた場合は、その場で決めず、家族や専門家に相談することが大きな防御策になります。

リースバックは仕組みを理解して冷静に選べば危険なものではありません。強引に急がせる業者や説明が曖昧な相手は避け、必ず複数社で条件を比べることが大切です。時間をかけて判断する姿勢が、後悔しない資金調達につながります

リースバックをやばくしないためのチェックポイント

リースバックは「売買契約」と「賃貸借契約」が同時に走るため、どちらか一方でも見落とすと“やばい結果”になりやすい取引です。ここでは、資金調達を急いでいる人ほど抜けやすい確認点を、契約前に潰すためのチェックポイントとして整理します。

まず整理したい目的とゴール

最初にやるべきは、条件交渉ではなく「目的の言語化」です。目的が曖昧だと、売却価格だけ高い提案や、住める期間が短い提案に流されます。

確認したい軸は次の3つです。

  • いくら必要か(不足額ではなく“必要総額”)
  • いつまで住みたいか(2年なのか、10年以上なのか)
  • 将来買い戻す可能性があるか(可能性があるなら“前提条件”として扱う)

資金の使い道が事業・納税・相続・生活費など何であれ、住み続けたい年数と毎月の支出上限が決まると、選ぶべき契約形態がほぼ決まります。

見積もりは複数社で取り、条件をセットで比較

リースバックは会社ごとに「何で利益を取りにいくか」が違い、査定額・家賃・買い戻し条件が大きく変わります。1社だけで決めると、相場観が作れず交渉材料も消えます。

比較は「売却価格だけ」ではなく、セットで見ます。

  • 売却価格
  • 家賃(月額)
  • 契約形態(普通借家か定期借家か)
  • 家賃改定の有無・タイミング
  • 買い戻しの可否、価格、期限
  • 修繕費負担(貸主か借主か)
  • 手数料、違約金、解約条件

条件は必ず書面で受け取り、口頭説明は“補足”として扱うのが鉄則です。

売却価格の妥当性を確かめる

リースバックは一般に市場売却より低くなりやすい一方、どこまで低いなら妥当かは物件と条件次第です。妥当性を確認するには「比較対象」を作ります。

  • 通常の仲介で売った場合の相場感(近隣成約・類似物件)
  • 買取(リースバックではない買取)の価格感
  • リースバック各社の提示価格帯

ポイントは「現金化スピード」「住み続ける権利」「将来の制約」を受け取る代わりに、どれだけ価格を譲っているかを把握することです。価格だけ見て高くても、家賃が割高で長期的に損をするケースがあります。

家賃の決まり方と将来の値上げを数字で見る

家賃は“周辺相場”で決まるとは限らず、売却価格と利回り発想で設計されることがあります。ここで重要なのは「今払えるか」ではなく「将来も払えるか」です。

確認したいのは次の3点です。

  • 周辺の賃貸相場と比べて高すぎないか
  • 収入が下がった場合でも継続できるか(年金生活などを想定)
  • 値上げ条項があるか(更新時・再契約時・オーナーチェンジ時)

家賃の改定条件が曖昧な契約は、資金調達に成功しても生活が詰む原因になります。家賃は「上がる前提」で耐えられる上限を置くと安全です。

住み続けられる条件は賃貸借契約がすべて

「住み続けられるか」は、売買契約ではなく賃貸借契約で決まります。特に重要なのが、普通借家契約と定期借家契約の違いです。

  • 普通借家契約:借主が希望すれば更新できる余地が大きい(ただし条件は契約次第)
  • 定期借家契約:期間満了で終了が原則。再契約できるかは別問題

確認ポイントは、契約書に明記されているかどうかです。

  • 契約期間
  • 更新の可否(更新か再契約か)
  • 満了時の退去条件
  • 中途解約の可否、違約金の有無
  • 退去予告の期間、通知方法

「長く住めます」という説明があっても、定期借家で再契約条項が弱いと、最終的に主導権は貸主側に寄ります。

買い戻しを考えるなら条項を具体的に

買い戻しは“できる場合もある”であって、“当然できる”ではありません。将来の買い戻しを少しでも考えるなら、条件を具体化して契約書に落とします。

  • 買い戻しできるか(可否を明確に)
  • いつからいつまで買い戻せるか(期限・タイミング)
  • いくらで買い戻すか(算出根拠)
  • 手数料や税金負担(不動産取得税、登録関連費用などの想定)
  • オーナーが変わった場合の取り扱い(引き継がれるか)

買い戻しを入れると売却価格・家賃に影響することもあるため、「買い戻しは絶対に必要か」「必要なら上限価格はいくらか」を決めてから交渉すると、後悔が減ります。

修繕費・原状回復・保険の負担区分を確認

持ち家感覚のまま契約すると、修繕費で揉めやすいです。リースバックは「元の持ち主が住み続ける」性質上、修繕を借主負担にしている契約も見られます。

最低限、次を確認します。

  • 設備故障(給湯器・水回り・雨漏り等)の負担者
  • 経年劣化の扱い
  • 原状回復の範囲
  • 火災保険・地震保険の名義と費用負担
  • リフォーム可否(許可の要否)

ここが曖昧だと、資金調達できても突発費用で家計が崩れます。

手数料と違約金、解約条件を拾い上げる

リースバックは「売買+賃貸」のため、費用項目が散らばります。見積書に出ない費用があると、手取りが想定より減ります。

確認しておきたい代表例です。

  • 業務手数料など名目の費用があるか
  • 売買契約時の諸費用(印紙、登記関連など)
  • 賃貸契約の更新・再契約時の費用
  • 途中解約の違約金や精算ルール
  • 滞納時の解除条件(何か月で解除されるか)

「手取り額」「毎月の支出」「解約時の出口コスト」を一枚にまとめて比較すると、見落としが減ります。

会社の信頼性をチェックする

条件が良く見えても、説明が雑・契約を急がせる・質問に答えない会社はリスクが高いです。会社選びのチェックは、営業トークより“情報の出し方”で判断します。

  • 重要事項を先に開示しているか(家賃の決まり方、契約種別、買い戻しなど)
  • 質問に対して書面で回答するか
  • 実績や取扱い件数を具体的に示せるか
  • 口コミを見るなら、良い悪いより「条件のズレ」「説明不足」「急かし」が多いかに注目する

特に「今日決めれば条件を良くする」「家族に相談しなくていい」といった誘導は、事故の入口になりやすいです。

契約前の最終確認用ミニチェックリスト

契約直前は、次の項目だけは“穴埋め式”で自分の言葉で書ける状態にしてください。書けない項目が残っているなら、まだ契約する段階ではありません。

  • 売却価格:___円(根拠:___)
  • 手取り見込み:___円(差引項目:___)
  • 家賃:___円(値上げ条件:___)
  • 契約形態:普通借家/定期借家(期間:___年)
  • 更新・再契約:できる/できない(条件:___)
  • 退去条件:___
  • 買い戻し:できる/できない(期限:___、価格:___)
  • 修繕費:貸主/借主(対象:___)
  • オーナー変更時:契約は引き継がれる/扱い不明(条項:___)
  • 違約金・解約:___

リースバックは“売却価格が高いか”より、“住み続ける権利が契約で守られているか”が勝負です。複数社比較で相場観を作り、家賃・契約形態・買い戻し・修繕費をセットで確認してください。書面にない約束は、いざというとき守れません。焦っているときほど、チェックリストで機械的に潰していくのが安全です

リースバック以外の資金調達手段との比較検討

リースバックが「やばい」と感じられる背景には、売却価格や家賃、将来の居住不安といった要素があります。これらの不安を正しく判断するためには、リースバックだけを見るのではなく、他の資金調達手段と横並びで比較する視点が欠かせません。不動産を保有しているからこそ選べる選択肢を整理し、自分にとってどの方法が現実的かを冷静に見極めることが重要です。

不動産担保ローンとの違いを理解する

不動産担保ローンは、自宅を担保にして金融機関やノンバンクから融資を受ける方法です。所有権は維持したまま資金を調達できる点が、リースバックとの大きな違いです。

ただし、不動産担保ローンは「借金」である以上、毎月の元本返済と利息の支払いが発生します。収入状況や年齢によっては審査に通らないケースもあり、返済が滞れば不動産を失うリスクも伴います。

一方、リースバックは返済義務がなく、審査も原則不要で現金化が早い点が特徴です。その代わり、所有権を手放し、家賃という固定支出を長期間負担する構造になります。

  • 所有権を残したい、安定収入がある場合は不動産担保ローン
  • 借入を増やしたくない、早急に資金が必要な場合はリースバック

このように、収入の安定性と返済余力が判断の分かれ目になります。

リバースモーゲージとの違いを整理する

リバースモーゲージは、高齢者向けに設計された資金調達手段で、自宅を担保に融資を受け、原則として生存中は利息のみを支払う仕組みです。元本は契約者が亡くなった後に不動産を売却して精算されます。

リースバックとの決定的な違いは、所有権が生存中は移転しない点です。そのため「家を売ること自体に抵抗がある人」には心理的ハードルが低い方法といえます。

ただし、利用には年齢制限や物件条件があり、資金使途が老後生活費などに限定される場合もあります。固定資産税や修繕費の負担も継続するため、完全に負担がなくなるわけではありません。

  • 老後資金を段階的に確保したい場合はリバースモーゲージ
  • 資金使途を自由にしたい、年齢制限を受けたくない場合はリースバック

というように、ライフステージによって向き不向きが分かれます。

通常売却や不動産買取が向いているケース

住み続けることに強いこだわりがない場合、通常の不動産売却や買取も有力な選択肢になります。市場価格に近い金額で売却できる可能性が高く、リースバックのような家賃負担も発生しません。

特に時間に余裕があり、引っ越しが可能な場合は、結果的に手元資金が最も多く残るケースもあります。一方で、売却活動に時間がかかる、近隣に売却を知られやすいといった点はデメリットです。

  • 住み替え前提で最大限の売却価格を重視するなら通常売却
  • 早期現金化を優先するなら不動産買取

といった形で、スピードと価格のどちらを優先するかが判断基準になります。

複数手段を比較せずにリースバックを選ぶ危険性

リースバックは「最後の手段」として選ばれることが多い一方で、本来は他の方法の方が条件に合っていたというケースも少なくありません。不動産担保ローンが組めた、通常売却でも十分な資金が得られた、という後悔は珍しくないのが実情です。

重要なのは、リースバックを否定することではなく、選択肢を比較せずに決断することがリスクになるという点です。不動産という大きな資産を使った資金調達だからこそ、一つの方法に絞らず、条件や将来負担を横断的に整理する必要があります。

リースバックは便利な反面、他の方法と比べないまま選ぶと後悔しやすいです。所有権、毎月の負担、将来の自由度を軸に、不動産担保ローンやリバースモーゲージ、売却も含めて一度立ち止まって整理することが大切です。焦らず比較する姿勢が、資金調達をやばくしない最大のポイントですよ

順位商品名会社名ポイント本社所在地(都道府県)上場対応エリア実績査定スピード資金化までの日数再購入できない期間通常の賃貸借契約契約期間住み続ける期間資金使途査定・審査手数料事務手数料査定額設定賃料(リース料)年齢保証人利用条件審査可能物件審査不可物件売却後の選択肢その他サービス・独自特典公式サイト
1位セゾンファンデックス/リースバック株式会社セゾンファンデックスセゾングループの信頼性。事務手数料等の初期費用が比較的安価東京都非上場※セゾングループ全国-最短即日最短2週間--3年-自由0円---20歳以上原則不要安定した収入
不動産名義人全員の同意
売却価格が住宅ローン残債を上回る
個人:所有物件(戸建て、マンション)
法人・個人事業主の場合:所有物件(オフィスビル、事務所、社員寮、自宅、作業場、工場、店舗など)
-継続
退去
再購入
選べる付加価値サービス
・セコムのホームセキュリティ
・HOME ALSOK みまもりサポート
・くらしのセゾン ハウスクリーニング
・ホームネットのハローライト
公式サイト
2位一建設/リースバックプラス一建設株式会社「標準」と「優遇」プランあり。最大1年間の賃料無料など特典が充実東京都非上場※東証一部上場飯田グループホールディングスの子会社全国分譲住宅販売戸数日本一の飯田グループホールディングス1日~3日最短2週間-1年~5年普通賃貸借契約は、延長自由。定期借家契約は、延長不可1年~5年自由0円--※定期借家契約の場合は、1年目家賃無料20歳以上不要売却価格が住宅ローン残債を上回るどのような物件も取り扱い可能-○普通賃貸借契約
継続
退去
買戻し(再購入)
○定期借家契約
退去
買戻し(再購入)
○定期借家契約
最大1年間家賃無料
売却益の一部キャッシュバック
(オプション:はじめの住み替え)
引っ越し費用無料
査定価格アップ
○普通賃貸借契約
住めば住むほど再購入価格が下がる
○共通
3年目以降、新築戸建てに住み替え可能
不要資金預入制度
売却益還元制度
はじめごあいさつコール(65歳以上)
ファストドクター
24時間ホームセキュリティ
会員様限定優待サービス
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3位SBIスマイル/ずっと住まいるSBIスマイル株式会社SBIグループの資金力。資金使途が自由で引越し費用も不要東京都非上場※SBIグループ全国-仮査定は最短即日/正式査定は、2営業日~3営業日2週間~1カ月前後-契約期間をお客様と協議し決定-自由0円0円----売却価格が住宅ローン残債を上回る--継続
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引越しお祝い金制度公式サイト
4位あなぶきのリースバック穴吹興産株式会社西日本に強いあなぶきグループ。マンション管理の知見を活かした対応香川県東証スタンダード上場東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・京都・香川・高知・徳島・愛媛・広島・岡山・福岡全国供給戸数ランキング8位(2021年6月30日現在)最短1日での回答最短1週間-○普通賃貸借契約(更新可)相談により対応可能普通賃貸借契約は、延長自由自由0円0円相場の成約相場価格の70%前後。※立地や築年数によって変動-20歳以上不要売却価格が住宅ローン残債を上回る専有面積40㎡以上
築年数10年以上
RC造、もしくはSRC造
戸建て継続
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70歳以上の方
・セコムのホームセキュリティ
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5位ミライエ/リースバック株式会社ミライエ任意売却や競売回避の専門企業。他社で断られた案件も柔軟に審査東京都非上場北海道・東北・関東・中部-最短即日~1週間1カ月以内---自由0円------どのような物件も取り扱い可能-継続
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6位インテリックス/あんばい株式会社インテリックスリノベーション大手。2年間の定期借家契約が基本(再契約相談可)東京都東証一部上場全国累計20,000戸以上のリノベーション住宅 施工・販売実績査定依頼から1週間~10日半月~1カ月前後契約開始より2年間-2年2年間、延長自由自由0円--周辺の家賃相場、お客様の支払可能額を考慮して設定20歳以上不要安定した収入
不動産名義人全員の同意
売却価格が住宅ローン残債を上回る
事業用地
マンション・戸建・土地・ビル・店舗等どのような物件も取り扱い可能
借地上の建物
住宅ローンの残債がご所有の不動産の査定額より大きい方
弊社でのお取扱が難しい地域の場合
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7位伊藤忠の住宅リースバック伊藤忠ハウジング株式会社伊藤忠商事グループの総合力。都心部のマンション・戸建てに強み東京都-全国-------自由-----不要売却価格が住宅ローン残債を上回るどのような物件も取り扱い可能-継続
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8位明和地所のリースバック明和地所株式会社マンションデベロッパー系。最短即日の現金化や買戻し特約など柔軟東京都東証一部上場首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)と札幌市内-1日~3日最短2週間--2年2年ごとの延長自由自由0円---20歳以上不要売却価格が住宅ローン残債を上回る居住用マンションのみ戸建て継続
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9位スター・マイカのマンションリースバックスター・マイカ株式会社リノベマンション大手。マンションに特化しており高値売却に期待東京都非上場※東証一部上場企業スター・マイカ・ホールディングスの子会社関東エリア(東京、神奈川、埼玉、千葉)、関西エリア(大阪、京都、兵庫)、札幌、仙台、名古屋、福岡等の地方政令都市中古マンション買取累計11,000件以上-最短1週間--2年契約期間は応相談自由0円---20歳以上不要売却価格が住宅ローン残債を上回るファミリータイプ(30㎡~)の分譲マンションのみ戸建て継続
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70歳以上の単身者の方
HOME ALSOK みまもりサポート
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10位センチュリー21/リースバック「売っても住めるんだワン!!」株式会社センチュリー21・ジャパン国内最大級の店舗ネットワーク。地域密着型で全国どこでも相談可能東京都ジャスダック上場全国--半月~1カ月前後--2年2年間、延長自由自由0円-近隣の売買事例等を参考に設定近隣の家賃相場を参考に設定20歳以上不要売却価格が住宅ローン残債を上回るどのような物件も取り扱い可能借地上の建物(所有者と調整の上利用できるケースもある)
住宅ローンの残債がご所有の不動産の査定額より大きい方
弊社で経験のない地域
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11位長谷工のリースバック株式会社長谷工リアルエステートマンション施工大手の長谷工グループ。直接買取で仲介手数料が不要東京都非上場※東証一部上場企業谷工コーポレーションの子会社首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)※取扱いできない地域ありグループ会社がマンション建設No.1-----------年齢制限なし不要売却価格が住宅ローン残債を上回るどのような物件も取り扱い可能借地上に建てられた不動産継続
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